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市川崑と『犬神家の一族』 (新潮新書)

感想・レビュー
179

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マシンガン
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ドラマを見て新映画を見て、旧映画を見返すとこの新書が出ていたことを知ったので購入する。市川崑の作品経歴を追いながら特徴を紹介する一章。「犬神家--」をはじめとする角川作品での演出技法を分析する、本論となる二章。そしてその分析を証明する役割を担う、石坂浩二へのインタビューを収録した三章から成る。短いカットにも、映像素人には伺いしれない様々な拘りや工夫がぎっしり詰まっていることに驚愕を覚える。この本は、本当に読んでよかった。そして…いずれまた読み返すだろう。
0255文字
Roko
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映画版の金田一耕助を演じたのがなぜ石坂浩二だったのかを不思議に思っていたのですが、この本を読んでその謎が解けました。俳優としてだけでなくナレーターとしての技術も高い彼の声が必要だったというのには、なるほどと思いました。市川崑監督が若い頃はアニメーターであったということに驚き、その時に培われた感性が映画監督として、CMなどの映像監督として活躍する大元にあったというのは、実に面白い発見でした。
0255文字
マーブル
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新書ということもあるだろうが内容の面白さに一気読みしてしまった。知っていることをさらに深く知り、再体験することの面白さ。加えて知らないことを新たに知る楽しさ。監督のこだわりや手法を確かめるために金田一シリーズの映画作品をあらためて見直してみたくなると同時に、監督が再構築した金田一耕助と横溝作品の中の彼を比較したくなる。元々アニメ出身であることから生み出された画を積み重ねていく手法。妻であり名脚本家であり、名アドバイザーであった和田との仕事。和田と創り上げた天使としての名探偵金田一耕助のキャラクター設定。
0255文字
misui
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「市川崑の中では、金田一耕助は「神様の使い」であり、「天使」という解釈でした。天使とは何かというと、ふわっとどこからともなく現われて、ふわっとどこか分からない場所へ去っていってしまう存在。だから実在感が全くない。そして「神の使い」であるということは、劇中で「下界の人間」と触れ合ってはいけない、ということでもあります。つまり劇中の人間関係や事件には一切関与しないし、影響も与えない。つまり、徹底して外側にいる男なのです。」
0255文字
Yuichi  Saito
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★★★
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meòrachan
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NHKの犬神家の一族を見て,市川崑の犬神家の一族が面白かったなあって思い出して,読んでみました.市川崑全体というより犬神家の一族の解説が大半でそれを読みたかったのでありがたかったです.伊丹十三が亡くなった時に,朝日新聞(か日経新聞)のコメントで「監督としては父万作に全然及ばない」って言っていて,すごいなって思いました.今だったらコメント自体誌面に乗らなそうです
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めいめい
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映画監督によって違うということを知りました。これから映画の見方が変わると思います。勉強になりました
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レイノー
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2015年刊行。著者は時代劇・映画史研究家。◇図。◆市川崑監督論である。金田一シリーズと細雪くらいしか見ていない(あ、ビルマの竪琴と野火は見たかも)が、それでも、「日本間の違和感」を十分に溶かしてくれたので十分満足。◇⑴女系家族だったことから生まれたキャラクター造形(特に男性キャラ)。⑵アニメ的、すなわち、現実にあるもの、現実の動きを撮るということではなく、①コンテの重視(というよりコンテの再現を企図)、②画の繋がり、連関の重視。つまり役者の芝居では魅せない。③色彩の重視が彼方此方で見受けられる。
更紗蝦

市川崑、戦中にアニメーション制作に携わっていたんですか!? 劇場版『火の鳥 黎明編』に、実写とアニメの合成のシーンがあったのは、元々アニメの知識がおありだったから…!?(ちなみにこの映画、子供の頃に見たのですが、火の鳥を狙う狩人が火だるまになるシーンとか、蜂に刺されて鼻が腫れあがるシーンとか、穴の底に何年も閉じ込められるシーンとかがあまりにも怖くて、トラウマになりました…。)

