読書メーター KADOKAWA Group

N・P (角川文庫)

感想・レビュー
34

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沙華
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ネタバレ全体を通して感傷的な雰囲気に包まれているお話。父と兄両方と関係を持つのは現実離れし過ぎてる印象。そこに至るまでの過程や葛藤があまり書かれていなくて、既に関係を持ってしまった後の話なのでなんだかあまり感情移入できなかった。萃は破天荒でいわゆる魔性の女なんだろうけど、そこまで魅力的に思えなかった。
0255文字
おやすみなさい
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ネタバレ今年の夏も読み返した。やはり毎回同じページで泣いてしまう。秋が楽しみ。
0255文字
にな
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ネタバレ私はそのときはじめて表現するはしから逃げてゆく言葉というものに、深い興味を持ったのだ。瞬間と永遠を同時に含む道具。※再読。最初に読んだときは10代でしたが、いまだに夏には読み返したくなる。作者は萃を読む人によって最低の女にも菩薩のようにもなる存在にしたかったそうだが、成功していると思う。読む度に印象が変わる。引きずられて乙彦の印象もわりと毎回変わります。高瀬皿男が我が子として愛していたのは咲と乙彦だけで、萃は愛していなかったところ。「彼女を永遠に愛する」と加筆したのは乙彦だったところで毎回泣いてしまう。
0255文字
おやすみなさい
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ネタバレ夏の素晴らしさが全て詰まっている本だと思った。なんてことない文章や、風美と萃のやりとりがあまりにも切なくて綺麗すぎる。特に萃が風美に出した手紙は本当に素晴らしかった。「でも今、最高にあなたに似ているように思えるのは、ポストです。ポストはどこにでもあり、かつ捜そうとするとなかなか会えない。心細い街角に不意にあったり。晴れた日も雨の日も夜中も、世界中に、まるで夜空の月がすべての水に映るようにポストはある。」萃という存在が愛おしい。
0255文字
zephyr
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ネタバレ「N・P」という小説にかかわる人たちに起こった物語。これだけのことが、たったひと夏に起きたとは信じられないです。とても密度の濃いひと夏だったのだと思います。失踪した萃が、風美に送った手紙が心に刺さりました。風美が、薬で眠らされており起き上がれるはずがないのに、まさにゾンビのごとく起き上がり、萃を引き留めたことに胸が打たれました。そんな風美の言動を受けて萃は考えを改めました。何が正解かは誰にも分かりませんが、この結末が皆にとって心安らぐ結末であったと信じたいです。
0255文字
夏
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ネタバレ夏の描写が美しかった。登場人物の、とりわけ近親のことについては嫌悪まではいかなくてもぞっとしたけど、詩のように洗練された文章には夢中になった。夏はいいですね。海も夕方もアイスも軽装も。読んでいて気持ちがよかった。
0255文字
アゲ
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ネタバレ古本屋さんでみつけて、懐かしくなって購入して再読。あとがきで村上龍さんが書いているように、初めて読んだのは若い頃だった。あれからたくさんの時間が流れたけれど、吉本ばななさんの透明感がありながらも、どこか力強い文章に引き込まれた。また読み返したい。
0255文字
色彩をもたない月
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ネタバレ萃のような女の子に出会ったら、必ず私も影響を受けてしまうだろうな。是非高瀬皿男のN・P 98.99話を読みたい。「ああ、ものごとががいっぺんにおこるっていうのは、こういうことなのか、としみじみ思った。」
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うらなり
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ネタバレ加納風見は高校生の時彼氏は戸田庄司という翻訳家であった。親が離婚して母が翻訳の仕事をして娘二人を育てた。庄司は米国に住む高瀬皿男という作家のN.Pという作品の翻訳をしていたが自殺する。高瀬皿男には咲と乙彦という2人の子供がいた。風見は咲と知り合い、弟乙彦も紹介されてその彼女箕輪すいとも出会う。すいは高瀬の私生児だが、N.Pの最後を書く頃は精神を病んでいてすいとも関係し、乙彦の子を妊娠してしまう。風見を道ずれに睡眠薬をもってキスをして三冠王だとのたまい、 だが自死はしない。風見をポストと称して手紙を残す。
うらなり

