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Utsuro
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Utsuro
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ネタバレ浜井和史『戦没者遺骨収集と戦後日本』の読後に、ふと思い立ち再読する。 アルバニアにて、自国兵士の遺骨収集の任務に就いた某国(モデルはイタリア)の将軍が、任務のなかでひたすらな重苦しさに取り巻かれていく様を描いた文学作品。 暗い空気が続くなかで、自国兵士の遺骨を掘り起こしていく先に、探し続けた大佐の没地にたどり着くが、抱えてきた重苦しさを払拭しようと地元の結婚式のパーティーに乗り込むが、そこで大佐に家族を破壊された老女から、埋められた大佐の遺骨を突き付けられて困惑し、遂にはその骨を橋の上から川に蹴り落とす。
Utsuro

「死者の軍隊の将軍」になりきれなかった男の物語というべきか。 最後あたりで、将軍と中将との会話にて、あの村での耐えきれない場面と、初期の遺骨収集で、スタジアム側の遺骨収集の傍らで、サッカーをする男性を待つ女性の姿のコントラストさ、それぞれが別モノでありながらもどこか断絶できない組み合わせで、夢見のような後味がある。 それにしても、アルバニアでは海から不幸が来る故に、山や岩壁によじ登りたがる。村に橋がなければ、外国の懲罰部隊による殺戮はなかったとの諸々の独白は、アルバニアの苦さであろう。

11/03 08:40
  • 釣れんボーイ
  • 禿童子
  • ずしょのかみ
  • 眠る山猫屋
Utsuro

「受け取るがいい、お前たちに持ってきてやったのだ。不毛の大地と、そしてどこまでも続く悪天候。」

11/03 08:46
  • 釣れんボーイ
  • 禿童子
  • ずしょのかみ
  • 眠る山猫屋
0255文字
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読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/03(2546日経過)
記録初日
2018/01/08(2541日経過)
読んだ本
954冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
232521ページ(1日平均91ページ)
感想・レビュー
954件(投稿率100.0%)
本棚
14棚
性別
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