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ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書 2329)

感想・レビュー
82

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みむさん🤭🤭🤭
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WW1後からナチスの台頭、WW2突入、ナチスの終焉まで時系列に書かれており、数ある関連本の補完としても興味深く良い本だった。民族・人種の戦争という観点から当時の歴史を振り返る。ナチス隆盛時よりも1945年前後の終戦間際からその後のドイツ人の様子 が興味深く、特にナチズムと戦争について振り返る時、業績と集団殺戮を頭の中で別物として考える風潮があったというのは度々出てくる「ナチスは良いことをした」という人々と同じ考え方だと思ったり。 さらに戦後の非ナチ化も相当手こずり時間がかかったのもなるほどだった。
0255文字
nishiyan
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ナチスドイツによって引き起こされた戦争を人種戦争という視点で読み解く新書。ヨーロッパで燻っていた反ユダヤ感情、ヴェルサイユ体制への不満、第一次大戦での敗北を共産主義者など内部の裏切り者の仕業とする論調等々、あらゆる不満がナチスへの支持へと流れていく展開は興味深い。ナチの経済政策に関しては税金は概ね据え置かれたままで、吸い上げた税収で各種公共事業を起こすスタイルであり、全てが戦争に向けられていたことがわかった点はよかったかなと。このナチの勃興から敗北までを見ると戦後処理の難しさを痛感させられた。
0255文字
G❗️襄
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古来より欧州はユダヤアレルギー。第一次大戦の敗戦に憤懣するドイツでは、反ユダヤ•ドイツ人ファーストの人種主義を容易に受け入れた。更に世界恐慌に見舞われ「持たぬ国」はナチスと一蓮托生の一択のみ。害虫駆除かの如く執拗なホロコーストは凄まじいばかり。ナチス黎明期から民族共同体への戦争誘導、そして崩壊へ。時系列に密度濃く、怒涛の記述は、文字を追うだけでも圧倒される。想像を絶する鬼畜の嵐は歴史事件では片付けられない。覇権主義宗教対立は未だに解決の目処は立っていない。 Memo「アーリア人」は言語学からの概念。
0255文字
テン
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ネタバレドイツが快進撃を続けフランスを敗北させたあとですら、戦争をどう終結させるかについての真面目な議論は行われていない。ナチ・ドイツには戦争の「終了計画」はなかったのだ。─ 引用
0255文字
やさぐれパンダ
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ナチスの創生期から敗戦による解体までの歴史を綴る。 ナチ党は人種に関するイデオロギーを主眼とした党で、 敗北寸前になっても その武力のすべてを戦争に投じることなく、アイザッツグルッペンなどへの人的配置を止めなかったことなど二明らかなごとく 人種戦争に主眼を置いていた。
0255文字
きゃべちゃん
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読むのが辛くなる内容であった。
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Tomoichi
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第二次世界大戦についてどうしてもヨーロッパでの戦いについて二の次になってしまい、今まで余り読んでこなかったのでここでお勉強。対ソ連との戦いについて理解できたのが収穫。ナチの事を国民社会主義ドイツ労働者党って訳されていたが、昔は国家社会主義って訳されていた気がするのですが、まあNational SocialismのNationalをどう訳すという話ですが国家と国民じゃ印象が全然変わってくるよね。閑話休題。通史としてよくできています。
0255文字
孔明
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ネタバレ第一次世界大戦の敗北がナチス台頭のスタートだった。戦争に勝っていたのに、裏切り者が出て屈辱的敗北になった。そんな論法を多くの国民が信じ、ヒトラーが一番信じた。再びドイツに栄光を取り戻すための手段は「戦争による領土拡大」である。その手段として民主主義ではなく独裁が求められ、戦争の敗北で未来に希望が見出だせない若者を始めとする多くの国民が支持した。政権獲得までは反ユダヤ主義は控えめで、弾圧は戦争開始後に露骨に容赦なく行われた。「人間の価値には上下がある」がナチスの主張。ドイツ国民が最上位でユダヤ人が最下位だ。
0255文字
mako
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WW1後のナチス台頭からWW2、そして戦後の余波までをナチのイデオロギーを主軸に語られる。もはや敗戦が濃厚になっても大量殺戮による人種構成の再編に固執していく様は狂気的で恐ろしい。そして戦後、国民から国防軍が肯定的に受け取られていたというのも驚いた。個人的に4章は特に戦勝国側の視点(著者はアメリカ人)だなという印象が強くそこが気になったが、概ね戦前〜戦後のドイツについて理解が深まり良かった。
0255文字
バイオ燃料
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WWⅠ後からWWⅡ直後までのナチ政権の萌芽、興隆、没落までを人種戦争に着目して辿る。何故ナチスは台頭したかから始まり、政権掌握から戦争開始までの過程、敗戦後の被害とドイツ国民の被害者意識の誕生までという流れ。副題の「民族と人種の戦い」を意識して読んだが、ヒトラーとナチ幹部と思想と行動に紙幅が割かれたのは残念。ナチ思想による人種差別、東方生存圏からの民族浄化、敗戦後のソ連占領下の暴行等による人種戦争の報復くらいか。生々しい写真やドイツ国民の戦争責任を問う描写に違和感を持ったが、原著が2004年出版なせいか。
バイオ燃料

