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サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16)

感想・レビュー
156

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くるぽん
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うん、すごく好きだ。弟子入りしたいくらい。そう来るかーわかるわかるという比喩だし、何か皮肉の含んだ比喩でもあるし、新しい感性が入り込んできてすぐに世界の見方が一変してしまう。ひとつひとつの歌に、ほぉと息が出てしばしその光景を広げるのでなかなかすぐには読み進められない。安福望さんの絵が歌集にすごく似合っていて雰囲気を盛り上げてくれる。私の本棚で「たやすみなさい」の隣の席を確保。ずっと寄り添っててほしい。
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Takahi
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気に入った3首。「もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい」そうだよなー。/「ロッチだよ きみがビックリマンシールだって思っていたものぜんぶ」ひどい。/「じいさんがゆっくり逃げるばあさんをゆっくりとゆっくりと追いかける」コメディでホラー。
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モリヤマ リン
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佐賀市立図書館経由で新富町立図書館から借りて読了。読んで良かった。詠う内容は重さや暗さを感じるものが多いけれど、言葉が平易なので読みやすい。頁をめくる手を止め、「これは何」と考える歌が何首もあった。所々にはいる安福望さんの挿絵が、箸休めにちょうど良い塩梅。機会を作って、また読んでみたい。
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ilya
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ネタバレ終わりが近づくにつれて見え隠れする生死の匂いがどんどん強くなる。「死にたくて生きたい」声、呟き、叫び、祈り。死を思うのは生を思うから。東直子氏の解説もよかった。
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そう
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読んだ、というより味わった。 あぁ分かるな、情景や音や匂いが瞬時に浮かぶものもある。 逆に死の匂いが近すぎて、うっとなるものもある。 短歌って、面白いなと思った!!
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さ
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ぽーーーーーーーんって投げ出された、素直なことば
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韓信
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日常のなかでハッとさせられる一瞬を的確に切り取り、ユーモアを交えて多彩な感情を描く瑞々しい歌集。以下、好きな短歌。ひとりだけ光って見えるワイシャツの父を吐き出す夏の改札/豆腐屋の湯気がここまでやってきて狛犬ちょっといい顔してる/そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき/ああそんなちっさい文字の死にたさはじき老眼で見づらくなるよ/申し込み規約に何か書いてある書いてある書いてあ 同意する/ノーメイク、セルフカットのきみだけど裏地のボアのにおいは女/道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機
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kumoi
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言葉にしたらすべてが間違いになってしまうから黙々と泣いている。死ねとか、帰りたいとか、または手が出てしまう前に。それでいい。自分が持続していることを喜びもせず悲しみもせず、彷徨っていよう。
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むま
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ネタバレ/もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね/もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい/会いたいなあ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい
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ぽんちょ
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岡野大嗣第一歌集、書肆侃侃房より2014年。のちのち『たやすみなさい』にてホロ箔を使ったげきあつ装丁を作った安福望さんのイラストのポップさも相まって、結局かわいい。snsと相性よすぎだと思う、、「ネガティブかポジティブかを問わず「忘れたくない」と感じさせる何かが自分を通過したときに、僕はため息をもらしているのだと思う。」(p.138) 「ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす」(p.34)
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ayumii
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日常が瑞々しく目の前に現れる感じ。とても何気ないものから、ずんと腹にくるものまで。
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二瓶くん
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今まで読んでいた短歌集に比べて完全にジャストフォーミー。心がどんなに風に吹かれ社会の吹き溜まりに行こうとも、いとも簡単に掬われてしまうと思った。こんな私でも大丈夫、生きていけると思うとと共に、クスッとサクッと笑える小品光る一冊。巻末の東直子さんの言葉を借りるなら、根底に生命を感じるし、そこに苦しみみたいなものも感じる。そして祈りを感じる。「グレゴール・ザムザは蟲になれたのに僕には同じ朝ばかり来る」など。
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パプコ
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死にたさに息が詰まって息が止まって死んでしまうかと思った。
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もち
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様々な歌人の方が紹介された本で好きな短歌が多かったので読んでみました。 岡野さんの短歌は少しおどけているように感じるけど、どこか薄暗い気持ちを感じられるものが多くて好みでした。特にマーガレットの短歌があの並びで並べられていなければ幸せで微笑ましい短歌に感じるのに、その前の短歌と並んでいるだけで苦しくなりました。 この短歌について色々想像しましたが、この1首でこんなに考えることができるなんて、ますます短歌と岡野さんが好きになりました。
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くら
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ハミングのあれはユーミン お米研ぐ母に西日は深く届いて
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空の落下地点。
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あえて届けないと決めてた祈りたちが飛び立っていくみたいな表紙(告白をしないと決めた想いすら既に告白以上な日々だ)/14ページ、先生と弁当。私も誰からも輪に入れてもらえなくて一人でお弁当食べてたら、先生が寄って来て一緒に食べてくれたな。男女差の無い孤独、属性に拘わらず共感できる一首。/光って見えるのはこの子が父を好きだからだ。ページ捲ったら母が孤独じゃないことが判る仕組み良き。/出生地を選べないスワンボート。/祈りってラ行が入ってて語感それ自体として音楽的な単語なんですけど、この人の祈りは嘘じゃない。多分。
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こいちゃん
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『たやすみなさい』を先に読んでたけど、雰囲気が全然違ってこっちはめちゃくちゃ暗い系だった。タイトルなんか好きだなぁ。『サイレンと犀』と『たやすみなさい』で韻踏んでるのもいい。
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ankowakoshian11
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サイレンと犀というタイトルと『Nujabesで耳をふさげば掃きだめの夜もワンオクターブ明るむ』に引かれて読む。掃きだめの夜とNujabes、そして明るむ、そんな夜を私もよく知ってる気がする(そしてこのアーティストも既にこの世にいない)著者の言う"ため息のような"というのが何となく伝わってくるような短歌集、漠然といつも側にいる希死念慮と日常に現れるなんてことない光景の中にある寂しさのようなもの。『もう声は思い出せない/でも確か/誕生日たしか昨日だったね』もういない人、確かとたしか、そして昨日、忘却への諦観
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石ころ
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もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい (本文より)
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akarick777
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ともだちはみんな雑巾 ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい
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ひろ
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作者が言う通り自分なりの楽しみ方で、お守りのになるような短歌集。
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だいだい(橙)
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ところどころに可愛いイラストが入っていて、親しみやすい装丁とサイズ感がとてもいい。そして内容は、日常生活を詠った「ただごと短歌」の体裁をとりつつも、不思議にちょっと哲学的。そう、情緒的になりがちな短歌の中にさりげなく理屈が入っている。理屈を逆手にとることでアイロニーが生まれ、おかしみみたいなものにつながっている気がする。これを読んで元気になることはないだろうけど、だからといって「絶望」でもない。車の運転を詠んだ「インターチェンジ」が割と好き。ところどころ、将棋の歌があり、いいアクセントになっている。
だいだい(橙)

