平安時代「ふみは文選、(白氏)文集」、鎌倉時代以降五山文学を介して『三体詩』、江戸中期荻生徂徠・服部南郭の紹介で『唐詩選』が大流行、江戸後期は清新派の流行というのが、日本文学史における漢詩受容の大筋と思いますが、それはそれとして…
あなたのおススメの詩集を教えて下さい。また、入門書として優れているものを教えてください。
詩は(小説と同じく)どうしても好みが分かれるとは思いますが、気軽に挙げてみませんか?何か新しい発見があるかもしれません…
零水亭さん
『杜甫ノート』は、
ズバリ「愛で出来ている本」❗️
これを読むまで、
「あー、杜甫ね、はいはい杜甫杜甫」
みたいに思ってたのが、
愛の力に打ちひしがれました…
それは
吉川博士の杜甫に対する愛だったり
杜甫の生きとし生けるものへの愛だったり
自分の愛の無さが恥ずかしくなりました。
これを読んでなかった自分は
ニセモノの杜甫読みだったなあ、
と思い知ったのでありました。
内藤銀ねず様 『李白と杜甫』楽しみです!『杜甫ノート』は自分も本当にそう思います。新潮文庫に重版の予定がないか確認したところ「ありません」でした。残念です。
吉川先生つながりでは『唐代の詩と散文』(王昌齢の七言絶句3首と韓愈の3篇の詳細な解釈)もありますね。講談社学術文庫版を持っていましたが、こちらも「重版の予定はありません」とのことでした。
内藤銀ねず様 こんばんは。ご紹介ありがとうございます。『杜甫ノート』以外の三冊は自分は未読です(💦)。『私の唐詩選』『中国文学における孤独感』はいつか読みたいと思っていました。『李白と杜甫』は知りませんでした。自分はお小遣いが乏しいので、図書館で探してみます😊
吉川幸次郎『杜甫ノート』(新潮文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4101217017
これを超える杜甫入門は存在しないのではないか、というくらいの名著。
惜しいかな絶版ですが、古本屋で見つけたらとにかく手を伸ばしてほしいです。
高島俊男『李白と杜甫』(講談社学術文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4061592912
李白と杜甫が、中国文学史の中でいかに異端で、
異端のまま「詩仙」「詩聖」と呼ばれてしまう訳は、
この本に全て書かれていました。超オススメ。
斯波六郎『中国文学における孤独感』(岩波文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003318013
この本は本当にびっくりしました。漢字一文字から冷静に自分を見つめる詩人の姿を想像できる著者にリスペクト。
私のオススメ本…
中野孝次『私の唐詩選』(文春文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4167523116
『ハラスのいた日々』で有名な、ドイツ文学者による唐詩エッセイ。
漢学者とはまた違ったアプローチで、日本人による日本人のための唐詩ガイド、というか。
だいだい(橙)さま こんばんは。吉川幸次郎先生は戦後の中国文学研究の第一人者で、全集も出ています(中国共産党推しなのが残念ですが、当時はそれが普通だったようです)。吉川先生の漢詩の書き下し文は少し独特で、音読みより訓読み(「やまとことば」?)重視です、慣れれば抵抗はないですが… 大ファンだった本居宣長の影響だと思います。
だいだい(橙)さん こんにちは。自分が社会人の方にお勧めするのは岩波新書の2冊です。
『新唐詩選』(前編; 中国文学専門家の吉川幸次郎著[杜甫、李白、王維などの盛唐詩人の代表作]/後篇; 詩人の三好達治著[唐詩選に収められている七言古詩、三体詩に収められている七言絶句など])
『新唐詩選 続編』(前編; 吉川幸次郎著[白居易、韓愈の二人の中唐詩人の代表作]/後篇; フランス文学研究家の桑原武夫著[杜甫の五言古詩一篇と白居易の社会詩])
他に『漢詩鑑賞辞典』(講談社学術文庫。石川忠久著)もいいと思います。
このトピックはありがたいですね。私は漢字が苦手ですが漢詩をたしなむようになりたいという野望を持っているものです。
ぜひアドバイスお願いします。
まずは、NHKラジオの漢詩を読む、から始めます♪
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