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日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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ゆーすけ
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前著「安心社会から信頼社会へ」をベースにしているが、こちらの方がより「正直こそ最大の武器である」の主張が強く、わかりやすい。以前はその理由を知りたくて手に取ったが、今回は「自分は本当は違うけど、他の人は周りに合わせようとするだろうから自分も合わせる、というのが日本人の特性である」というのを踏まえた上で、「そんな日本社会にいても”出る杭”として生きていくためには?」のヒントを得たくて読んだけれど、結局は「正直こそ最大の武器である」のだろうという結論に行き着いた。うまいことできてるなあ。
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RX93
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「協力行動を選ぶ人が臨界質量をほんのわずかでも超えてくれていれば、あとはまるでドミノ倒しのように協力行動をする人が出てくるので社会的ジレンマは解決の方向に向かいます」「いかにして初期段階で臨界質量以上に持っていけるかがポイント」「ポジティブ評価を得た人たちがトクをする社会を作る」○○すべきだ、ではなく、○○するほうがトクになる、という商人道
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よしはし
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安全社会:見知ったメンバー同士による相互監視や制裁 信頼社会:自らの責任でリスク覚悟で知らない人と取引 信頼社会の方が他人を信頼する傾向にある。なぜなら他人を信頼することのメリットがある、信頼することに慣れがある。 両社会は互いにあいいれることはない。 そのため、近年は信頼社会の方向に傾いているが、安全社会的な考えのせいで不都合が生じている。 武士道は安全社会的で商人道は信頼社会的 人の心は心掛けでは変わらない。環境を変えることが大事。正直者が報われるようになれば信頼社会の考えに。
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ROCKDOWN
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「日本人はアメリカ人より個人主義である」「武士道精神が日本のモラルを破壊する」、、またまた冗談を(笑)と思って読み進めるうちに妙に納得させられました。安心国家と信頼国家の対比を軸に、社会心理学、統計学の観点から既成概念を打ち破ろうとする著者の強い意志を感じました。心情的に割り切れないものは残りましたが、たまには違う角度からものを見ることも大事だと気付かされる一冊でした。
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あっくん
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凄い本でした。最近読んでいた一連の本での学びを繋げて補強してくれた。鴻上さんの「世間と社会」を本書では「安心社会と信頼社会」とし、今の日本は閉鎖的なムラ社会にて安心が担保された社会が、中途半端に壊れた状態とした。そして一刻も早く信頼社会に移るべきと説く。信頼社会は評判の良さが担保になる、正直者が損をしない社会だ。その実現にはモラル教育だけでは不十分、評判の見える化や共有化を進めることで実現できるとする。 2008年に書かれていた本書は、今のSNSマーケやセルフブランディングの隆盛を予見していたと感じた。
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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浅田すぐるさん推薦本。田舎暮らしに憧れた人が移住して頓挫するのはなぜかがよくわかった。
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Buffalo2004_TYO
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■日本社会、あるいは日本の組織社会を客観視するためには必須です。 ■「安心社会」とは、身内=「安心」・そうでない人=「泥棒」と認識し、相手を信頼すべきかどうかを考えなくて済む社会です。 ■この社会構成メンバーの相互監視に拠って、何かあったときに制裁が加えられるためというシステムで維持されています。よって、制裁を受けないように、そしてこの所属社会でトクをすることとなるように、構成員は動くのです。 ■昨今の急激な外部環境変化にこのシステムで運営を続ければ必ず破綻するように思えます。全体主義にも陥りやすい…。
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marcy
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新型コロナウイルスで、自粛警察と呼ばれる市民による見張り・糾弾活動や県外ナンバー車への投石といったムラ社会丸出しの閉鎖性が、令和の今も健在であることが明らかになった。人を見れば泥棒と思う日本人の本性を実験の結果でこれでもかと示し、集団主義で控え目と自認する「国民気質」は相互監視社会における生存戦略に過ぎないと筆者は言い切る。身内なら安心という思考停止状態だからこそ、よそ者を信頼できず、回り回って裏切りに遭う日本人。予言どおりの展開を成就させる、その種は自ら撒いているーーこれぞ真の自己責任、なのでは。
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Noma
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ほぼ日推薦だけあって、とても面白く興味深かった。 安心社会と信頼社会の違いや、集団主義と個人主義など、今まで漠然と頭に刷り込まれていたことが、実は逆であることを論理的に展開しており、読み応えもなかなか。やはり信頼の構造も読んでみようと思った。
