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Utsuro
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Utsuro
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ネタバレ アリストテレスの哲学について、倫理学、自然科学、魂、形而上学を主なトピックにして、解説する内容となる。  一読して、やはりアリストテレスの難しさは、デカルトの心身の二元論のように物事を分けて考えるのではなく、分けずに一つのものとして考える一元論的な捉え方に依るものであることを再認識する。  その一元論的な探究において、どのような思考を展開しているのか、その展開に乗るのが始めの一歩となる。それゆえに、形而上学の章は、解説の段階ですでに難解となる。  あと四原因説(素材因、形相因、始動因、目的因)は、
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難しいながらも、何回も接していく他はない。それにしても形相因と目的因の紙一重さ(家であれば、前者は「風雨から身を守るもの」、後者は「風雨から身を守るため」)は、率直に面白い。  読後に、人類学と民俗学の霊魂研究にて、前者に二元論的な向きを、後者に一元論的な向きを、それぞれ受けることを改めて思う。おそらく他の学問のジャンルにおいても、そうした向きの違いがあるだろう。  物事を捉える際に分かちすぎて考えがちと思った際には、振り返ってみたい導きの1冊である。

09/14 14:59
  • れどれ
  • 眠る山猫屋
  • Hiroshi
  • Toska
  • 禿童子
0255文字
全1件中 1-1 件を表示

Utsuro
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読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/03(2543日経過)
記録初日
2018/01/08(2538日経過)
読んだ本
954冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
232521ページ(1日平均91ページ)
感想・レビュー
954件(投稿率100.0%)
本棚
14棚
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