「E席の車窓に海がひろがってそれをAより見ているところ」「じいさんがゆっくりにげるばあさんをゆっくりとゆっくりと追いかける」「もしそれを愛と呼ぶなら永遠に続く閉店セールも愛だ」「『強く押すボタン』を弱く押したのに鳴って止まない火災報知器」「フリスビーが風をつかんでゆっくりと胸にふくらむ二月の夕陽」「窓辺から春の予感が指にまで来て6五に桂馬を跳ねる」「生年と没年結ぶハイフンは短い誰のものも美しく」「塾とドラッグストアと家族葬館が同じにおいの光を放つ」「六カ月は死なない前提で買う六カ月通勤定期」

03/18 22:14
だいだい(橙)

俳句・短歌コミュニティではただいま春のオンライン歌会を開催中です。詳しくはこちらを見てね。 https://note.com/daidai1008/n/nd00c28cc8607

03/19 17:38
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アステア
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メモ/ひとしれず擦り減ってゆく靴底のおかげで靴は靴でいられる/死んでから時間の経った葉の方が踏んづけたときいい音がする
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くら
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全体的に難解な歌はそんなになくて、一見平易なことば選びからむしろ想像が広がるのが面白い。あと全体を通して厭世的な感覚、生きることと死ぬことへの諦念が背後に透けて見える。この人はこんな感覚で物事を捉えて、こんなこと考えて生きてるんだ〜が31音で伝わる短歌の面白さをまた実感できた。個人的にかなり好き。周りの人にもおすすめしたい
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Yonowaaru
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新年初読、朝四時前。以前読んだ岡野さんの「音楽」はどちらかというととっつきにくいと感じ、苦手というかうまく受け止められない歌も多かったが、自分の中の短歌の理解が深くなったか、今回は素直に色んな言葉にならない気持ちを感じながら詠めた。形に残るため息、とはよくいったものだ。視野が広がるというより、額縁の横側が見えたり、それを照らす明かりに群がって集まる虫の妙な美しさやはかなさに目を向くような歌が、ここにある。
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Azu
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「生きたい」と「死にたい」が紙一重であることが、穏やかに感じ取れる歌集でした。見えてる風景や、感じたことの切り取り方が素敵です。
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nowsnowshow
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マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬/理科室の三面鏡で繊細がぼくを無限に殖やす四限目/ひとりだけ光って見えるワイシャツの父を吐き出す夏の改札/消しゴムも筆記用具であることを希望と呼んではおかしいですか/ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう
nowsnowshow

「もしかして知り合いかも」に現れる名がことごとく戒名/補充したメダカがそこに初めからいた顔して泳ぎはじめる/実行犯が億人組でそのうちのひとりが僕である可能性/六カ月間は死なない前提で買う六カ月通勤定期/道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機

