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あなたを選んでくれるもの (Shinchosha CREST BOOKS)

感想・レビュー
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milkdonut
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ネタバレずっと気になっていたミランダジュライ。インタビュー相手に対する彼女の率直な感想やそこから深く自分の中に潜っていく思考にはっとする部分もたくさんあって、すごく良かったです。「いま、わたしの目の前に本物がある。革の表面に触れた瞬間、目まいのような感覚に襲われた。現実のものと触れあったときに、たまにこの現象が起きる。デジャヴに似ているけれど、前にも一度これを経験したという感覚ではなく、今はじめてこれを経験しているんだ、それまでのことはぜんぶ頭の中のことだったんだ、という思いに打たれるのだ。」
0255文字
mikky
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ネタバレ文章に添えられる彼らの写真を眺めていると、自分も彼らと邂逅したような思いになります。同時に、彼らを風変わりな人たちと言ってしまうのは簡単だけれど、本当は誰しもが独特の物語を持っていて、普段はそれに気づかず暮らしているだけなのだという至極単純で当然の結末に辿り着きます。 最後に出会ったジョーと映画の話まで読み終えると、人生の有限性とその中で自分に残されているものは小銭などではないと気づく作者とともに、読み手である自分の中にも何か温かいもの残されるのをはっきりと感じます。映画、ぜひ観たくなりました。佳作。
0255文字
meemee
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ネタバレ雑誌やテレビで見るきらきらしたアメリカはどこにもなかった。(それを期待していたわけではないけれど) 訳のせいなのか、文化なのか、実際に経験から、形而上的というか、自分の内面の語りになっていく終わり方があまり合わなかった。 ジョーとの出会いは素晴らしいことかもしれないけれど、やっぱり自分本位な感じがぬぐえないというか、ぐっとくるものがなく。 結構、登場人物のことを微妙な感じで書いているけれど 出ている本人が読んで気を悪くしないのかな。 (特に、マイケル。「ほとんど不可能に近いチャレンジ」なんて書くかね。)
0255文字
Hiroaki Nakano
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ネタバレ雑誌で気になり購入。このインターネットの時代にその恩恵?に預からず、フリーペーパーに掲載してる人にインタビューをしていくドキュメンタリー。 読み進めてる途中はどんな終わりになるか、不安で読み続けていた。ただ、最後で綺麗な物語の感覚に落ち着く。 現実は小説よりも奇なり。 一瞬の閃き、それに意味を見出し、行動する。 中高生の夏休みにこれではダメだ!と思い、当てとなく自転車で旅行した思い出が蘇る。 もちろん、それよりは高尚で、金もかかっている内容。
Hiroaki Nakano