勝者(著者は米国人)による敗者(ドイツ)の語りであり、人種戦争の因果応報は当然みたいなスタンスは読んでて疲れた。ナチスの台頭から終焉までの流れはよく纏められてると感じる分、そこが引っ掛かる。ナチ関係は他にも良い解説書があるので、別の本を読んでも良いかも。

08/06 22:17
0255文字
Takao
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2015年9月25日発行(初版)。ナチスについてはそれなりに知ってるつもりだったが、本書から多くのことを学んだ。「人種戦争」という言い方には初めて接したが、その視点からナチス・ヒトラーの政権奪取、「ナチスの戦争」が綴られる。その残虐非道の数々から目を背けてはならない。と同時に、1944〜45年の政権崩壊に至る空襲や連合軍側の反撃の中で、ナチスに(少なくとも)同調したドイツ人が持つようになった「戦争の犠牲者」という感覚。これを扱った最後の章「第二次世界大戦の余波」も(日本が想起され)興味深かった。
0255文字
@sushi suzuki
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WW1戦前〜WW2戦後までを4つの区分に分け、ナチの戦争を人種戦争という観点から解説する。興味深かった点は、WW2末期の本土戦の打撃を受けたドイツ人が、ナチのやってきた大量殺戮を被害者の点として捉えるようになったこと。また戦後にナチズム自体がいちイデオロギーとして戦争と切り離されて処理されてしまったことである。国民が被害者の立場で考えることは戦後日本と酷似しており、戦争協力してきたはずの国民が急に立場を変える点がWW2敗北に共通すふものかと考えた。
0255文字
ワッキー提督
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前半、WW1終戦時にヒトラーが抱いた感想について、『我が闘争』の記述をそのまま使う点に若干の疑問点を抱いたが、そこを除けば通史として「ナチスの戦争」がいかなるものだったのか、まず理解するのに非常に良い一冊ではないかと感じた。
0255文字
inu
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非常に良かった。ナチスの戦争がいかにタガが外れたものかというのがよくわかる。また、ナチスの社会政策と戦争と人種主義は切り離せず一直線で繋がっているというのがよくわかった。社会の軍事化とはこういうことかと思わされた。
0255文字
ジュンジュン
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ナチスの戦争=人種闘争と位置づけ、WW1後から説き起こす。1945年で終わらず、東西ドイツ成立近辺まで視野に入れる。戦後、44,45年の絶望(爆撃、占領、強姦)が、災厄の加害者からナチの被害者へと、記憶が書き換えられる。戦後を生きるドイツ人にとって、記憶の上書き保存は必要だったのだろう。翻訳本だからか、新書にしては読みづらいのが、唯一の難点。
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周知す
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ネタバレユダヤ人であるというそれだけの理由で教育を受ける権利と商業の権利を剥奪され、当時はナチス政権に限らず広くヨーロッパにも同様の迫害意識があったというのは到底信じられません。235頁の「もし、ナチズムの際立った特徴をひとつ挙げるとすれば、それは戦争の最後の数ヵ月間、無意味に人命を奪ったことだろう。」これはナチスの行為を非難するものでしょうがユダヤ人や障害者が殺戮対象とされたと考えると「無意味」という表現には問題があるように感じました。
0255文字
テツ
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第一次大戦からのドイツの復興とナチスの台頭。そして突き進んでいく破滅への道。今日でも使用されるゲッベルスにより生み出された宣伝手法は勿論のこと、パブリックエネミー的な存在を創り出し同胞を熱くさせ視野と選択肢を可能な限り狭めさせることにより一つのイデオロギーを軸に突き進むことになった歴史について知り学ぶことが、過去の悲劇への鎮魂と報いになるのだと思います。人の群れは容易にコントロールされてしまい、悪意も敵意もなく思考を積み重ねることを放棄して邪悪な行為に突き進む。絶対に忘れてはならない。
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鯖
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映像の世紀を見てて、ユダヤ人迫害(経済的な面も含め)と第一次大戦後のドイツ復興はどれくらい関係があったのかという疑問を持ち、手に取った本。答えはなかったですね。恐怖、暴力、可能な選択肢の欠如、ナチ政権との一体感により復興を遂げたドイツが滅ぶまでの悪行がひたすら並ぶので、流れをつかむのにはよい。敗戦後占領下で多発したドイツ女性へのレイプにより、ナチスの罪は薄れ、うやむやにされた」「ナチズムの加害者ではなく戦争の犠牲者なのだった」との指摘。
itozaki_kei

