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迦陵頻之急
さんの感想・レビュー

迦陵頻之急
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例えば至って通俗的に書かれた幻想文学がある。超自然的な現象は描くが、登場人物の心理や小説的結末は至極常識的だ。ボルヘスは作品世界そのものが自然を逸脱し、平凡な小説的結末に至らない。まさにその常識的、通俗的な「日常的視点の限界」を描くのが「パラケルススの薔薇」だ。パラケルススの弟子は灰から蘇る薔薇という現象に捕われ、薔薇の不滅性という本質に対して意識が及ばず、それ故に奇跡の目撃が不可能なのだ。ボルヘスを読んで、結末が曖昧で小説的に釈然としないと思ったら、それは薔薇の復活の目撃のみを求めているのと同様である。
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迦陵頻之急
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読書データ

プロフィール

登録日
2023/01/17(802日経過)
記録初日
2023/01/17(802日経過)
読んだ本
246冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
83873ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
187件(投稿率76.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
B型
現住所
兵庫県
自己紹介

なぜ本を読んでいると働けなくなるのか

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