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考える人 (新潮文庫)

感想・レビュー
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夢仙人
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楽しく読めた。
0255文字
本命@ふまにたす
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「考える人」に関するエッセイ。文体は軽めで、一つ一つの文章も長くないが、本質的には高度なことを言っているように感じる部分がある。
0255文字
うえ
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十六人の作家などを取り上げ、その考える背景や姿勢について語る。ラストを飾る福田恆存への思い入れが強い。「この連載に登場した十六人の考える人の中で、福田恆存は私に一番身近でした」「1977年頃には、例えば中国で江青らの四人組が摘発され、左翼は退潮期にありました。それでも日本の言論の世界では、まだまだそちら側の知識人たちの声の方が強かった…恆存は、世間の大方の人たちと同様、保守反動に思えました…しかし福田恆存は、小林秀雄よりももっと近代人、あるいは現代人であり合理的です。その合理性があってこその形式なのです」
0255文字
もりくに
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雑誌「考える人」の依頼で2000年代初頭に連載されたもので、著者は今年一月急逝した坪内祐三さん。彼は当初、あまりに正攻法のタイトルに珍しくしり込みする(?)が、一回り上の団塊の世代の「未成熟」(!)」に思いをいたし、自分なりの「成熟」を確認するため執筆。(まっとうな)保守主義者の彼が、リスペクトする「考える人」たちの考えを媒介に、自分もまた「考える人」たらんと目指した。表紙に彼のチビた(?)字で、小林秀雄から福田恆存までの16名の「考える人」が並んでいる。自分の「同時代人」と「共振」したかった、と。 →
もりくに

編集者時代、多くの日記を読んでいた彼の、女性の日記の双璧は、武田百合子の「富士日記」と、神谷美恵子の「若き日の日記」。巌谷圀士は、武田を「見えないものまで見てしまう天性の能力に恵まれた見者」と言う。坪内によれば、神谷の日記は、「思索的」だという。敗戦の日に「ニーチェ」を読んでいた日本人は、彼女一人だろう、と。彼女の「生きがいについて」は、何十年にも渡る「イデー(考え)」によって生み出された「文学」作品だった。「過去の経験も勉強もみな生かして統一できるということは、何という感動だろう」と、彼女は述べている。

04/11 18:27
もりくに

最後に、坪内さんが「最も強く影響を受けた思想家」と言う福田恆存について。私が学生だった70年前後に福田は「保守反動」(坪内さんも、そう述べている)と位置付けられていたので、今より浅学だった私は近寄らなかった。だから、私よりも10歳若い彼が、福田が父の友人でなじみの存在だったとしても、こんなに引き付けられるのが、正直分からない。福田の「人間・この劇的なるもの」は、彼のオール・タイム・ベスト1だそうだ。「私たちは倫理の不合理を批判することはできる。が、合理的な倫理などは、いつの時代にもあったためしはない。」

04/14 10:48
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0255文字
ダイキ
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今月十三日に亡くなったと聞いて。坪内さんは季刊誌連載の限られた紙面の仲で、十六人の“考える人”達に大変真摯に向き合っていて、真摯でありつつ泥む事なく、引用と読解は独自でありながら決して独りよがりに陥る事もなく、読者への手引きは非常に親身です。南伸坊氏が解説に言う通り、「自分が、無関係だと思っていた人々にちゃんと出会わせてくれ」る、そんな良書でした。正直、本書を繙く前の私は坪内祐三という人に好い印象は抱いておらず、剰え軽薄な人物という先入観まで持っていた為、内心忸怩たるものを始終感じつつの読書となりました。
ダイキ

「ずっと考えて行くのは、のちに来る人たちへの、私たちの役目です。(略)考えというものは次々と精神のバトンリレーをされて行くものであるはずだから。」

01/16 21:15
0255文字
荒川ながれ
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参考になった。坪内さんは「考える人」なのだな。自分の読み方は表層的だった。これを読みながら、自分の読み方を反省してしまう。一番読みたくなったのは長谷川四郎。
0255文字
ネムル
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坪内祐三のなかでの「考える人」像を自身の同時代的な体験として描く、またそれを通して自身の考える営みをぐだぐだのままに描くという二点において、好みは分かれそう。個人的には大好き、ひとまずの読書の指標として意識したい。
0255文字
unterwelt
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唐木順三や森有正、深代惇郎、幸田文、須賀敦子といった著者があまり良い読者ではなかった人に興味を持ちました。
0255文字
i-miya No2
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2015.08.13(2015.09.03)(つづき)坪内祐三著。  08/04  (P014)  (小林秀雄)  私は、モノローグ的言葉を好みません。  「考えるヒント」と「考えるヒット」  近田春夫『ポパイ』の♪、音楽コラム。  批評とは対象を出しにこれを語る(小林)。  さかしらを捨てて物そのものを、そのもの自身を見よ。  事、それ自身に出会え。  言葉、それ自身を識れ。  そしてそれを体感しろ、ということです。  知識先行の愚かしさ-近代の病。 
0255文字
i-miya No2
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2015.08.12(2015.08.03)(初読)坪内祐三著。  08/03  (カバー)  考える=これほど多様なものなのか。  (1)「見ること」  (2)「歩くこと」 16人の作家、評論家読み追体験すること。  (あとがき)  私は計画的な書き手である。  自分の同時代人であること。  (「考える人」年表)  M35.01、中野重治、福井生まれ。  M35.04、小林秀雄、神田生まれ。  M37.02、唐木順三、長野生まれ。  M37.09、幸田文、向島生まれ。 
fseigojp

