月刊模型誌「モデルグラフィックス」誌にて、2015年7月号から3か月連続でファインモールド製「F-14Dトムキャット」のキットが≪マガジンキット≫として配布されます。塗装しながら組み立てなければならない飛行機キットなので、雨や高湿度と戦いながら、のんびり愉しんで工作してゆきたいと思います。
お勧めです。メッキの輝き再現は塗装では絶対に無理ですからね。日向さんは新しい最高級のピンセットも有るので是非スキルアップとしてチャレンジしてみてください! ٩(`・ω・´)و"!
ハセガワ製「ミラーフィニッシュ」は、真空中で金属を加熱・蒸発させて「薄い膜」としてフィルムに付着させる「金属蒸着」という技術を使ったシートです。従来のシール式アルミ箔のようにシワになったり、作業中に敗れるといったアクシデントはほとんどなく、メッキな輝きも鮮やかです。25ミクロン(25/1000mm)という極薄フィルムは塗装被膜に匹敵する薄さ。カーモデルのメッキの補修にも十分使えます。使用した感想としては使用感、、効果、仕上がりから見ても定価の¥1000は決して高くないと思います。
主脚のディテールに「墨入れ」を行います。エナメル系塗料の黒と茶を半々に混ぜて、専用の溶剤を加えて8倍ほどに薄めて塗料をパーツのモールドへ面相筆を使って塗布すると、「毛細管現象」でモールドに沿って「墨」が流れて行き、モールドの凹凸が鮮明になって立体感が出ます。2時間ほど乾燥させてから綿棒にエナメル専用溶剤を付けて余分な墨をふき取ります。
主脚を塗装して乾燥したら、ショックアブソーバーのダンパーのメッキ部分を再現します。通常はシルバー系の塗料を使って塗装される部分ですが、塗装ではメッキされた輝きが再現できません。ココはハセガワから発売されている「ミラーフィニッシュ」を使って再現しました。メッキ状の極薄の特殊のフィルムは伸縮性があり、シワになりづらく、塗装では表現できない輝きのあるメッキ再現が出来る優れものです。デザインカッターで切り出して、ピンセットを使って丁寧に貼りつけます。
さて、ここからは戦車模型の要領でパネルラインに沿ってエアブラシを極細に絞って暗いグレーを『描いて』行きます。日本での飛行機モデル製作の「流儀」では、あまり使われていない塗装法ですが、機体ディテールに色のグラデーションを加えて立体感を与える目的の塗装での「スケールエフェクト」の一つです。最近では「スケールアヴィエーション」誌の作例で良く目にしますよね。
機体のディテール(形状)に沿って、へこんでいる所や奥まった部分はエアブラシ塗装では塗料の霧が風圧によって届かない「ダウンウォッシュ」状態になります。この場合、コンプレッサーから供給されるエア圧を下げるか、エアブラシ本体の「風力調整弁」機能の憑いた機種を使って風圧を下げて「ダウンウォッシュ」が起こらないようにして、塗りにくい部分を先に塗装して行きます。
ほぼ組み上がった機体の下地塗装を行います。まずは機体の胴回りの塗装から始めます。飛行機のキットは繊細なモールド(彫刻)を生かすためにサーフェーサー(下地剤)を使わずに「下地色」を塗布して充分な乾燥時間を置いて本塗装前の「下地」とします。着色が目的ではないので、溶剤を含有量を多めに設定して薄く5~6回塗り重ねて均一な塗装被膜を作ることを重要とします。
機首のスペースに合った幅に「鉛板」を切り出してから巻いて機首内部に組み入れします。機首の内径に沿って広げるように形を整えれば、接着剤などで固定する必要もありません。
ボルトやナットを入れて瞬間接着剤などで固定する手間も無く、機首内部で広げればガタ付きも起こらないので、非常に効率的です。
機首に重りを入れる場合は「決して入れすぎて重くしすぎない事」が大切です。機首を重くし過ぎると、前主脚に重さの負荷がかかり、そのストレスで何かの衝撃が加わると強度が低下して折やすくなってしまいます。
バラストを入れる場合も慎重に。ちょっと前方に重心位置があるくらいがち丁度良いでしょう。
飛行機プラモの重心バラストに重宝する「板鉛」。釣り具の浮きおもり加工用に使用する極薄の板状の鉛です。カッターで好きな状態に切ることが出来、曲げ加工も容易です。私は1/35スケールの兵隊フィギュアのベルトや銃のストラップ(スリング)を自作する時に使っていますが、飛行機キットにもバラストとして重宝しています。釣具屋さんで購入することが出来ます。
主脚パーツが乾燥したなら、一度設置させてみて、機体が「尻もち」を突かないかを確かめておきます。機体の重心位置が後方にある場合は機首にバラスト(おもり)を入れるなどして対処しておく必要があります。
ランディングギアの接着位置を仮組して接着位置を十分に確かめておきます。特に車輪の向きや角度に注意を払い、完成後にタイヤの向きが全て揃い、ガタガタにならないようにしておきます。主脚はパーツのみを接着しておき、主脚は塗装作業終了後に機体に取り付けます。
飛行機プラモを着陸態勢で組み立てる場合、ランディングギア(着陸脚)は細かいパーツの組み合わせの工作になります。また、塗装作業を終えてから組み立てると、塗料被膜が邪魔をして接着面の乾燥時間も長くなり、強度が得られ難くなってしまいます。
主脚は細く、小さなパーツで構成され、完成後は機体を支える重要な個所でもあるので、私は予め基本パーツを組み立て、接着剤を十分に乾燥させて強度を確保してから塗装作業を施し、機体に取り付けるようにしています。
ひたすら小物パーツの下地処理を行います。組み立て説明書に記載されていない極小パーツを除いて、主脚カバーや外装品のゲート処理やヒケ、タイヤパーツのパーティングライン消去を丁寧に処理して、紛失しないように保管。天気の良い日に一気に塗装しておくことで作業効率を高めます。
ミサイルのディテールアップ。AIM-54フェニックスは排気ノズルが別パーツになっていますが、、AIM-7スパロー、AIM-9サイドワインダーは、パーツの射出成型設計上ノズル部分が再現されていません。資料を視ながらピンバイスを使ってノズル部分に穴あけ加工を施します。完成後、後方から見ると結構アクセントになり、また、かなり目立つ部分でもあるので是非行っておきたい工程です。
武装パーツセットはAIM-54フェニックスミサイルのみ3パーツ、夜間低高度赤外線航法・目標指示システムのAN/AAQ-13「ランターン」はパイロンを含む5パーツの構成で組み立て工作を行い、AIM-7スパロー、AIM-9サイドワインダーは一体成型なのでパーティングラインの処理だけになります。
機体が完成して塗装終了までの間、夏場の高温多湿はデカールの大敵。デカールの保存は食品冷凍保存用のフリーザーパック「ジップロック」に入れて保管。これなら大丈夫。ただし、乾燥材はデカールが印刷されているベースのスチロールフィルムを劣化させるので、一緒に入れては絶対にダメ!←ココ要注意。
デカールを入れた後、余分な空気を抜いて、しっかり封をしておくだけでOK
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