アーサー王伝説を背景に5-6世紀のイングランドを舞台にしたファンタジー。竜の吐く息が霧のように人々の記憶を曇らせている世界で、離れて暮らす息子と再会するために旅に出るブリトン人の老夫婦とサクソン人の騎士と訳ありの少年、年老いたガウェイン卿らとの道行き。世界の成り立ちや登場人物の過去が徐々に明らかになっていくのは、「日の名残り」や「私を離さないで」と同じスタイルで、信頼と悔恨と記憶をめぐる物語に明快な答えが得られるわけではない。ガーディアンでは「良心のあるGame of Thrones」と評されたとのこと。