形式:文庫
出版社:新潮社
形式:単行本
編集者時代、多くの日記を読んでいた彼の、女性の日記の双璧は、武田百合子の「富士日記」と、神谷美恵子の「若き日の日記」。巌谷圀士は、武田を「見えないものまで見てしまう天性の能力に恵まれた見者」と言う。坪内によれば、神谷の日記は、「思索的」だという。敗戦の日に「ニーチェ」を読んでいた日本人は、彼女一人だろう、と。彼女の「生きがいについて」は、何十年にも渡る「イデー(考え)」によって生み出された「文学」作品だった。「過去の経験も勉強もみな生かして統一できるということは、何という感動だろう」と、彼女は述べている。
最後に、坪内さんが「最も強く影響を受けた思想家」と言う福田恆存について。私が学生だった70年前後に福田は「保守反動」(坪内さんも、そう述べている)と位置付けられていたので、今より浅学だった私は近寄らなかった。だから、私よりも10歳若い彼が、福田が父の友人でなじみの存在だったとしても、こんなに引き付けられるのが、正直分からない。福田の「人間・この劇的なるもの」は、彼のオール・タイム・ベスト1だそうだ。「私たちは倫理の不合理を批判することはできる。が、合理的な倫理などは、いつの時代にもあったためしはない。」
「ずっと考えて行くのは、のちに来る人たちへの、私たちの役目です。(略)考えというものは次々と精神のバトンリレーをされて行くものであるはずだから。」
植草甚一 ジャズ評論、シネマ評論。。。かっこいい御爺さんでした
そうですか、あまり読んだことないので。。。よく植草なんとか、という人と間違えます。
ホークスさん、50代ならhttp://bookmeter.com/c/331610に入りましょう。
お誘いありがとうございます。あまりコメントはしないかもしれませんが、入ってみます。
四年近く積読していたものを手に取りました。『考える人』という雑誌で連載していた「考える人」をまとめた本(最初は連載に尻込みした云々は、あとがきに書かれています)一口に考えると言っても、それは様々な形をしているというのがよく分かりました。特に興味深かったのは、吉行淳之介の「おまけ」の油のさしかた、植草甚一の「ぼくは考えないからぼくなんだ」と言う言葉でした。武田百合子の『富士日記』も長い間、積読しているのでそろそろ手に取るかな・・・(そもそも、上中下巻揃ってたっけ?)
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