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少年の頃母親に連れられていくつも見たアメリカのハリウッド映画に魅せられたからかプイグはブエノスアイレスの大学を出た後、映画の勉強の為にイタリアへ留学、その後デ・シーカ、ルネ・クレマンなどの下で映画監督の道を歩み始めるが、文学へと転向・・・物語はニューヨークのホームに療養の車椅子の老人ラミーレスと彼を週3回パートタイムで散歩に連れて行く青年ライリとのやりとりが・・・「蜘蛛女のキス」と同様のプイグの真骨頂とも言うべき文体でテンポ良く進む。
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読んでいくとラミーレスは国際人権擁護局によってアルゼンチンからこのニューヨークのホームに来たことがわかる。また彼は殆どの記憶を失っているようで、現実感を取り戻したくかライリに様々な質問を浴びせる。それにライリが時には嫌々、時には嘘を、時には楽しかった人生、辛かった人生を語って行き、読者はライリを知るようになり、ラミーレスの過去も知るようになる。また読者はそのやりとりが深まって行くと現実か妄想か真実か虚偽かも分からなくなったり、そしてラミーレスの死で終わるのだが・・・不思議な感じで心にひびく本だった。

04/05 16:01
  • 市太郎
  • kaho
0255文字
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/09/16(2384日経過)
記録初日
2018/09/27(2373日経過)
読んだ本
135冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
43578ページ(1日平均18ページ)
感想・レビュー
131件(投稿率97.0%)
本棚
13棚
性別
URL/ブログ
http://peppers-project.com
自己紹介

2018年、昨年秋から時間の余裕が生まれ、まとまった読書と、その記録として読書メーターをはじめて3ヶ月余り。・・・
幼年期の読書は世界に驚き、少年期の読書は世界に目覚め、青年期の読書は世界との関わりを模索し、中年期の読書は、あるいは疲れる世界との関わりを癒やすとして・・・老年期の僕の読書は、それぞれの時期に世界とどう関わってきたか・・・読んだ本、読まなかった本・・・を・・・あらためて読書しながらアーカイブして行こうと読書とその記録として読書メーターを始めました。

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