09/01 22:51
レイノー

更紗蝦さま。コメントありがとうございます。◆そうなんですよ。戦中にアニメーション制作に関わり、ある作品では戦時下で人手がなく、自ら絵コンテ・原画・動画・美術監督(背景)まで1人でこなした短編作品を作ったことがあるそうです。あの「火の鳥」の評価は差し控えますが、市川崑氏の影響も本著を読んだ後では気になるところです。庵野秀明氏の画面手法ですが、確かに色々な作家のそれを混ぜている感は無しとしませんが、市川崑氏のそれも影響を感じずに入られません。殊に本書読破後に、そういう印象を持ちました。

09/02 00:33
3件のコメントを全て見る
0255文字
kei-zu
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久しぶりの再読。 仕事柄、対話の際に声の高低を意識的に使い分けているのですが、同様のことを金田一役の石坂浩二氏が演技上気をつけていると本書で読み、我が意を得た思い。 子どもの頃、テレビで見た市川監督のの金田作品に痺れた。素早いカット割りと美麗な画面構成は、日本映画というよりはアニメに親しかった私を夢中にさせたが、監督のキャリアスタートにも理由があるのですね。 「女王蜂」撮影中に市川監督が「火の鳥」に思い入れていた旨の記述がありますが、ご興味ある方は配信でぜひ鑑賞を。「なんでこんなことに」と驚きます。
0255文字
こまごめ
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最後の石坂浩二のインタビューの内容が素晴らしい。今の役者はかけもちで何時から何時までスケジュールが決まっているので時間内に撮り終えてと監督に対して要求するのはとても失礼な話だ。というのは刺さる。しかし2006年の松子を演じた、かつて緋牡丹博徒シリーズで日本のスーパーヒロインだった富司純子はしっかりスケジュールを空けてきたとの事。 あと事あるごとに著者は吉永小百合がいかにダメかを言及しているが、その部分を読むのは悪趣味だが読んでいて楽しい。 作者のサイン本で保有してます。
0255文字
アラスカ
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読後すぐアマプラで映画鑑賞。
ナンシー☆チロ

私もソッコー映画見直しました。たしかによく出来てた。

02/06 20:08
アラスカ

冒頭の金屏風の色までしっかり注目してしまいました。

02/11 11:40
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まつのは
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本棚の整理をしていたのに、ついつい懐かしく読みふけってしまいました。著者の映画論なぞには興味もありませんが、『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』好きなんですよね。あの映像美、湖から突き出た佐清?の足でさえ美しい。より横溝正史を好きになったのも、ただのおどろおどろしい恐怖映画に終わせなかった坂口良子サン(えっ?!市川崑じゃないんかい!)の功績は大きい。“少〜し愛して、長~く愛して”のCMも市川崑監督の演出なのですね。その後の自分の女性感に多大な影響をあたえてますなぁ(笑)。
みゆき・K

坂口良子さん、「アイちゃんが行く!」で見て一目惚れ💕憧れのお姉様でした。素敵な方でしたよね。市川昆さんじゃなくてごめんなさい🙇‍♀️

01/23 20:23
まつのは

みゆきさん、こんばんは。犬神家では旅館の娘、獄門島では床屋の娘。主要な役ではないのですが、その存在が張り詰めた緊張感を和らげてくれる。手毬唄に出演できないのを監督がとても残念がったそうです。すごい女優さんだったのですねぇ。

01/23 20:46
0255文字
ナンシー☆チロ
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こりゃおもしろかった~!秀作!市川崑の半生を知る。彼がアニメーター出身とは。ルビッチをリスペクト。なるほど~。和田夏十は公私共のパートナーであり最強の軍師であった。第2章なぜ「犬神家の一族」はおもしろいのかーの分析は秀逸。最後の石坂浩二のインタビューは、撮影時のエピソードも含め興味深かった。
ナンシー☆チロ

「今日本の娯楽映画の多くは面白くない。その要因は、心情のすべてを語りつくす饒舌な脚本、凡庸なキャスティング、テンポの悪い演出と編集・・・」同感。同時に「映画を取り巻く環境が昔とは全然違う」というのも悲しいかな納得。