そういえば、WW2後のアメリカが(西)ドイツを速やかに自陣営に取り込むための方策のひとつとして、自国の軍人と旧ドイツ軍人の交流を利用したという話が、大木毅先生の著書にありました。そのおかげで、欧米や日本でも「ナチスは悪だったがドイツ軍人は有能でモラルもあった」「ドイツ軍は強かったが(欧米や)ソ連の物量に負けた」といったイメージが現在まで残ったとのこと。結果、旧ドイツ軍人の多くは「ユダヤ人絶滅は知らなかった」と言えるように…。まことにろくでもないです。

06/13 21:36
鯖

引き際を見極められず、やりすぎちゃうと被害者対被害者の構図が極まっちゃうのは幕末水戸のみならず、どこも共通なんですね…。大木毅先生の独ソ戦、読まなきゃ…読まなきゃ…、でもな…オオオオ…という感じなので、そろそろ覚悟を決めて手に取ろうと思います。

06/13 21:41
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0255文字
hitotoseno
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たまにナチスが戦争に走った理由として、ヴェルサイユ条約に要因を求める声がある。曰く、あまりに莫大な賠償金請求および大幅な軍事制限を課したがゆえに、反動としてヨーロッパ諸国への怨恨が高まり、ドイツは軍国主義に走ってしまった、と。おそらく部分的には間違いではないだろう。しかしながら、明らかにヒトラーおよびナチスの首脳たちは失地回復だとか、単なる報復だけを目的として戦争を始めたわけではないので、そうした観点に凝り固まっていると事態を捉え損ねてしまいかねない。
hitotoseno

確かに、空襲やレイプの被害者の中にはナチスの党員やユダヤ人迫害に加担した者もいただろう。しかしながら、因果応報的な論理で連合軍の暴虐を等閑に付すのは正直感心しない(フェミニストが眉をひそませることなく本書を読むことができるだろうか?)。加えて、「爆撃作戦は、戦争を終わらせることがドイツ国民の苦しみを止める唯一の方法という数あるサインのひとつだった」などと論じられると日本人としては少々憤懣を覚えてしまう。それはちょうど、広島と長崎に原爆を落とした言い訳としてアメリカ人がしばしば採用している論理だからだ。

05/10 22:07
hitotoseno

結局のところ著者もまた戦勝国アメリカというアイデンティティに同化しているだけではないか、と問いかけたくなる後味の悪い一冊だった。(ちなみに、本書の締めとして採用されているアーレントもまた『エルサレムのアイヒマン』において連合軍の空襲や原爆投下を批判的に論じているのだが、著者はそれを知っているのだろうか?)

