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關 貞浩
さんの感想・レビュー

關 貞浩
新着
ひどい親父だ。だが、遠馬のことはかわいいのだろう。野放図なその生き方は、人の姿をした虫か獣のよう。都市化される直前の集落“川辺”を舞台に、父と子を突き動かす性衝動が、生命と時間が渾然一体となった輪廻を描いていく。義手を外した右腕の火傷の痕、刻まれた炎の姿を見つめる仁子さんが印象的。自分の血管を流れる父親の血を忌みながらもどこか醒めている遠馬。大雨の中、ドブ川で捕まえた鰻、排水溝に流した精液の混じり合う汚水のような濁流を、自分の中に感じたのかもしれない。肉体の成長と困惑、精神とのアンバランス感の描出が巧み。
0255文字
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關 貞浩
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読書データ

プロフィール

登録日
2015/12/24(3381日経過)
記録初日
2015/11/01(3434日経過)
読んだ本
220冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
68005ページ(1日平均19ページ)
感想・レビュー
220件(投稿率100.0%)
本棚
2棚
性別
血液型
A型
現住所
千葉県
自己紹介

 学生時代の友人のすすめで読書メーターをはじめました。このおかげで昔読んだ小説を再読して感想を書いたり新しい情報を仕入れたりと、読書にプラスアルファの楽しみが増えました。

 せっかく読んだ本の感想はできるかぎり書いていこうと思います。ナイスをくださった方がどんな本を読んでいるかのぞかせていただくこともありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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