01/20 21:35
ナンシー☆チロ

「監督クラッシャー」吉永小百合/吉永小百合と組むようになると、ほとんどの監督が駄作を連発するようになり、評判を落としていくー爆笑

01/20 21:36
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ぶんぶん
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【再読】市川昆と犬神家の事が読みたくなって再読。 春日氏の視点は流石に論点を差している。 犬神家の時代にスーと入って行ける気分が良い。 役者の良い点、悪い点を確実に描いている。 市川昆の時代に合わなくなった理由とか、奥さん(和田夏十)が如何に素晴らしかったとか、木枯し紋次郎の造り方とか、市川昆の世界に遊べる。 しかし、吉永小百合って成長の無い役者だと言う事が良く判る、美しいだけでは、もう無理なんですね。映画の造り方も役者のスケジュールに合わせてでは、良い映画は出来ない話と言う事も分かる、凄い本だと言う事。
あねさ~act3 今年1年間は積読本を無くす努力をしたいなぁ。←多分無理🤣

読んで見たい本の1冊に入ってます。😅 何せ初めて子供時代1人で映画館で見た記念すべき?作品👍️

12/13 12:00
ぶんぶん

あねさ~さん、「犬神家の一族」は良く出来た映画でした。 撮った市川昆も凄い監督でした。 今の映画は「アクション」ばかりですものね。

12/13 12:12
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ぺこぽん
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力作。「犬神家の一族」を中心に映画監督市川崑の全体像をわかりやすく掘り下げてくれている。「犬神家〜」で2度も金田一を演じた石坂浩二氏インタビューもあってお得な一冊。監督の膨大な作品を端から見直したくなった。
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めしいらず
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再読。映画評論は沢山読んできたけれど、本書以上のものはちょっと思い浮かばない。作家性への理解度の深さ。1シーン1アクション毎に込められた意図を読み取る視座の精度。その裏付けを順序立てて示し読者に判り易く説明する解説力。隙のない完璧な解説ぶりに有無を言わさぬ説得力がある。それはこの映画のコアなファンですら目から鱗が何十枚も落ちるほど。己の浅い理解度が恥ずかしくなる。犯人が判明すれば見返されない本格推理映画にあって、幾度も再鑑賞させた上で尚面白がらせるのにはちゃんと理由がある。この映画のファンには必読の一冊。
キジネコ

昔の事を云いだすと年寄扱いされそーでやんすが 昨今の日本映画に 奥行きの深さで圧倒する、モノが少ない様に感じます。フィルムの長さと其処から削ぎ落され抽出されたエッセンスに良い意味で打ちのめされる快感が味わえない… それを歳をとったせいにしたくないんでヤンスが…

08/31 06:51
めしいらず

キジさん、ほんとそれー。奥行きどころかほとんどペラ紙一枚…おっと失敬。笑 人気俳優の組み合わせだけ変えて同じ映画やってる感じがいたしますなぁ。町山智浩さんが世界で日本映画だけが市場を内向きに閉じて行ってて退行してるって憂いていました。お隣の韓国映画はあんなにレベル高いのに…。

09/02 02:01
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0255文字
ホームズ
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春日さんは、初読み。この本の基は、ネット番組での特集で喋ったものだとか。市川監督の作品だったり、周辺(和田夏十さんも含め)のものを総浚いした1章、2章は、タイトルにもなっている『犬神家の一族』について(作品の中身について触れてる部分もあるので、観てから読んだ方が良いとも言及あり)、3章が石坂浩二へのインタビューという構成。市川監督の拘りも去ることながら、3章で出てくる『細雪』の撮影時のエピソードといい、監督が吉永小百合と一緒に仕事をする関係になってからの失敗とか。
ホームズ