05/10 22:08
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0255文字
の
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目標が無いと戦争は終わらない。
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Tomozuki  Kibe
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ネタバレ著者がナチスに対しての基本滝知識を持っている読者をふまえているのであらかじめ何か一冊読んでおいた方がいい。開戦前の1・2章は面白いが、戦時中の3章は翻訳もの独特の文体でやや冗長。人種絶滅戦争を標榜していたヒトラーが占領下ソ連でのレジスタンスナチスを絶滅の機会ととらえていたこと・支持者が1900年以降に生まれたWW1を知らない軍に憧れていた世代であるということ・戦後ドイツでは女性が家長であり少子化の時代を迎えたと「いうのは卓見。ともかくヴェルサイユ条約の失敗がナチスの温床だったことはよくわかる。
0255文字
bassai718
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ナチスの本質として人種、戦争、死をキーワードに上げ、ドイツ第三帝国の特質を読み解いている。本書を読むと、「ヒトラーは経済政策に関しては正しかった」等の言説の誤りが良くわかる。
0255文字
二人娘の父
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ナチズムの核心にあるもの=人種戦争。本書のテーマであり、検証の基準でもある。その視点から見えてくる地平は遥かに広い。「ナチズムとは何か」を理解するためには、欠かすことの許されない視点でもある。ナチスが権力を持ったのはわずか12年ほどだか、本書の射程はその前後30年間にわたる。本書の充実度は、原注だけでも53ページという点にも示されている。残念ながら日本語に訳されているものが少ないが。
二人娘の父

【以下、個人的な覚え書き(ネタバレ)】第1章に関連して。ナチスを支持したドイツ人とは。1932、1933年の選挙で投票できた元ドイツ兵1000万人以上。うち少なくとも800万人以上がナチを支持。他の有権者もその多くが第一次世界大戦を体験した人々。第一次世界大戦がナチス躍進の要因の一つとなっている。第2章に関連して。権力掌握後、陸軍との協力体制をいかにつくりだしたか。そもそも1933年の権力掌握は連立政権による。全権委任法のきっかけは共産党弾圧=国会放火事件の捏造。これを「選挙による」権力掌握と言えるのか?

03/04 12:53
0255文字
MUNEKAZ
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「人種」をキーワードにナチスの戦争が、特定の人種の根絶を目指した絶滅戦争であることを示した一冊。傍から見れば狂気にも思えるその思想に、国防軍や一般のドイツ人たちが見て見ぬふりをすることで、協力者になっていく過程が描かれる。また戦後のドイツ人の戦争認識にも触れているのも印象的。戦争末期の悲惨な経験から、自らを「戦争の被害者」と捉え、「ナチズムの協力者」という側面を忘却したという指摘は、日本人にも響くところがあるのでは。「ヒトラーもいいことをした」という俗流歴史本を読む前に、まずはこういう本を読むべきである。
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SFTT
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ナチの中核にある要素である「人種」という視点より、戦間期~第二次大戦後までのナチスの起こりからその終わりまで概説した一冊。「ナチズムの原因と結果はいずれも戦争にあり、状況と成り行きを決定したのも戦争」、すなわち戦争が「人種主義の新たな秩序を作り上げる」手段であるとともに、ヒトラーにとっては戦争そのものが目的でもあったという内容は衝撃的であった。また敗北直前のドイツ人の悲惨な被害が戦争の記憶を上書きした、という話について、日本人にとっても他山の石とすべき点があるのではないだろうか。
ばたやん@かみがた

日本語で読めるナチス国家概説では、経済面における『ナチス 破壊の経済』と現在双璧成す本ですね。これら立派な本を無視するかの様に、亡くなった著名な独文学者や元都知事が、要らない時代遅れのナチスについての著述を何故出すのか、よく判りません。

11/28 14:37
SFTT

コメントありがとうございます。本書ではナチスの経済政策についてはサラッと触れているだけであったので、積読の講談社現代新書を済ませたら、「破壊の経済」も読んでみたいと思います!