各人に独特な世界観があり、部屋の写真にとてもアメリカを感じさせられた。

05/11 06:50
0255文字
本好きの鳥
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ネタバレフォト・ドキュメンタリー。日本だと、住んでいる地域ごとに配られるフリーペーパーがある。その中に「売ります」「譲ります」といった欄がある。筆者はそんな人々にインタビューを申し込み、話を聞く。そこにあるのはその人たちが大切にしている何か。そこに価値を見出すのは他人である私たちには難しい。そこにはネットの上にはない濃密な「リアル」があった。 遠くアメリカの、全く知らない人たちの生活の一部分を垣間見るのは単純におもしろい。 最後に出会ったJoe と映画を作ることになる。その映画を今週末に見ようと思う。、
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K
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ネタバレ映画の脚本に行き詰まった作者がフリーペーパーにこれ売りますと広告を出している人に会いに行く。会う人それぞれがとても個性的で怖かったり面白かったり。そして最後のジョーにつながる。写真もとても良い。いろんな人のいろんな人生が垣間見れる一冊。ジョーの出演した映画見てみたい。
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ももしびっく
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ネタバレ社会からいくらか逸脱してしまった人達へインタビューする中での視線を通して、著者の創作スランプのようなものへ立ち向かう過程が描かれる。セルフドキュメンタリーのようなノンフィクション。誰もが欠けている何かを含めて、自分の物語を必要としている。「不自由ではないけどネイティブではない人」の話し言葉のニュアンスまで訳す岸本さんがさすが!著者に寄り添うようなまとまりある解説もよかった。最終的に完成する脚本と映画には興味を持つけど(特にジョーのシーン)、著者が投影され過ぎてる感じで観たいとまでは思えないのが残念。。
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にしの
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ネタバレネットについてのくだりとやっぱラストのおじいちゃんの話は良かった。おばあちゃんもいい! 物語化したくない、そうしてしまう自分に逆らいたいといいつつ、最後に物語化しちゃうのはやっぱそういうサガというか業なのかな。 扁平なネットの外の生々しいリアルをどう忘れないでおけばいいのか。不協和音が鳴り響く生身の他人をどう理解したらいいのか。
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deerglove
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ネタバレ予想に違わず良かった。当たり前だけど、ロスにもいろいろな人がいて、自分が住んでいる世界や友人以外の人とは出会うチャンスもない。だからこそ著者のわたしは『ペニーセイバー』という”売ります”式広告の冊子にぶら下がっていた”糸”を決死の覚悟で手繰り寄せる。その結果、映画にはならなかった材料も含めて並べて見せたのがこの作品。それをえげつないととるか、正直だと感じるかは読み手次第というところ。
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きみー
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ネタバレ全く見知らぬ人の生活にズカズカと足を踏み入れる背徳感と、あっけらかんと家を見せるけれどどこか危うさを感じる人への怖さがありました。最初はぎこちなく読み進め、最後は壮大なドラマを見終わったような充実感でいっぱいになりました。
0255文字
ハナっぺ
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ネタバレミランダ・ジュライはロスに住んでいて小説家で映画監督でもある。当然知的レベルも生活水準も高い。だからここに出てくるような人たちは彼女にとってはネタ。もっと濃いキャラのフリークス来い。と考える。安全な場所にいて、少し見下している。一人ひとりはただ平凡に生きているだけなのだ。あるときそれを遥かに超えてくる人物に出会った。そこは正直に伝わった。皮肉屋の彼女が素直に感動して、突き動かされる。そこは素直である。自分の胡散臭さもわかっている。作者に最後には好感を持った。揺れ動く生みの苦しみも共感できた。
0255文字
ノア
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ネタバレアメリカ、というかロサンゼルスに生きる人々の幅広さにおどろく。NYに行った時に「人種のるつぼ」という言葉の意味を初めて実感したけれど、このインタビューで出てくる人々を日本の一般的な感覚と比べると、貧富の差もモラルの幅も、暮らしぶりの差もすごい。同じ時代に生きている人でこんなに違うのか、というレンジの広さに圧倒される。最後に出会うジョーは、実際に会ったら好きになりそうな本当にチャーミングな人物。「ザ・フューチャー」を見てみたい。
0255文字
🍃
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ネタバレやっぱり人間誰しも狂気秘めてるんじゃないかと思いながら読み進めた。そこに足を踏み入れる著者もクレイジーだし、見てて冷や冷やする!本人たちに読まれたらまずくない?って思う文章も多々あるけど、それはアメリカンなカルチャーなのか、著者の気質なのか。でもでも、すごく良かった!著者のそのときの葛藤や、インタビューを重ねるにつれての変化も、リアルで。現実のほうが小説よりもドラマチックだったりするよね。ジョーを見てると大好きなおじいちゃんを思い出して、切なくなった。はぁ〜〜。
0255文字
加藤
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ネタバレ三十代も半ば、人生に残された「時間」そのものに囚われた作者が、現実に生きるある老人との出会いによって解放され、その出来事自体も作品として結実する。そのありふれていて輝かしい奇跡的なまでの出会いの過程が、また作品となる。『あなたを選んでくれるもの』はフォト・ドキュメンタリーという体裁ではあるが、紛れもなくミランダ・ジュライの書く物語だ。人と世界とまた人の不器用な繋がり方にしか、限りなく誠実な希望なんてあり得ない。目に見えぬ光を顕現させるためには、ミランダのほどの表現者でもこれほどもがき苦しまなければ(続く)
加藤

ならない。彼女の映画の脚本が完成するまでに辿る道を追体験することで、単純に励まされるような気持ちにもなりつつ、彼女の操る言葉(そして岸本訳)の魔法的なまでの跳躍力に瞠目。凄すぎる。