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aochama
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10年前刊行の本ですが、現在にもつながる興味深い内容でした。国が主体の安心国家から市場主体の信頼国家への移行が進むとし、その際、それぞれのモラル体系を混ぜてはいけないところ、日本は混同しているため、偽装問題や変に忖度する事態が生じているとします。今の世の中を見通しているかのようです。著者は、正直者であることが損にならない社会制度を作ることが大事としており、信頼国家になるため~するほうがトクという考えを定着させるべきと主張します。確かにそうですが、それは今を見ると相当厳しい道のりに思えてなりません。
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よぞ
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日本の安心社会とは、よそ者を排除することによって安心を得る反面、ズルをしたと判断されるとよそ者としてパージされるペナルティがある。そこには倫理や道徳などなく損得勘定だけのつながりでしかないので根本的に他人への信頼というものがない殺伐としたものと言える。なので作者は「安心から信頼へ」と説く。
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のらくら Running B.B
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ネタバレ異なる原理に基づいて存続している安心社会と信頼社会が、現在日本においてはミックスしてしまい、それによって倫理的混乱状態にあるとの指摘は興味深い。グローバル化等によって安心社会から信頼社会への変化を余儀なくされながらうまくいっていない国は日本の他にも多々あると思うが、現在の日本の状況は、単純な移行失敗過程におけるミックスの弊害ではないような気がする。それが何かはよく分からないが、思考の糸口を提供してくれる刺激的な書と思う。
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miharasi_mamiya
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ネタバレ人類社会は安心社会と信頼社会の二つのタイプがある。日本は安心社会だったが信頼社会に移行しようとしてうまくいかなくなった。安心社会と信頼社会はどちらがよいというものではなくどちらにもそれぞれ利点がある。安心社会と信頼社会はそれぞれ違うモラルの体系があり、これが混ざってしまうと問題が起こる。安心社会は統治の倫理で信頼社会は市場の倫理である。身分制のあった時代は統治者の社会と商人の社会が分かれていたのでそれぞれの倫理は使い分けられていたのだが、民主制の時代は統治者と商人が分かれなくなったので問題が起きている。
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Ajar
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様々な行動心理実験と分析を通してみる日本社会論。非常に興味深い考察であった。精神論という心持ちではなく、行動の背景にある環境、社会に原因や解決策を見出す、説得力のある説明。日本人が優しくて正直という、日本礼賛論もメディアではびこるが、この本の分析のように見つめ直して欲しいと思う。
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ドリアン・グレイ
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日本のような集団主義社会では一般的に誠実な人が多いとされるが,それは構成員がまじめなわけではなく,集団主義の社会そのものが誠実であることを強制しているという話が逆説的で面白かった.高信頼社会に移行するには教育でうまくいくわけでもなくどうすればいいのだろうか.
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sharkman
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日本人はもともと他者を尊重し、信頼する民族ではなかった。むしろ他者を信頼することが苦手であった。 なぜならそこに信頼を考えなく良い社会の仕組みがあったからだ。それが安心社会。 その安心社会がグローバル化により徐々に変わってきている。知らない人に対しても信頼して一緒にビジネスをしなければならない。信頼社会。 いかにして他者を信頼するか、その仕組を作るか。 首尾一貫しており一気に読むことが出来た一冊。
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Hiroki  Nishizumi
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良かった。分かりやすく読みやすい文章も好感持てた。安心社会から信頼社会への移行に課題を抱えている現状が良く理解出来た。
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Sumiyuki
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日本人らしさは、安心社会で生きる術から生まれたもの。つまり、閉じられた世界で協調しないものを村八分にする社会。一方、世界に開かれる信頼社会。日本は、安心社会が崩壊し、信頼社会に移行出来ず、安心社会と信頼社会の合いの子という腐敗した状況にある、とする。正直者が損をしない制度を作っていかなければならない。帰属の基本的エラー。臨界質量。レモン市場。
Sumiyuki

@もともと他人との協力関係が、生きていくうえで必要不可欠だと考えている高信頼者は、他人との間に協力関係を築こうと積極的に行動します。もちろん、そこでかならず協力関係がうまく行くとは限りません。時には信じた相手から騙されることもあるでしょう。しかし、そこで高信頼者は懲りることなく、その失敗を教訓にしてまた他者との協力関係を築こうとするので、高信頼者たちは他人の信頼性をだんだん的確にチェックできるようになっていくというわけです。

02/05 22:18
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ぽん教授(非実在系)