11/28 23:15
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しげのり
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「民族と人種の戦い」とある。民族とは「われわれ・・人」という帰属意識を共有する集団。人種とは人類を皮膚の色など身体的特徴で区別した種類。ユダヤ民族とアーリア人種の戦い あるいはスラヴ人(ソ連)対アーリア人(ドイツ)という意味になる。第一次世界大戦の余波から第二次世界大戦の余波までを俯瞰できる入門書としておすすめ。戦争目的の政治では、手段や一時の繁栄は意味があったのだろうか?破壊するために作り出すのはあまりに愚かだ。人の評価は、何を言ったかではなく(政権を獲得するまで)その行動(戦争を引き起こした)だから。
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おっとー
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良い意味でも悪い意味でも毒を抜きすぎたナチ期の歴史。射程も広いし、中立的だし、トピックも多いし、必要な情報はかなり網羅されているんだけど…斬新さと面白味には欠ける。訳書だからなのかもしれないけど、それにしても記述が単調すぎる。筆者の考えや個性も見えてこない。まあ実証主義大好きなドイツ史家には喜ばれそうな本よね。内容の薄い感想だけど、注目すべき点がなさすぎて、こんなことくらいしか書くことないなあ。
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麺
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ナチズムの戦争目的や世界観には人種主義、反ユダヤ主義、反共産主義が一貫していたことを、第一次大戦の敗北から東西ドイツの成立までの通史を通して論じた新書。ナチの政策は国民に利益を生み出す目的で進められたのではなく、ヨーロッパの人種を塗り替える絶滅戦争を最終目標として実行され、どこかに「着地」できるようなものではなかった。また、終戦間際のドイツ国内における悲惨な状況が、戦後ドイツ人の持つ戦争のイメージを形作ったという話が興味深かった。本書は全体的に駆け足の記述なので、他の本で補ってみたい。
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カヤノ
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国家を大きく覆う全体主義国家ナチスドイツの実像を描いた名著。読みづらい点もあるが特別難解なわけではなく、丁寧に読めば最高の入門書になると思う。筆者の鋭い指摘はナチス以前、以後のドイツ人にも向いており、それはナチスとどう向き合うべきか、ナチスをどう考えるかという巨大なテーマに繋がっていくように感じる。そういう特殊な熱量を持った本である
0255文字
ryo
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人々を「魅了」し、「熱狂」させ、一国を戦争に向かわせるムーヴメントを起こす。そして、「恐怖」によって、人々を縛り、降伏・後退させなくする。好循環だったものが、一転悪循環に陥ってしまう。新書ではあるが、第三帝国の興亡がある程度理解することができる良書。
0255文字
beegchiko
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民族の誇りを揺さぶられて煽動されると、何千万単位の民衆が簡単に間違った方向にまっしぐらに走って行ってしまう。本当に恐ろしいことだ。 戦後のドイツ人が、戦中最後の悲惨な体験をもって自分を被害者と捉えて生活してゆく。ナチスの罪を自分の罪として生きて行くことなんて不可能だったのではないか?彼らが犯した罪はあまりに重すぎる。 基本的に人が人を差別するという事はなくならないのかも知れない。人の心には誰にでも差別の芽があり、それをなるべく大きくしないようにしなければならない。常に自戒して心がけよう。
0255文字
設楽ウルス
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ナチスドイツの成立から戦後、分割後のドイツまで詳細な記述がある。ナチスがどのように政権を取りそしてどのような大義名分のもと戦争に突き進んでいったか、それを知るための良い本であると思う。
0255文字
とむ
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自分達が、消極的にせよ支持してその恩恵を得たにも関わらず、逆に虐げられる立場になったとき、自分達を哀れな被害者としか見れなくなるのは、人間の性なのだろうか。相対的に事象を考えることができれば、もう少し人間は高みに到達できるのだろうか。そんなことを考えさせられた。
0255文字
ドウ
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ナチズムの根源には人種とそれを起点とする闘争がある、という視点からナチ時代のドイツ史を纏めた本。戦後間もないドイツには逆に被害者意識が残ったという点は面白かったがそれ以外がちぐはぐ。人種は近現代ヨーロッパ史において重大な問題と指摘しながら、それがなぜ、どのようにナチ・ドイツとして結実したのかが言及も論証もされていない。ナチズムというイデオロギーと反ユダヤ主義との連関を「戦争」の2文字でしか根本的には説明していない本書もまた、アメリカ的民主主義イデオロギーの産物。『ヒトラーとナチ・ドイツ』の方が遥かに良書。
ドウ

感想が字数ぴったりになってしまったので、娯楽・教養として読む分には全く重要ではないのかもしれない愚痴をコメントで申すと、註は初出の時に最も詳しく書くべきだし(原著がそうなっていないなら訳註を付せば良いのでは?)、参考文献表はアルファベット順にするべきだと思う。中公新書らしからぬ手際の悪さが垣間見えて残念。

