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しゅがぁ
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ネタバレ盗人たちから安く買い取った獲物を所有者に返して高い謝礼金をせしめる盗品転売屋であると同時に警察の手下として役立たずの悪党を告発しては告発金を稼いでいる犯罪社会の親玉ピーチャムは、娘のポリーが強盗団の首領マックヒースと勝手に結婚しちゃったもんだからさあ大変! 財産目当てで命を狙ってくるに違いない娘婿を、であればこちらが先に告発して処刑台に送ってやろうと思いつく。『乞食オペラ』は十八世紀前半のロンドンを舞台に繰り広げられる騙し騙されの風刺喜劇だ。
しゅがぁ

と、これで終わらせると、せっかくブラックな笑いに満ちたこの作品を堅苦しく感じさせるだけなので、最後に軽く二点ほど魅力的な部分を。第一に、解説で「辛辣な人間観」と評される通り、とにかく出てくるやつらのクズっぷりが清々しい。これを読むと「心がないこと」は一種の人間的魅力なのではないかとすら思えてくる。本当にずーっとカネの話ばかりしている。笑 第二に当時の犯罪社会の常識を色々と知れて面白い。身重の囚人は刑の執行が一年延期されるため、監獄内には金を貰って女囚を妊娠させる「種付け係」がいたそうな。すげぇな。

02/11 16:31
しゅがぁ

本当はこういうトリビア的な部分に焦点を当てて感想を書いても良かったのだが、せっかくならゲイの戯曲を通して知ったほうがずっと面白いに決まってるのでやめておいた。興味のある方は是非。海保眞夫による注釈も充実していて楽しいです。

02/11 16:36
6件のコメントを全て見る
0255文字
ふたば
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面白かった!ブレヒトの『三文オペラ』の元ネタなので、物語としてはほとんど同じ、だけれど、意図するもの、目的、あらわれる効果が全然違う。曲を聞きながら(http://ml.naxos.jp/album/9.81136-37)読んだから楽しかった。訳注のおかげでいったい何に対する風刺・パロディがなされているのかが分かりやすい。注や解説でうかがえる、『ガリヴァー旅行記』で名高いスウィフトとゲイとの友情にちょっとじーんとしたり
0255文字
あかふく
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18世紀前半にこのタイトルであるということは、訳者あとがきにあるように乞食と俳優が等しいものだと判断されていた(浮浪者ということ)事情を思わせ興味深い。そういったある意味で日常であることを演劇化することの意味はあまり作品内から読み取れなかったが、どうか。開高健が『日本三文オペラ』を書いているが、タイトルにブレヒトの『三文オペラ』を採用しながら明らかにこちらに寄っていることは『ロビンソンの末裔』といいながらスウィフトに寄っていくことと近いのではないか(ゲイはスウィフトと親交があった)。
あかふく

開高健の寄せ場への関心も、戦後に行われた寄せ場芝居のことと併せて興味深い。それらに共通するものは、「歩く」ことだろう。

11/12 21:12
0255文字
brzbb
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図書館で借りて読んだ。追いはぎ稼業の悪党が、親分の娘と監獄吏の娘に手を出して、それがもとであわれ処刑される、と思いきや、それじゃかわいそうだと作者が登場して一転、執行猶予になりハッピーエンド。故買屋でのやりとりや監獄内部の実情を描いた部分は、落語みたいな味がある。犯罪者英雄譚のパロディであり、イタリアオペラのパロディであり、下層階級の人々が上流階級と同じことをすることで、上流階級の腐敗を風刺しているという(解説からのうけうり)。
0255文字
daruma_kap
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愉快な感じではある
0255文字
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乞食オペラ評価59感想・レビュー5