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漢詩文同好会

漢詩文と日本の文芸作品の関連について
トピック

零水亭
2021/08/30 20:48

論語・千字文の入ってきた昔から、平安時代の源氏物語、…江戸、明治、大正、昭和、…の小説・詩歌・随筆などに漢詩文は多数引用されて来ました。

例えば、芭蕉「奥の細道」には李白「春夜桃李園に宴するの序」、杜甫「春望」詩等が引用されています。例えば、夏目漱石「坊っちゃん」にはうらなり君の送別会で何かの七言詩が引用され、同じく「草枕」には漱石自身の詩が引用されています(漱石は死去間際まで平仄を揃えるのが難しいとされる七言律詩作りを日課にしていました)。森鷗外、中島敦の作品にも漢籍は不可欠です。

特に縛りはないですが、近世、近代の随筆・小説などについて、思いつくものを気軽に挙げてみて下さい。
鯱張ることはなく、「そういえば、アレは◯✖️からの引用じゃないか?」とかつぶやいて頂ければいいのです。何か、新たな発見があるかも知れません…

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零水亭
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【面白そう(僧)なエピソード】絶海中津(1334-1405。室町時代初期に京都で活躍した臨済宗の禅僧。漢詩人としても一流)。明治書院の新釈漢文大系45『日本漢詩 上』によると、1384年に足利義満に睨まれて摂津に逃げていた時、唯一持っていたのが経典でなく『杜工部集』(唐の詩人・杜甫の詩集)だったそうです…💦💦

零水亭
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(続き) そして、阿房宮が結局灰燼に帰したように、小説のラストでは(稲葉家ではないですが)火事とそれを契機に大事件か起きます。

零水亭
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泉鏡花「日本橋」← 杜牧「阿房宮賦」 
第十二章で羽振りのいいお孝さん(芸妓)が引っ越して来る箇所「すぐに引越し蕎麥を大蒸籠で配ったのが、微醉(ほろよい)のお孝であった。……抱妓(かかえ)が五人と分(わけ)が二人、雛妓(おしゃく)が二人、それと臺所と婢の同勢、蜀山兀として阿房宮、富士の霞に日の出の勢、紅白粉が小溝に溢れて、羽目から友禅がはみだすばかり、…」←杜牧の阿房宮賦の「蜀山兀として阿房出づ」「渭流のあぶら(にくづきに貳)を漲らすは脂水を棄つるなり」を引用し、そこに日本の風物を組み合わせています。

零水亭
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自分が最近読んだ中では、泉鏡花「日本橋」でダブルヒロイン(二人とも芸妓さん)の一人、お孝さんが羽振りのいい頃に引っ越しをする時の描写(岩波文庫本35ページ)が杜牧「阿房宮賦」を引用して更に調子良く仕上げていました。更に阿房宮賦と同じく「日本橋」でもクライマックスで火事が起きるのです(今、手元にないですが、いずれ引用しますが、)「東海道中膝栗毛」「雨月物語」が愛読書とされる鏡花が漢籍の知識をサラッと小説に組み込む妙技に驚嘆しました。

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