あと、すいの 本棚にある本は デイケンズ、ヘンリー・ミラー、カミュ、三島由紀夫 とか書いてあると、すいがどんな人かをおぼろげにひょうげんしてるんだなあと思う。

08/08 17:12
Ayumi Katayama

読書メーターの感想は、10年後の自分に向けて書いてます(笑)。

08/10 21:53
3件のコメントを全て見る
0255文字
8823
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ネタバレ★4。 97本の短編が収録された「N・P」。著者の高瀬皿男をはじめ、この小説に関わった3人が自殺を遂げている。風美は、高瀬の遺児・咲と乙彦と再会し、狂信的な「N・P」マニアの存在を知らされる――。 夏が近づくと読みたくなる小説。登場人物が少ない分、その関係がとても濃い。初読の時は萃や高瀬姉弟の存在感が大きくて、そちらに気を取られていたけど、何度も読んでいると風美の母姉との生活の部分などが良いなと思えてくる。乙彦と風美の最後の会話は何度読んでも不思議。解説は村上龍氏。
0255文字
p
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ネタバレ本当は夏に読みたかったけれど夏を暴力的に待ち遠しく思えるこの冬に読めた事はきっと何かのタイミングなのだろうなと思っている。 これまで読んだばなな作品の中でも特に自分の考え方の傾向に近い気がした。 死を常に近くに感じ死なずに生きていく自信がない時、翠のように紙に選択肢を書いて自分が一番しそうでしないことはどれかを考えることにした。 運命をずらすために。
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ふわり
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ネタバレ懐かしい。吉本さんは死が関わっている話が好き。異母兄弟である乙彦や肉親である父との関係はそこだけ聞くと濃くて昼ドラっぽいのだが、父が亡くなっていることや過去の話であること、乙彦とは泥沼なのに吉本さんの文章がさらさらしていて濃厚な部分(例えば情事や血の部分)が気持ち悪いよりも悲しく映る。真剣に恋をしている。98話目を訳した庄司が自殺した事や99話目の事。精神に異常をきたしているのがあまりにも切なく悲しい気分にさせる。少しずつ沈んでいく二人や巻き込まれた主人公との再生の物語が素晴らしい。
0255文字
しまえ
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ネタバレ『N・P』という本に関わる3人が、ある夏出会った。本を巡る呪い、大切な人の死、近親者との愛、女どうしの友情と愛情。少ない登場人物からありたっけのテーマが飛び出す。本書で圧倒的なエネルギーを放っていたのは萃だ。「生きている」という言葉にふさわしいくらい生きている。大っぴらに泣き、笑う。人生を突き進む力強さと丸出しの心を持ってる。そして同時に、何かの拍子に死に転げ落ちる危うさも。最後、私が予想していた選択をしないでくれてありがとう。まだ暑さが残る、「秋が牙を研いでいる」今にぴったりの一冊。
0255文字
ばなな
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ネタバレ身内恋愛がでてきたので少しびっくりした。 よしもとばななだなぁという感じ。 美し〜という感じではなく、少し複雑だった。
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あや
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ネタバレ夏になると読みたくなる本。つぐみのように 爽やかな本ではなくどろどろとした濃い闇のような本。だけど救いは感じらたし、戻らない夏。 一夏に私も恋をしてしまいました。
0255文字
ぽんつく(まんじゅう)
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ネタバレ多分中学か高校のころに初めて読んで、単行本も持っていて、ずっと好きな本。文庫を手に入れて、久しぶりに読んだ。ロリコンオヤジとかほんま気持ち悪いし、主人公は傲慢でデリカシーがないし、こんな小さい世界でくるくると話が進むなんてリアリティないし、「だわ」とかの語尾で話す女の人は当時からいなかっただろうよ! といくらでも粗とか探そうと思ったら探せるんだけれど、それでもやっぱりこの小説が好きだと強く強く思った。そして焚き火がしたくなった。
0255文字
うに
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ネタバレ再読。やっぱりこの作品が1番好きかもしれない。翻訳に携わった人たちを次々と自殺に追い込む美しい小説と、原作者の血縁関係。そんな小さな小さな人間関係の中で、唯一の他人ともいうべき主人公が過ごした一夏の出来事。「この世にいるどのような人も、誰にもはばからず好きな位置でその人が思うように生きていい」という、あとがきも素晴らしくよかった。初めて読んだのは遠い昔のことだけど、自分の中に当たり前に息づいてる言葉や感覚が、この小説のものだったと読んでて気づく瞬間があったりして、面白かった。とても思い入れのある作品。☆5
0255文字
なかちゃん
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ネタバレ文庫の背表紙のあらすじだけ読むと、ミステリーかホラーのようなのですが、ばななサンはそういうカンジには書かず、ひとりひとりの心情とつながりと運命、そしてそれを映しだすような「一瞬の風景」を書き込んでいきます。 ばななサンの「印象的な女性」の描き方はほんとうにスゴい!『TUGUMI』のつぐみチャンも「夏」でしたが、この作品の萃チャンも「夏」そのもの。まっすぐで激しくてはかない。 かつて恋人を失った風美サンが、壊れそうになりながら萃チャンを救い、自分たちの宿命を断ち切っていく姿に、胸が熱くなる一冊です。
なかちゃん