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集団主義と思われる日本人は案外実は利己主義的であり、集団主義的であるように見せる戦略を採用しているだけであること、そうした安心社会に対して個人の相互利益による信頼社会がアメリカ型であり、信頼社会への転換がなければならないと主張する著者は武士道ではなく商人道による倫理の定着を主張する。流れとしては分かりやすいが、果たしてそう単純に言いきって良いものかは怪しいところがある。心理学実験の結果の部分は手堅いが、文化論のところは大雑把である印象を与える上に個人の感覚差個体差や先天的要因の部分を無視している。
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yomayoma
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結論、また供される諸概念はそれぞれ興味深かった。いわゆる規範的な日本人らしさを相対化し、より現状に即して開かれた可能性のある社会に適応するための仕組みとしての倫理についてが言われている。ただ精神性としての倫理と、規範の集合体としての倫理はそのあり方が異なるのではないか、とは思った。倫理の精神的価値的側面と規範的側面。
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Mc6ρ助
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2008年に出版された本だが描かれる日本は今そのもの。『モラルの混用が「救いがたい腐敗」をもたらす(p245)』状況は変わらない。ただ、グローバリゼーション、新自由主義が何らか倫理や〜道に基づくとは納得しがたく、そこは、どこかキツネに騙されたような気分にさせられる。
Mc6ρ助

『集団主義社会とは「信頼」を必要としない社会である(p99)』『信頼情報の提供がネット社会を支えるカギ(p234)』フムフム

05/16 20:06
Mc6ρ助

「集団主義社会」と「個人主義社会」、「安心社会」と「信頼社会」、「人を見たら泥棒と思え」と「渡る世間に鬼はなし」、「武士道」と「商人道」、「統治の倫理」と「市場の倫理」、「関係性検出能力」と「信頼性検出能力」。個々には納得だけど・・・。

05/16 20:14
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Masako3
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タイトルでは全く響かなかったが、良書。国民性が大きく異なることは、事実だが、それを決めているのは社会の仕組みであり、中に暮らす人々の損得感情であり、民族差ではないのだ。 目から鱗だったのは、世界のモラル体系を、商人道と武士道に二分する考え方。そして筆者である社会心理学者が、日本の転換を悲観的に見るのに共感する。深い。
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だいすけ
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読み応えがあった。安心社会と信頼社会の定義。社会的ジレンマを解決するための臨界質量という考え方。ジェイコブスが指摘する統治の倫理と市場の倫理という2大モラル体系の混用による腐敗の話。どれも考えさせられる内容だった。
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こうじ
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これは良書。そしてボクが好きな内容の本。「日本人らしさ」、特に昔はあったんだけど、今は失ってしまった…かのように言われる「美しく品格がある日本人らしさ」は幻想だと一蹴する。日本人はこの集団主義者と言われるけど、本当にそうかと疑問を投げかけ、本当は個人主義者なんだけど、日本の社会における保身のために集団主義者を演じているという実験結果を導き出しているのが秀逸。地球上には「安心社会」と「信頼社会」があり、個人が積極的にリスクをとる「信頼社会」に日本はシフトしていかないといけないが、「安心社会」の心がけのような
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お魚くわえたザサエさん
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日本人のすばらしさなるものを訴えることの愚かさを考えさせられる。
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らっそ
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ネタバレ書き置き:日本人の自己卑下傾向は日本の社会にうまく適応していくための「戦略」にすぎないという見方に賛成です/日本人は自分たち日本人のことを集団主義的な傾向があると考えているが、ただし、『自分だけは例外』と考えている集団/集団主義とは本来、信頼をあまり必要としない社会である/集団主義に生きている人たちにとっては、信頼性検知能力より関係性検知能力が求められるであろう
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古民家でスローライフ
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集団主義には、信頼がいらない。 自分が、今まで日本の社会で感じて来た違和感の正体を言語化されて、すごく、すっきりとした。 地域の共同体や終身雇用というシステム、依存できる集団が崩壊した今の日本の社会では、信頼こそが重要になる。 しかし、それは、道徳的な事では無く、まわりまわって、自分が得をするのだという事。 システムとして、信頼を取り入れない限り、日本には、明るい未来は無い。 ただ、それは、誰でも信頼すればいいのでは無く、信頼できる相手を見極めた上で、信頼するのが重要だが、それが、一番難しい事だと言える。
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えぞしろくま
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「安心社会」と「信頼社会」というキーワードを中心にして実に斬新な発想の本だった。 この著者の本をもっと読みたいと思った。 石門心学についても勉強しようと思う。