12/14 01:50
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いわな
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短歌はナイフみたいだと、感じた歌集だ。毎日世界をどう切り取るか、そればかりを考えている。
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け
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歌集を通して感じたことが全部を巻末の東直子に言われてしまった かなしみを遠くはなれて見つめたら意外といける光景だった、 将棋盤と駒はあるのに飛車好きの祖父だけがいない祖父がいた部屋、 〈謳歌せよ 終日フリーパス嵌めた手首を翳しつつ生き恥を〉、 したら鹿じゃなくなるからせんべいの売場は襲わない奈良の鹿、 道端で死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機、 においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜、
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mo
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「死にたいが、生きたい」という帯のキャッチコピーに惹かれて大学図書館で手に取った。 短歌という限られた文字数に、矛盾する人間の心理や、ささやかな日常の一コマが綺麗に描かれていた。
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のな
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再読の短歌集。今回好きな作品「ぼくの背のほうへ電車は傾いて向かいの窓が空だけになる」「素敵だと言われたらもうこの歌は生きる力を失うのです」「人のなりした環境依存文字たちをダイヤ通りに運ぶ地下鉄」…人のなりした環境依存文字、という比喩の独特さと納得感!
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一乃
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Twitterでたまたま出会って印象に残っており、本を見つけた時につい手に取っていた。生活感のとなりにどうしようもない諦念や形のない哀しみのようなものを感じる句が多い。夜中に一人で静かに読みたくなる。挟まれているゆるいイラストも雰囲気が合っていて良い。 「もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい」「袖口を嗅ぐだけで眠たくなれる部屋着で過ごすうつくしい日々」
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黒井
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22-95】歌人の個人的な経験が、感性が私性が三十一文字に込められる事で普遍性を得て読む側の胸を打ち個人的な思い出を呼び起こす。かつて見た何気ない光景やささやかな感情にリンクして、言語化してくれているという傲慢な実感にしずかに打ち震え高揚を自覚する。私にとって岡野さんの短歌を読むのはそういう体験。日常を生きる中で自分がどれだけ多くのものを見過ごしてしまっているか自覚する、少しの悔しさをも伴う体験。その悔しさもまた歌人を介する事で得られる発露で、歌集を読んでこんな感情になるのはこの人ぐらいだと改めて思う。
黒井

初めて読んだ時とは違う短歌が胸に残ったのもたのしい。今回好きだなと思ったのは「生年と没年結ぶハイフンは短い誰のものも等しく」「ぬぬぬっと窓にゴンドラ現れて会議室から睡魔が逃げる」「座ってただけだったのに誌上での僕は何度も(一同笑)」あとこないだ読んだ『短歌ください』の2冊目に登場していた短歌も載ってた。うれしい。

07/11 20:32
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藻岩山麓人
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おはぎ
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短歌の知識はないけれど、なんか分かるなぁ、その風景見たことあるなぁと思うものが多くて楽しめた。「脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる」「青山とAOKIの巨大看板がそれ以外何もない夜空に浮かぶ」
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双海(ふたみ)
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こういう歌が載っているんだけど、良さがわからなくて読んでいて苦しかった。作者に罪はないのだけれど。「戦闘機ぶつかりそうになりながら空に描いてゆくテラアート」「・愛用のアプリによると仏滅は二千年後も健在である」・「座ってただけだったのに誌上での僕は何度も(一同笑)」
いくら丼

でも色んな世界に触れて、今後違う見え方が出てくることもあるかもですね。別の側面を知って面白くなることって、いっぱいありますし……ならないかもしれないですけど、それもまたそれで悪くないのかなって。何となく、感性が外向的な作者様に感じますし、それが苦しくなる感覚は、ちょっとわかる気がします。何となく。

03/11 21:07
双海(ふたみ)

いくら丼さん コメントありがとうございます!そうですよね。おっしゃる通りだと思います。私もがんばって解釈すればだんだんと理解ができていくのですが、大変でした💦

03/11 21:08
3件のコメントを全て見る
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み
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「もしそれを愛と呼ぶなら永遠に続く閉店セールも愛だ」「もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね」全体的に余生を感じる
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❁Lei❁
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子どもの頃から過ごしてきた日々の確かな実感が書き留められている詩集でした。忘れ去ってしまうような一瞬のドラマ、心に差し込んだ一瞬の痛み。生きていることのしんどさも不条理も、そのすべてを夕焼けのぬるい温かさに包んでしまうような、やさしい気持ちになれる一冊です。
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有機物ちゃん
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ネタバレ前半は父や母がまだ自分より大きく見えていた幼少期に、感じていた事、見えていた事を思い出させるような歌が多くて暖かい気持ちになる。後半は著者があとがきでいうように”ため息”のような歌が多い。 もういやだ~!と呟いてしまう事もあるけど、次の瞬間にはこの曲最高じゃん…とケロッと楽しんでしまうのも全部ひっくるめてわかるよ~!と古い友達とダラダラしてる時の安心感がある。 好きな歌は『本棚の/むこうでアンネ/フランクが/焦がれたような/今日の青空』なぜだか哀愁よりSFぽさを感じる。
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