ばななサンは「哀しい予感」で悔いが残った部分を書いた、とあとがきでおっしゃってますが、ボクは萃チャンからの手紙や夏の描写に「TUGUMI」、大切な人を失った(亡くなってはナイですが)男女ふたりが寄り添ってまた立ち上がる姿に「キッチン」も思い出しました。その意味では初期のばななサンの総決算、とも言える作品カモです。 やっぱり「食べる」コトは「生きる」第一歩なんだナァ、とばななサンを読むとあらためて感じます。みかげチャンと雄一クンのカツ丼のように、風美サンと乙彦クンが海辺で食べたチキンもほんとうにオイシそう。

02/10 17:35
0255文字
hitomi.s
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ネタバレ内容を覚えていない自分に驚く程、久しぶりに読んだ。 大切だと思う対象が危険物だった。こんなに大切なのにと錯覚するくらい危険物だった。大切だと思ってしまったのは危険物だったからだ。…そんな終わりのない必死さが、あったんだろうな。双子の父親と、彼が書いた小説と、庄司さんと、萃と乙彦の間とに。きっと現実は、ずっとずっといい加減なのにさ。 生きて、大切におもう気持ちと付き合っていく選択肢が、あってよかった。年を取ったずっと先で、しあわせかもと思えるといいな。
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テディ
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ネタバレ米国に暮らす「N・P(ノースポイント)」の日本人著者の自殺。彼の2人の遺児の咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。恋人の庄司と、その姉弟とパーティで出会った風美。「N・P」未収録の98話目を訳していた庄司もまた自殺。乙彦と再会した風美。姉妹と腹違いの娘の翠から聞かされた乙彦との近親相姦。子を宿し去って行った翠。海に行った乙彦と風美。自殺や禁断愛を現実の出来事として書かれた「N・P」。登場人物たちは、寂寥感に押し潰れそうに生きていない。寧ろ美しく生きているようだ。人それぞれの人生に正しいものはないからであろう。
0255文字
内臓
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ネタバレ村上春樹だったら作中作の「N・P」を章をさいて書くのだろうな…と読んでいて思った。近親相姦のらせんも同性愛も未成年者との淫行もひと夏の間にさらっと流されてしまった。読みやすかったし面白かったけど、ちょっと物足りない。
0255文字
MIH
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ネタバレ大好きで何回も読んだ。夏、限られた人間の間の出来事、登場人物が淡白がよい。年の離れた恋人の死を止められなかった、高校生でなく、今の自分ならとめられたかもしれない。昔この本を読んだ頃より、人生経験を重ねてから読んだほうが、この言葉がしみる。。恋人の死までいかなくても、そう思う出来事を少なからず経験したなあと。冒頭の夏の始まりに新しく気が合いそうな仲間との出会い、廃屋になったマンションでの夜飲み、薬を飲まされても、ゾンビのようになって起き上がって、友達の死を止めようとするところは、今も昔も好きなシーン。
0255文字
きゃりおか
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ネタバレ寂寥感、という言葉がこの本を取り巻いているように感じた。 結局、誰も死なずに済んだが、 ハッピーエンドに終わったという気持ちにもなれない不思議な本。
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テバサキ
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ネタバレ綺麗な小説だった。夏を生きて永遠に失われる少女(という年齢ではないけど少女性との決別というのもあったので)というのはいい。萃はとても素敵。双子の特に咲の方が割を食ったように物語から消えてたのは惜しまれる。
0255文字
m
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ネタバレある短編の呪い。ばななさんにしては珍しいミステリー調。ホラー要素もあり。次は誰が死ぬのか予想しながら読んだが、結局誰も死なずに終わって拍子抜け。でも萃が生きていて良かったなぁ。村上龍の解説はどうも好感が持てなかった。
0255文字
岡山の山奥ニート
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ネタバレ前回「TUGUMI」を読んだが、それと同じぐらい軽快に読めた。アニメ化したらかなり面白い作品になるんじゃないかな。一番のポイントは、最近では見る機会が減ったが「携帯小説」と所謂「ラノベ」的な2つの要素を洗練させたのがこの作品ということ。唐突にモチーフとして持ち出される、自殺、近親相姦、呪い、妊娠は上手く消化できておらず、そのインパクトで(若い?)読者を惹き付けたのではないかと思う。その原因の1つは、これは吉本さんの長所でもあるが、メインキャラクターに焦点を限りなく当て続けていることだと思う。
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滝下 靖