植草甚一 ジャズ評論、シネマ評論。。。かっこいい御爺さんでした

08/12 13:30
i-miya No2

そうですか、あまり読んだことないので。。。よく植草なんとか、という人と間違えます。

08/12 18:42
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0255文字
ホークス
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坪内祐三が、16人の「考える人」としての作家・評論家について書いた。読む前は何故だか、もっと軽い感じだと思い込んでいた。難解な人や本を解りやすく解説するんだろうと。しかし違った。ちゃんと難解な人や本として、坪内祐三の理解したままが書かれており、却ってそれが面白かった。そしてこの本には、人や本のことを決め付けたり思い込んだりする誰かの話が沢山出てくる。著者本人だったり知人だったり(あとがきの南伸坊も)するが、意外にこの道が、つまりどんな風に決め付けたかを見る方法が、「難解」を理解する早道の様に思えた。
ホークス

お誘いありがとうございます。あまりコメントはしないかもしれませんが、入ってみます。

08/12 21:47
0255文字
緋莢
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人によっては「見る事」とイコールであったり、別の人にとっては「歩く事」とイコールである“考える”という行為。小林秀雄、田中子実昌、植草甚一、武田百合子、色川武大、吉行淳之介ら16人の評論家・作家の著作を読み込み、それぞれの“考える”という行為を見出そうとする評論集。
緋莢

四年近く積読していたものを手に取りました。『考える人』という雑誌で連載していた「考える人」をまとめた本(最初は連載に尻込みした云々は、あとがきに書かれています)一口に考えると言っても、それは様々な形をしているというのがよく分かりました。特に興味深かったのは、吉行淳之介の「おまけ」の油のさしかた、植草甚一の「ぼくは考えないからぼくなんだ」と言う言葉でした。武田百合子の『富士日記』も長い間、積読しているのでそろそろ手に取るかな・・・(そもそも、上中下巻揃ってたっけ?)

10/14 19:10
0255文字
ouosou
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いろんな人の「考える」ことの形態がつまびらかにされていて面白かった。しかし南伸坊の解説がよい。坪内祐三が本書でやりたかったであろうことを坪内祐三を題材にナチュラルにやっちゃってる。
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ge_ha
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小林秀雄、武田百合子、幸田文、須賀敦子、福田恒存に興味津津。小林秀雄以外は今まで一度も読んだことが無かったので、新しい出会いの場になりました。で、すでに何冊か彼らの本を買いました。須賀敦子は先に読んだ池澤夏樹のエッセーにも書いてあり、好きな作家になるだろうことは火を見るよりあきらか。こうやって読書の幅が広がっていくのが嬉しいし、どこかで繋がるともっと嬉しい。
0255文字
さえきかずひこ
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ふだんは熱い湯で淹れた茎茶のようなやや晦渋な味わいが、読み手の敷居を高くしている著者にしては、実に平明かつ読み応えのあるエッセイとして評価できる。作家の中の作家を「考える人」として選び出したセンスも優れていて、文句のつけようが無い。
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樽
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若いころに読んだ本がけっこうあるのだけど、ものすごくいろんなものを読み落としていたような、落ち着かない気持ちになる。
0255文字
杉江由次
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これほど興味を持たされる作家論もないだろう。さすが坪ちゃん。読みたい作家がいっぱい見つかりました。
0255文字
かりあ
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福田恒存という存在をこの著書によって知ったけれど、ぜひ福田恒存氏の本を読みたい。かいつまんだ言葉なのに圧倒させられた。すごい人だ・・・。そんな出会いをさせてくれた坪内氏に感謝っ!
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ウシ
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文庫になるのを待っていた。待って良かった。わたしは小林秀雄が大きらいなのだが、なんだか反省した。南伸坊さんの解説も、とても謙虚で気持ちが良い。もう一度だ、と思ったわけだ。
0255文字
ろ
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あくまでも紹介者。この人のおかげで武田百合子の富士日記に興味をもった。
0255文字
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