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急性人間病
さんの感想・レビュー

急性人間病
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ネタバレ“透明“な共同体における”不透明”への忌避と、個人が持つ“不透明”同士の相互破壊性について、主に作中の不倫・妾の構図から紐解く多田道太郎の解説が興味深いが、私としては「遭難」と「天城越え」におけるナラティブ上の試みが捉えている“不透明”さにこそ最も惹かれた。特に“市井”を描いた三人称の作品群と比して「天城越え」の思春期の視線が持つ眩しさは、思春期を部分的に隠蔽してしまう中老の視点と、その合間に挟まれた客観的な捜査記録のなかで、最大の効果を発揮している。
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急性人間病
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読書データ

プロフィール

登録日
2012/06/09(4675日経過)
記録初日
2012/02/04(4801日経過)
読んだ本
1171冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
393930ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
373件(投稿率31.9%)
本棚
22棚
血液型
B型
職業
IT関係
外部サイト
URL/ブログ
https://watchingorreading.hatenablog.com/
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