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taka_kazu
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ネタバレ安心の集団主義社会と信頼の資本主義社会の違いから社会構造の変化までを分析した内容。人は損得勘定で動くので抜け穴のある社会主義ではうまくいかなった点、いじめは傍観者の比率を測ることが重要で、その変換点には「みんなで渡れば怖くない」一定の臨界質量があること、アメとムチは使いようで、臨界質量を実現するところまでは熱血指導との併用も使えるということ。信頼性を担保するために法律というルールがあり、評判・口コミや市場の倫理があること。結局高信頼・低信頼者を見分けるためのリテラシーを育てる評価システムが重要なのかも。
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Uzundk
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信頼の担保をどこに置くのかという社会構造の違いに焦点を当てて論ずる。 日本の古い農村の習慣をもとにした社会の性質は、同じ土地で同じ物を利用するという利害が共有している元での無言の信頼があった。 だが同時にそれは、利害が異なる集団に対しての攻撃性が高まると言うことでもある。内輪で揉めるというのはその現れの1つ。 現代は集団から個人が主になることで、共有する利害がなくなり、従来の無言の信頼が成り立たなくなっている。信頼性を担保する法、商人的な契約という客観性を持たせた信頼を作り出すことがすでに重要になっている
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きくまる
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昔の日本は良かったとかすぐ言いたがる私ら世代の人間は読むべきかも。かつての日本は集団主義。監視し合う社会。安心は保証される、でも信頼は育めない。過去の日本人らしさで子育てや教育するのは危険。監視し合う雰囲気はもう壊れかけている。そんな中で本当に信頼しあえる社会を創り上げるには、これが正しいという価値観をおしつけるのではなく、正直で真面目に努力した方が得という社会を作ることが先。だから、昭和育ちの私たちは甘ったれて育ってるってことだな。そう思うよ。思うけど、昭和が懐かしいんだな-。悲しいな-。
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ちいちゃん
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信頼の構造と内容は重なるが、ずいぶんわかりやすい。 一般向けに書かれている。 こちらを先に読めばよかったかな
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うらじ
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評判の力が信頼社会を作るという話が面白い。岡田斗司夫の評価経済社会につながるなーと思った。
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芸術家くーまん843
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日本社会についての分析。日本の社会の基本は「安心社会」江戸時代の農村のようにだれもがお互い知っている社会。全員が内輪で相手が信頼できるかどうか心配する必要がない。集団のルールに従わない人はいじめることで排除。ところが安心社会は世界的に見れば特異な社会。グローバル化とともに安心社会が崩壊。相手が信頼できるのかどうかよくわからない社会。これからの日本はどんどん信頼社会になり安心社会のつもりで簡単に相手を信頼したら騙される。リスクを理解し新しい相手を探していく商人的なセンスが必要になってくると感じる一冊。
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ぶたしゃぶ
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社会心理学の基礎理論を基に、社会問題きりこんでゆく。
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ロク=デモス・ナオ
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あとがきにある通り読者に理解しやすいように随分砕けたスタイルになっている。延々仮説と検証を繰り返し丁寧に議論を組み立てていく山岸先生のスタイルに馴染んでいる読者はちょっとぎょっとするだろう。いい本です。
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たこ八
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昨今のご時勢に感じていたもやもやが紐解けた気がする。安心社会から信頼社会への転換という大きな議題の要点だけ抽出して、深くまで言及されてない感じだけどとても勉強になりました。
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うどんは一味
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元官僚の古賀さんの官僚の話、猪瀬知事の「昭和16年夏の敗戦」で書かれている話、脳を研究する池谷裕二さんの話に繋がっている。この本は自分の性格が嫌いだという人が読んだら、嫌いにならなくなるかもしれない。なぜなら、この本は日本の社会について書かれているはずだが、多くは人間とはどういうものなのかについて述べている。つまり、社会を語るために人間について語られている。本書を読めば、自分の嫌なところが、実はすべての人間の持つ性質であることがわかってくるからだ。人間を理解することで、社会と自分を理解することになる。
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日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点評価60感想・レビュー91