前回の64年の五輪の記録映画の騒動についても触れてるが、政府からも文句が出ていたのには、驚き。

07/10 15:01
ホームズ

基の番組が出てYoutubeにあるようで、暇な時に見てみよう。

07/10 15:04
0255文字
Hidoino
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市川崑監督の半生をザックリと、映画犬神家の一族の解説本として、マニアックというより初心者向けの読みやすい内容だった。
0255文字
ギルヲ
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市川崑監督がアニメーター出身だったとは。驚いたし、画作りなどを考えると腑に落ちるところも。そこにあるものを撮るんじゃなくて、頭の中の画を撮ることの大変さよ(汗)金属の金色と襖の金色の違いをだすために照明に1番時間をかけていたといったエピソードはさすが昭和の巨匠って感じでしょうか。読みながら、アニメーター出身ということで庵野秀明監督を思い出したりもしました。似た悩みがありそう。巻末の石坂浩二氏のインタビューの、「新しい俳優さんは監督の演技指導が通じない」という言葉には、時代が変わったとは言え、嘆きしかない。
0255文字
K.Hajime
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「①市川崑の監督人生」「②なぜ『犬上家の一族』(76年)は面白いのか」「③石坂浩二へのインタビュー・対談」の3部構成。最大の読み所であろう②は、「なぜ本来映画には向かないはずの本格ミステリー映画が成功したのか」という考察で、近年のメディアミックスやら何やら(「震源地」らしきものはここでも角川である)で境界が見えづらくなった「映画」ならではの面白み、つまり映画とは何かを改めて問い直す試みでもある。それこそ面白い映画はネタバレがあってもやはり面白い。
K.Hajime

コメディ・リリーフを投入する事でおどろおどろしい作品世界を中和する(※112頁‐)――この妙は「戦争と父権」が影を落とす市川崑監督版・横溝正史もののテーマに限らず、例えば見応えのある戦争映画に共通する手法でもある。単に凄惨に描くだけなら(それでも「自粛=不謹慎」と比べれば遥かにマシだが)観客の拒否反応に終始して、結局は戦争の観念化をもたらすだけだろう。優れた戦争映画は、戦闘そのものの祝祭感、それに魅了される登場人物、圧倒的な暴力の渦中における人間の生き死にそのものの悲劇のみならず、喜劇も描いている。

09/13 10:29
K.Hajime

これは先述の「中和」の効果もありながら現実の姿でもあるから重層的な表現手法である。/あと実利的な事を付言すれば、本書によって市川崑監督作品のうち、別に観なくてもいいものも分別できる。特に83年『細雪』より後の、公私ともにパートナーだった和田夏十の没後の市川崑は〈沈みゆく日本映画界の『人柱』/93頁〉ということらしい。こんな時期の映画までちゃんと観ている映画史研究家の態度には恐れ入る。

