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marty@もぶおん学
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marty@もぶおん学
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ジュブナイルものとしては珍しく、怪獣男爵のような怪人が登場する活劇ではなく、もう少し上の対象年齢を意識した本格ミステリ風味の作品である。作中年代も昭和33年10月と明記されている。嵐の中、金田一耕助が三浦半島の外れに建つ竜神館を訪れ、ワケありな住人たちの秘密に巻き込まれていく……という展開は良いのだが、他の感想でも散見されるように、その結末は必ずしも後味の良いものではない(対象読者を考えればなおさら)。本格風味のジュブナイルというコンセプトは良いので、他にも何作品か同じような路線のものを読んでみたかった。
marty@もぶおん学

所収作「片耳の男」は貧窮の中、発明に勤しむ兄とそれを支える妹(「ビーナスの星」でも似たような兄妹がいた)のもとへ毎年贈り物が届く謎を描く。「動かぬ時計」も母親不在で父親とつましい生活を送る少女のもとに正体不明の贈主から立派な金時計が贈られるお話。こちらはミステリと言うよりは文学的余韻の残る短編である。いずれの作品にも金田一耕助は登場しない。

03/20 16:10
  • yabuhibi89
  • KAZOO
  • 夜間飛行
  • 魅乃乎minoco19860125
0255文字
全1件中 1-1 件を表示

marty@もぶおん学
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読書データ

プロフィール

登録日
2014/06/15(3940日経過)
記録初日
2014/07/27(3898日経過)
読んだ本
335冊(1日平均0.09冊)
読んだページ
124182ページ(1日平均31ページ)
感想・レビュー
335件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
外部サイト
自己紹介

ミステリや歴史関係を好んで読みます。

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