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市川崑、戦中にアニメーション制作に携わっていたんですか!? 劇場版『火の鳥 黎明編』に、実写とアニメの合成のシーンがあったのは、元々アニメの知識がおありだったから…!?(ちなみにこの映画、子供の頃に見たのですが、火の鳥を狙う狩人が火だるまになるシーンとか、蜂に刺されて鼻が腫れあがるシーンとか、穴の底に何年も閉じ込められるシーンとかがあまりにも怖くて、トラウマになりました…。)
更紗蝦さま。コメントありがとうございます。◆そうなんですよ。戦中にアニメーション制作に関わり、ある作品では戦時下で人手がなく、自ら絵コンテ・原画・動画・美術監督(背景)まで1人でこなした短編作品を作ったことがあるそうです。あの「火の鳥」の評価は差し控えますが、市川崑氏の影響も本著を読んだ後では気になるところです。庵野秀明氏の画面手法ですが、確かに色々な作家のそれを混ぜている感は無しとしませんが、市川崑氏のそれも影響を感じずに入られません。殊に本書読破後に、そういう印象を持ちました。
私もソッコー映画見直しました。たしかによく出来てた。
冒頭の金屏風の色までしっかり注目してしまいました。
坂口良子さん、「アイちゃんが行く!」で見て一目惚れ💕憧れのお姉様でした。素敵な方でしたよね。市川昆さんじゃなくてごめんなさい🙇♀️
みゆきさん、こんばんは。犬神家では旅館の娘、獄門島では床屋の娘。主要な役ではないのですが、その存在が張り詰めた緊張感を和らげてくれる。手毬唄に出演できないのを監督がとても残念がったそうです。すごい女優さんだったのですねぇ。
「今日本の娯楽映画の多くは面白くない。その要因は、心情のすべてを語りつくす饒舌な脚本、凡庸なキャスティング、テンポの悪い演出と編集・・・」同感。同時に「映画を取り巻く環境が昔とは全然違う」というのも悲しいかな納得。
「監督クラッシャー」吉永小百合/吉永小百合と組むようになると、ほとんどの監督が駄作を連発するようになり、評判を落としていくー爆笑
読んで見たい本の1冊に入ってます。😅 何せ初めて子供時代1人で映画館で見た記念すべき?作品👍️
あねさ~さん、「犬神家の一族」は良く出来た映画でした。 撮った市川昆も凄い監督でした。 今の映画は「アクション」ばかりですものね。
昔の事を云いだすと年寄扱いされそーでやんすが 昨今の日本映画に 奥行きの深さで圧倒する、モノが少ない様に感じます。フィルムの長さと其処から削ぎ落され抽出されたエッセンスに良い意味で打ちのめされる快感が味わえない… それを歳をとったせいにしたくないんでヤンスが…
キジさん、ほんとそれー。奥行きどころかほとんどペラ紙一枚…おっと失敬。笑 人気俳優の組み合わせだけ変えて同じ映画やってる感じがいたしますなぁ。町山智浩さんが世界で日本映画だけが市場を内向きに閉じて行ってて退行してるって憂いていました。お隣の韓国映画はあんなにレベル高いのに…。
前回の64年の五輪の記録映画の騒動についても触れてるが、政府からも文句が出ていたのには、驚き。
基の番組が出てYoutubeにあるようで、暇な時に見てみよう。
コメディ・リリーフを投入する事でおどろおどろしい作品世界を中和する(※112頁‐)――この妙は「戦争と父権」が影を落とす市川崑監督版・横溝正史もののテーマに限らず、例えば見応えのある戦争映画に共通する手法でもある。単に凄惨に描くだけなら(それでも「自粛=不謹慎」と比べれば遥かにマシだが)観客の拒否反応に終始して、結局は戦争の観念化をもたらすだけだろう。優れた戦争映画は、戦闘そのものの祝祭感、それに魅了される登場人物、圧倒的な暴力の渦中における人間の生き死にそのものの悲劇のみならず、喜劇も描いている。
これは先述の「中和」の効果もありながら現実の姿でもあるから重層的な表現手法である。/あと実利的な事を付言すれば、本書によって市川崑監督作品のうち、別に観なくてもいいものも分別できる。特に83年『細雪』より後の、公私ともにパートナーだった和田夏十の没後の市川崑は〈沈みゆく日本映画界の『人柱』/93頁〉ということらしい。こんな時期の映画までちゃんと観ている映画史研究家の態度には恐れ入る。
石坂浩二「監督は金田一を神とか天使のような存在だと言っていました。確かに彼は傍観者だと思うんですけれども、僕はそれだけではないと思う。運命論者なんだ。つまり先祖からの血の流れに起因した事件は、あるところまで行かないと片付かないと思って、金田一はあえて見過ごしている。だから全てが終わってから解答を出す」。なるほどなあ。面白い。
「着物のエロティシズムというのは、そのすぐ下に女性の裸があるというのが分からなきゃいかん。欧米では服をどんどん重ねて着てそこを分からなくなるのがいいんだけれども、日本の着物は上からフッとまとっただけなんだ。だから見ていてゾクっとする。それがいいんだ」。という市川崑の解説がすごくいい。着物を着たときの胸の緩み方がポイントだと。
ちょいちょい読み直したくなりますよね!なんつうか、個人的にもう”傑作バイアス”かかってるので(笑)アレなんですが、再読のたびに発見があります。
あー、わかります♪ 今読むとあの頃のように楽しめないんじゃないかと心配で、なかなか踏み出せない気持ちもあったりします。でもこれは大丈夫かも(๑˃̵ᴗ˂̵)
■市川崑による金田一シリーズには、「戦争と父権」というテーマが通底している。父権が戦争により歪な形に変貌し、その理不尽な力によってふみにじられた愛のもたらす悲劇が、その全ての作品において描かれている。父親が何か身勝手なことをして、戦争が起きて社会が一変する中でそのことが浮き彫りになる。そして残された子供たちが、その身勝手の後始末を押しつけられて悲劇的なことをせざるを得なくなってくる。
■市川崑は『犬神家の一族』を映像化するにあたって、原作では一気に語り尽くした事件の真相を、分割したシーンの中で徐々に明かしていく構成にした。そのことで、ミステリーとしての興味を最後まで引っ張るのと同時に、各場面にそれぞれエモーションを作り出している。段階を踏み、それぞれ一対一の構図の中で裏側のドラマを語らせていったことで、それぞれの場面で明かされる真相がただの「パズルのピース」ではなく、濃厚な感情を持ったドラマとして観客に突き刺さってくることになるのだ。
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