10/20 23:13
0255文字
ほうすう
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ナチスという組織全体に焦点が当てられている。ヒトラー死後のドイツについても書かれているのはありがたい。ただ、おそらく英語を日本語に訳したためであろうが少々読みづらく説明不十分に感じるところもあった。そしてなによりアメリカ人の書いた本である。ドイツに対してあまりに批判的。ナチスを擁護する気にはならないが一方的に過ぎる気がする。人種戦争と従来型の戦争という区分けにもどこまでの意味があるのか。そういう要素があったことは分かるがさほど明確に区別がつくものか。ナチスの醜悪さとともにアメリカの傲慢さも感じた書。
0255文字
高等遊眠
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第二次世界大戦におけるヨーロッパでの戦いについて知りたくて読んだ。本書は、ナチズムの核心を人種戦争と捉え、そのイデオロギーの本質を追究するものだ。もっとも、本書はアメリカ人研究者の本が翻訳されたものだが、決して読みやすいものではない。このため、★★★☆3.5。本書では、ナチスの戦争の背後にあるイデオロギーと、その戦争の性格が述べられている。ドイツが行なった戦争と日本が行なった戦争とでは、その性格がまるで違うことがよくわかる。また、当時の多くのドイツ人がナチス政権を支持していたことがわかる。
高等遊眠

を守ったり、国家の安全を確保したりするための戦いでは決してなかった。ナチズムの観点からすれば、戦争と人種闘争は同じものだった。特に、ソ連への侵攻は最初から絶滅戦争として構想され、戦時国際法を完全に無視する形で、ソ連のユダヤ=ボルシェヴェキ体制をその生物学的基盤(ユダヤ人という人種)ごと粉砕しようとした。また、バルバロッサ作戦の開始とともに、ヨーロッパ・ユダヤ人の東方への大量移送は実現不可能だと判明した。このため、ナチスは数百万のユダヤ人を絶滅収容所に送ることとした。ナチスによるユダヤ人などの大量虐殺の噂

09/16 18:15
高等遊眠

は、ドイツ国内でも知られていたが、必ずしも犠牲者への同情を呼び起こしたわけではなかった。もっとも、ナチス政権はイギリス軍を大陸から駆逐し、フランス軍を降伏させることで、大衆から驚異的な支持を得ることに成功している。戦争によってヨーロッパの人種地図を塗り替えようという恐ろしい試みは失敗に終わったが、それまでにおそらく5,000万の人々が命を落すこととなった。

09/16 18:15
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0255文字
豚肉
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特に新しい発見がある、というわけではないですが、概括的にまとまった本です。
0255文字
さとうしん
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元首相・国防大臣が惨殺されてもナチへの協力を疑問視しなかった軍部、「戦争をすること」を目的としたナチの経済再生の成果を素直に享受した国民、敵は本物の兵士ではなくゲリラや殺し屋だと信じ込む前線の将兵、敗戦が見えた段階で逆に苛烈となる暴力行為、そして自らの苦難と被害者意識が強調された戦後。日本の状況をヒトラーやナチに例えることが揶揄される昨今だが、やはり例えることによって自省してみる価値はあると思わされる。
0255文字
H masa
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ヒトラーの妄執の遠因となった第一次大戦の敗戦から、終戦後にまで至るナチスの禍根まで、事実を淡々(でもないか?)と述べていったドキュメンタリー的な一冊。ナチスの数々の悪行に関しては、知っていたつもりでもこれだけ並べられると相当に重い。戦争終盤の相次ぐ爆撃による国土の焦土化や、占領地からの追放や逃亡、その後の真紅の記憶のせいで、「戦後のドイツ人の考えを形成したのは、ナチズムの犯罪ではなく、苦難と被害者意識だったのだ」というのは、日本とも共通していて興味深い(その後の意識がなぜこうも違うのかも含めて)。
0255文字
刳森伸一
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タイトル通りナチスの戦争という側面に注目したものだが、様々な観点のうち戦争というトピックを選んだというものではなく、戦争こそがナチスやヒトラーの目的であり、根本的な行動原理であるという視座に立脚している。だから敗戦が確定的になっても講和を結ぼうともせず、民族浄化を続け、破滅するまで突き進む。それ故、ナチスも途中までは良かったとか、戦争しなければ素晴らしかったとか、実は福祉国家を目指していたとか、そんなのは妄言に過ぎないことがよく分かる。
0255文字
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