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ネタバレ97本の短編が収録された本「N.P」。 著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げる。 彼には2人の遺児がいた。 咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。 風美は、高校生の時に恋人の庄司と一緒に参加したパーティーで、 その2人を遠くから見ていた。 そののち、「N.P」未収録の98話を訳していた庄治もまた、自ら命を絶った。 その翻訳に関わった3人目の死者だった。 5年後、風美は乙彦と再会。 そして乙彦から、狂信的な「N.P」マニアの女性がいること、 いずれ風美の前に姿をあらわすだろうと告げられ・・・
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ミチュルル©️(たかはし みさお)
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ネタバレたった四人だけの物語。少しだけ謎があり、父親と娘の禁忌であり、死の影がちらつき、それであってもさらっとした表現でその情景ひとつひとつが美しく切り取られてゆく。ひと夏の出来事は偶然ではなく、風美と萃と、乙彦と咲が越えなくてはならない必然であり、それは『N.P』の100話目に相当するのだろう。物語の揺れる後半、物語の呪いに連れて行かれそうになる死の息づかいが耳元で聞こえてくる。狂おしい愛情の先には破滅しか訪れないのだろうか?物語は秋に続く未来を予感させるけれども、子に継がれる未来はきっと美しくそして毒々しい。
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有理数
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ネタバレ再読。もしかしたら萃が「N・P」そのものだとするなら、彼女を生かしたのは乙彦であり、それは「N・P」98話のラストを乙彦が書き加えたことと無関係ではないのかもしれない。乙彦が98話のラストを付け加えたことで萃は生きて行くのだ。萃は「N・P」そのものだからである。99話目の所持者は乙彦。では100話目は、となるが、多分100話目はない。しかし、冒頭で風美はこの夏を「百物語の100話目」だと語っているから、もしかしたらこの本それ自体が100話目なのではないかなあといろいろと邪推した。我ながら意味不明な感想だ。
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うみ
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ネタバレばななさんの中でも昔からなんとなく好きな一冊。いろんな人が作中で交流してる様が好き。スイが最高の女にも最悪の女にもなりえたら…って書いてあったけどどこが?って思ってた私は鈍い…。 「絶望を甘く煮詰めたシロップのような香り」好きなフレーズです。 悪い運命ってあるんだよね…「今まで何一つ良いことがなかったのはお前が間違ってるからだよ」とか泣ける。
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ミントント♪
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ネタバレよくも悪くも人に影響力のある『ひと』というのはいるものである。『萃』という女性がもたらす影響は彼女自身をも変えて行ったのだろうか。そこにはそのまわりの人々なしには語れず、彼女と関わった人の生き方を反映しているようでもある。萃と風美の会話はとても優しい。なんとなく夏の終わりの名残のするお話。サラッと読めるようでいてばななさんの小説を読み理解するのはかなりの力量がいるように思う。
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みう
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ネタバレ『N・P』という呪われた物語の中に閉じ込められた若者たちの夏物語。夏って特別な季節ですよね、若い頃はとくに。主人公が強い夏の陽射しにわくわくしている様子が伝わってきました。夏が死ぬほど好きだという彼女と同じく私も夏が大好き。眩しい夏の描写に高まりました。萃の危うさ、死を思うが故の圧倒的な命の存在が生々しい。丸裸な生命の強さは同著『TUGUMI』のつぐみを彷彿とさせる。恋人を救えなかった主人公が友達を救えて本当によかった。
nami

暑さは苦手なのですが夏の風情は美しいですよね...。吉本ばななさん気になっている作家さんなので、より興味が湧きました🌻

09/18 23:06
みう

namiさんコメントありがとうございます😊歳を重ねるごとに暑さが身に堪えるようになってきましたが…青い空、白い雲、ぎらぎらの太陽!テンション上がります☀笑。本作品は吉本ばななさん初読みには適さないかもですが、いつか手にとってみてください😌

09/19 01:39
0255文字
わ
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ネタバレ久しぶりに再読。 特濃だった。この一家は代々そういう環境にあった遺伝子なのかもしれないな。私にとっては吐気を催す状況だが、世界に散らばっても引き合ってしまう、遺伝子に刻まれた抗い難い引力ってあると思う。固定観念を捨てたものだけが純粋に寄り添える。 2017/9/26
0255文字
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