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「ぼくの場合、書くという行為はその積算の中心点に向かって際限なく吸い込まれていく作業のような気もする。ブラックホールの迷宮に落ち込んで行く感じだね。」安部公房・・・僕は半年以上にわたって安部公房を処女作「終わりし道の標ぺに」1948年から時系列で読んでいるが、原稿用紙三百枚の「箱男」では三千枚を捨てたと言う。「密会」も「箱舟さくら丸」も数年かかっている。たくさんの筋書や結末が自身のブラックホールに渦巻いて、安部公房がその迷宮のなかで拾い上げては捨て、拾い上げては捨てている情景が浮かぶ。息苦しさとともに。
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この本の主題は時事的なエッセイや対談集だが、ただ35年後の今読むとこの時代はこんな考え方をしていたのだなという感じくらいで、逆に対談の途中で自信たっぷりに話す間の、ふともらしたような言葉が1950~60年代にあれほど果敢に書きまくっていた安部公房も書けなくて苦しんでいたのかなと僕の心にくい込んだ。

11/23 17:41
  • えも
  • 市太郎
  • kaho
0255文字
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hiro
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/09/16(2384日経過)
記録初日
2018/09/27(2373日経過)
読んだ本
135冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
43578ページ(1日平均18ページ)
感想・レビュー
131件(投稿率97.0%)
本棚
13棚
性別
URL/ブログ
http://peppers-project.com
自己紹介

2018年、昨年秋から時間の余裕が生まれ、まとまった読書と、その記録として読書メーターをはじめて3ヶ月余り。・・・
幼年期の読書は世界に驚き、少年期の読書は世界に目覚め、青年期の読書は世界との関わりを模索し、中年期の読書は、あるいは疲れる世界との関わりを癒やすとして・・・老年期の僕の読書は、それぞれの時期に世界とどう関わってきたか・・・読んだ本、読まなかった本・・・を・・・あらためて読書しながらアーカイブして行こうと読書とその記録として読書メーターを始めました。

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