01/30 19:35
0255文字
青(蜂)
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ネタバレ最後はもうほとんど奇跡だと思った。映画にするとあまりに出来すぎているからカットした部分が真実なのだから、全くすごい。他者の存在の生々しさに恐怖したり共感したりしながらミランダが自身におとしこんでいくさまが面白かった。結婚と出産をしたのもいい。いちばん近くて濃密な他者だ。
0255文字
nobi
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ネタバレこんな特殊な伝手を辿っての訪問インタビューという形は独創的。発端は脚本の行き詰まりにしても、ネット社会に反旗翻して紙情報を盾に突撃っ!したように見える。ジュライのチャーミングな受け方外し方もあるけれど、とにかく皆語る。その語りを彼女のコメントとサイアーの写真が陰影豊かにする。世界は多彩、の手応え十分。個人的には年間上位ランキング確実と思っていた。それで終わらない。脚本とインタビューが見事な配色の組紐のように撚り合う。殆どありえないでもそう決まっていたかのような事態。そして光を放つ。涙溢れて止まらなかった。
nobi

《質問をさしはさむのは高速道路で合流するのに似ていた―わたしはアクセルをぐっと踏んで、彼が言葉を切ったわずかな隙に割りこんだ。》《自分はべつにこの手の人々を理解したいわけではないのだ、ただ彼らに理解されたと感じてほしいだけなのだ、と気がついた。》 岸本氏の訳が見事。「…とごにょごにょ言った。」とか。ジュライとメンタリティー似てるかも。

01/12 22:06
nobi

《人間の生の営みの大半はネットの外にあって、それはたぶんこれからも変わらない。食べる、痛む、眠る、愛する、みんな体の中で起こることだ。…もしかしたら二十年後のわたしは空気や水や熱にインタビューしているかもしれない。それが大事なものなのだということを記憶にとどめておくために。》

01/12 22:06
0255文字
linen
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ネタバレジャケ&タイトル買い、しかも知らない映画監督のインタビューフォトドキュメンタリーに何故か強烈な吸引力があり、手に取りレジに並んでいた。対面している時の気遣いは丁寧なのに、それ相手に読まれてまずくない?というくらい監督の直球の文章が面白い。本人すら「このインタビュー行き詰まったな」と思いだした最後に現れるジョーで流れが一変する。81歳の、奥さんとペットを愛する市井のおじいさんが全部持っていった。映画ですら。ジョーを知ることができて良かった。役目を終えたかのように去ったジョー。物語かのような実話に出会えた。
0255文字
1700
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ネタバレおもしろかった。 わざわざ自分の生活とは相容れないよう人々に会いに行き、なんかしら気まずい思いをして帰ってくるという繰り返し。 その中で最後の出会いが輝いていた。 貰ったフルーツサラダ?を帰り道に捨ててしまう所やリベラルな人として育ってきたのに執行猶予中の男に嫌悪感を持ったり、作者の不器用なところが魅力的。
0255文字
kei
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ネタバレ映画監督による一般人へのインタビュー集。フリーペーパーで売られているものが多彩であり、そしてそれらを売っている人も多彩でした。映画に出てもらうことになったジョーの良さ、著者がとても心を動かされたというところが最初はあまり伝わってこなかったのが残念。ジョーがいなくなってからは彼の良さが伝わってきました。インタビュー部分よりも著者の独白部分が面白かったかも。
0255文字
ケイティ
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ネタバレとてもとてもよかった。脚本の執筆に煮詰まりネットサーフィンを繰り返す日々のミランダだが、「売ります」フリーペーパーに投稿している人々にインタビューすることを思いつく。人に会い話を聞き出すうちに、彼らの人生も何より自分の人生も、奇跡の瞬間の積み重ね、また万華鏡にはめ込まれたピースであると気づく。それは良くも悪くも最後の最後まで。最後に訪れたジョーとその奥様の話が素晴らしく胸を打つ。ここまで個人を引き出せたのはミランダだからこそ。ぜひ映画も観てみたいです。岸本さんの訳も本当に秀逸でした。期待以上の一冊。
0255文字
koharu
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ネタバレ新聞の書評で知った本を図書館で借りた。本を手にしたとき、「失敗した」となんとなく後悔。内容に興味を持ったから予約したのに、本を手にした途端にどよ~んと嫌な気持ちになってしまって・・・ 読んでみたら、「いろんな人がいるんだ」と面白く思えてきたが、映画の進行がからんでくるあたりから興味が失せてきて、結局、最初の印象の、どよ~んとした気持ちがよみがえってしまった。
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