09/13 10:29
0255文字
さき
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映画「犬神家の一族」が大好きで大好きで、原作を読んでもやっぱり映画が好きで、これは!と手に取った本。市川崑監督がどういう監督だったのか、どんな監督人生だったのかを知れた。アニメーション出身だからなのか、画にこだわり続けてくれたからこそあの映像なんだなあ…ありがたや(^人^)それを踏まえて犬神家の面白さを読み解く。どれも納得。さらっと見てしまっていたところにも、とんでもないこだわりがあったことを知れたり、何より石坂浩二自身が語る金田一が興味深かった。
0255文字
TERRY
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竹取物語、確かに凄かった
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ちくわん
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ネタバレ2015年11月の本。「読んでから観るか、観てから読むか」だったかな。横溝正史ブームは小学校高学年ど真ん中。文庫本買ったり、映画館行ったり(獄門島と女王蜂)。特に「犬神家の一族」のあれこれが懐かしくもあり、面白くもあり。やはり金田一さんは、映画は石坂浩二、テレビは古谷一行。坂口良子や川口晶の映画のシーンは今も鮮やかに覚えている。そんな昔の自分の記憶に里帰りできた一冊でした。
0255文字
グラコロ
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全編ずっと犬神家でくるかと思っていたら、半分は市川崑の他の作品のこと。アニメ映画出身、スポーツにまったく興味がないのにオリンピック映画を撮らされて大不評、木枯らし紋次郎でv字回復などの面白エピソードで前半を繋ぎ、さあ、いよいよ犬神家なのに、あれ?これだけ?あとの章の石坂浩二へのインタビューとの重複部分が多い。多くの出演者が故人となってしまった今では難しいだろうけど、それにしても取材力で鳴らしたこの著者にしては、余りにも寂しい内容。がっかり。
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桑畑みの吉
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前半は市川崑の全キャリアを通しての監督論、後半は金田一耕助映画を通しての監督論となっている。吉永小百合は最も批判しにくい現役女優であると思うが、著者は市川崑晩年の評価急落の原因を吉永小百合の起用が始まりであると分析している点が面白かった。私は手塚治虫が映画『火の鳥』について語っているインタビューを読んだことがある。試写会の会場にいた手塚に市川が近づき「失敗作になってしまった」と耳打ちしたと言う内容であった。これだけワンカットに拘るベテラン映像作家でさえ時に迷走してしまう…映画の世界はとても奥深い。
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メザシのユージ
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春日太一さんの市川崑と「犬神家の一族」を読了。読んでる最中から「犬神家の一族」を見たくて堪らなくなった。「そうか、だからこの映画は面白いんだ」と納得。文中に市川崑が吉永小百合と組んだ「細雪」の紹介で吉永小百合を監督クラッシャーと書いていた。なぜ吉永小百合は監督を壊してしまうのか?
0255文字
風鈴
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市川崑を分析した良書です。五社英雄、黒澤明、野村芳太郎の映画と対比して、面白かった。最近の映画の説明過多なシナリオの言及もあり、興味深く読めました。何より作者の真っ直ぐな姿勢が良かったです。
0255文字
牙魔
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吉永小百合批判が最高。普通なら少し忖度して「しかしスターとしてのオーラは云々」とフォローしたくなるとことだが一切ナシ!
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大泉宗一郎
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『犬神家の一族』のような推理小説から文芸作品、マンガの実写化、時代劇、コメディ、ドキュメンタリー、ドラマ、さらにはアニメまで、多様なフィルモグラフィを持つ映画監督・市川崑。そんな彼がどの作品でも一貫した試みがある。それは「モダニズム」。つまり、過去の作品を「現代」のものとして獲得することだった。そのためには情感を排すること、これまでの概念を解体すること、など様々なロジックがあり、その帰結としてあの畳みかけるようなカット割りや、光と影を使った洒脱な映像美があったことを知ることができた。目から鱗の一冊だった。
0255文字
hiroshi
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新書らしいタイトルというか、この一作から溯る格好の一書。とても楽しい。「光」にこだわった市川崑流映像美。
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watarum
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「金田一耕助=天使」説というのは、あれこれ聞いたことがあったんだけど、その辺りが丁寧に解説されていて、読んでいてすごくよかった。犬神家の一族しか見たことないから、ほかの作品も見たいのだよねなあ。
watarum

石坂浩二「監督は金田一を神とか天使のような存在だと言っていました。確かに彼は傍観者だと思うんですけれども、僕はそれだけではないと思う。運命論者なんだ。つまり先祖からの血の流れに起因した事件は、あるところまで行かないと片付かないと思って、金田一はあえて見過ごしている。だから全てが終わってから解答を出す」。なるほどなあ。面白い。

06/09 22:22
watarum

「着物のエロティシズムというのは、そのすぐ下に女性の裸があるというのが分からなきゃいかん。欧米では服をどんどん重ねて着てそこを分からなくなるのがいいんだけれども、日本の着物は上からフッとまとっただけなんだ。だから見ていてゾクっとする。それがいいんだ」。という市川崑の解説がすごくいい。着物を着たときの胸の緩み方がポイントだと。

