形式:文庫
出版社:光文社
形式:単行本(ソフトカバー)
形式:Kindle版
覗いたファインダーが写し出すのは、少女たちのココロの揺らぎとミステリー高校の写真部を舞台に、女子高生たちが構えるカメラに写るのはともだち、コンプレックス、未来、そしてミステリー。自分の容姿に自信がもてないミラ、クラスの人気者カオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、そして誰とも交わろうとしないシズ。同じ高校の写真部に所属する4人は、性格も、好きなカメラも違うけれど、それぞれのコンプレックスと戦っていた。カメラを構えると忘れられる悩み。しかし、ファインダーを覗く先に不可解な謎が広がっていて……。少女たちは等身大の自分を受け入れ、その謎に立ち向かう!
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その暗黙の「オキテ」に縛られてしまう、そんな自分が嫌になって、あたまがぐちゃぐちゃになってしまうときです。「カメラ」という道具を通せば、いままで見えてこなかったものが見える――ヒカリの形や、影の形。被写体としての自分。カメラは同時に大人への通路でもある(彼女たちは芸術家となる)。「学校」という一種のサバンナから、ひとつ離れたところに立つことで、彼女たちはクビキから離れ、そこで初めて、泣いている友達の顔に気づき、優しい声をかけられたのかもしれない。また同時につらいときに友達のことを頼れたのかもしれない。
学校には不思議な魔力がある。言いたいことも言えなくなってしまう。プライド、弱さ、集団心理、なんとでも言えますが、そんな男子・女子には逃げ込む場所が必要です。ふとそんなふうに思いました。一応ミステリー要素もありますが、わたしには読者を引き込むための仕掛けにしか思えませんでした。また、カメラの知識ですが、ストーリーとの絡ませ方は正直、無理があると思いました。なぜかミステリ部分と、カメラの知識を語っている時だけ、彼女たちがいきなり豹変して別人になったように思うんですよね。いきなり人形になったというか。怖いです。
現実的で、相沢先生凄いなと感心した。
日向坂文庫〜河田陽菜〜
「服を選ぶのって、自分を作っていくのに似てる」「どんな服が自分に合うかを考えるのって、自分がどんな人間なのか考えるのと同じだよ。赤い服が好きだから赤を選んだりして、赤が好きな自分を再確認する。そのうち、本当は赤なんてそこまで好きじゃなかったのに、それなしではコーディネートできなくなるくらい、好きになる。そうやって自分を作る作業に似てるよね。言い換えれば、どんな自分になるのも、自由ってこと。秋穂は何にでもなれるんだよ」
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