06/09 22:32
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KBOSN
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最近、犬神家の一族を観て魅了されたので、同書も読んでみました。コマ割りの多さ・要所で描かれるユーモラスなシーン・金田一役の石坂浩二はナレーター役として回すための起用etc、的確に解説されています。
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kuri8655
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NHK『アナザーストーリーズ』で、監督がアニメーター出身であると知り興味が湧いた。〈たとえ実写映画でも「撮る」ものではなく「作る」もの〉という信念。五輪の記録映画や「犬神家」終盤の劇画的なカット割りは、なるほど!そういうことだったのか。金田一耕助を監督は〈天使〉と設定していたが、演じる石坂浩二には葛藤があり、リメイク版では……という逸話は面白かった。石坂さんの声の力に触れた部分も好かった。夫人で相棒だった和田夏十との協働。〈監督クラッシャー〉吉永小百合との因縁。女性には強く出ないタイプの人だったようだ。
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めしいらず
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第1章は監督市川崑の第三者的でクールな視点、スタイリッシュな画作りへの偏執狂ぶりなど、その映画作法をフィルモグラフィから浮き彫りにする。第2章では1976年版「犬神家の一族」が、ミステリ映画としては異例にあんなにも面白い理由を細部から徹底的に解き明かし、コアなファンをも唸らせる。第3章では国民的"金田一耕助"こと石坂浩二氏にロングインタビューし、撮影当時の興味深いこぼれ話を沢山引き出している。中でも氏が目撃した市川崑と盟友黒澤明の雑談が映画ファンには宝物だ。2人の親しい間柄や市川の職人的気質が垣間見える。
hanchyan@まあだいたいなんとかなる

ちょいちょい読み直したくなりますよね!なんつうか、個人的にもう”傑作バイアス”かかってるので(笑)アレなんですが、再読のたびに発見があります。

12/16 00:10
めしいらず

あー、わかります♪ 今読むとあの頃のように楽しめないんじゃないかと心配で、なかなか踏み出せない気持ちもあったりします。でもこれは大丈夫かも(๑˃̵ᴗ˂̵)

12/16 00:15
13件のコメントを全て見る
0255文字
matfalcon
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ネタバレ「ビルマの竪琴」「炎上」「細雪」など多彩なジャンルの名作を撮り続けた日本映画界の巨匠・市川崑。その監督人生をたどり、卓抜な映画術に迫る。「犬神家の一族」徹底解剖、“金田一耕助”石坂浩二のインタビューも収録。
0255文字
damezaemon
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晩年の様子が切ない
0255文字
古泉智浩
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ネタバレ リメイク版も含めて何度か見ているのだけど、けっこう忘れているのでDVDをレンタルして見返して読んだら、映画も含めてとても面白かった。確かに金田一は何もやってなかった。これまで分かったつもりで見ていたけど、けっこう複雑な話でDVDで戻りながら見てやっと分かったところもあった。読み終わったから、改めてもう一度映画を見てみたい。
0255文字
カネコ
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勉強になるなぁなんてかんじで読んでたが、和田夏十が担っていた仕事がすごくて口がアングリ。画面の構成が常にクソカッコよくキマる理由もよくわかった。
0255文字
槇
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■市川崑は金田一耕助を「天使」としてキャラクター設定した。その理由は、金田一を「客観的な視点=中継車のポジション」に置くことで、観客の視点と同一化させて、サスペンスとサプライズを生み出すためだ。金田一を物語の外側に置くことで、石坂浩二のナレーションを生かす効果もある。金田一は事件を「解決」しない。過去からの因業の起承転結を全て犯人につけさせて、それが終わったところで何が起きたか、なぜ起きたのかを観客に報告するのが、金田一の最終的な役割。つまり、金田一は「天使」でありながら「死神」でもあるということだ。
槇

■市川崑による金田一シリーズには、「戦争と父権」というテーマが通底している。父権が戦争により歪な形に変貌し、その理不尽な力によってふみにじられた愛のもたらす悲劇が、その全ての作品において描かれている。父親が何か身勝手なことをして、戦争が起きて社会が一変する中でそのことが浮き彫りになる。そして残された子供たちが、その身勝手の後始末を押しつけられて悲劇的なことをせざるを得なくなってくる。

05/30 21:07
槇

■市川崑は『犬神家の一族』を映像化するにあたって、原作では一気に語り尽くした事件の真相を、分割したシーンの中で徐々に明かしていく構成にした。そのことで、ミステリーとしての興味を最後まで引っ張るのと同時に、各場面にそれぞれエモーションを作り出している。段階を踏み、それぞれ一対一の構図の中で裏側のドラマを語らせていったことで、それぞれの場面で明かされる真相がただの「パズルのピース」ではなく、濃厚な感情を持ったドラマとして観客に突き刺さってくることになるのだ。

05/30 21:07
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0255文字
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市川崑と『犬神家の一族』 (新潮新書)評価76感想・レビュー179