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2025年1月の読書メーターまとめ

カリスマ
読んだ本
5
読んだページ
1842ページ
感想・レビュー
5
ナイス
151ナイス

2025年1月に読んだ本
5

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

カリスマ
圧巻だった。同性愛者の男性の生殖機能目線から描かれた物語だが、内容は性問題に留まらず、人間の幸福・共同体感覚・資本主義社会をはじめとした人間社会の限界など多方面にわたり、同性愛の視点からここまで広げることができる著者の視野の広さに感服した。それと同時に、これまでの自分の視野の狭さにも気付かされる。「正欲」と同様に、著者の文章が我々読者に深く突き刺してくる。帯の金原ひとみさんのコメント通り、この先人間について考えるときは、この小説で描かれた根源的な視点は必ず過ってしまうだろう。とにかくすごい一冊だった。
カリスマ
2025/01/12 21:24

「そもそも同性愛個体同士が婚姻関係を結ぶために、どうして異性愛個体の許可が必要なのでしょう。異性愛個体同士の結婚に同性愛個体は賛成も反対もしていないのに。そんな余地もないのに。」 「だから、どんな達成にも完了にも首を横に振って、"今よりももっと"を常に続けるほうを選んで、意味や価値がある社会的動物でいなきゃ、新たな生産性のために自分を新商品化しなきゃで、いつもいつまでも成長成長成長の呪いのもとで"次"を見つけるために背筋を伸ばし続けているんじゃないかなって」

カリスマ
2025/01/12 21:40

「幸福度の基準が異なる。それは、生きる世界が変わるということです。」共同体感覚が個人の幸福度に影響するという話があったが、どんな共同体にもその拡大、発展、成長にはいずれは限界があり、皆うすうすそれに気がついているがもう止まれない。今現在会社などの共同体に所属していて、貢献のために仕事を頑張っている人や自身の成長のためにいとまがない人は、この本を読むと冷めてしまうかもしれない。変に考え込んだりしないので、そのまま突っ走れるなら突っ走った方がいいと感じた。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
5

カリスマ
小説をもっと面白く読めるようになりたくて読んだ一冊。著者の小説の読み方は作家ならではの目線で、「登場人物の気持ちを想像しよう」だけではなく、そのための方法論や小説について理論的に説明してくれた。特に、主語充塡型とプロット前進型の述語があり、矢印の方向がどちらに向いているのか。これを意識するだけでもかなり変わりそう。「個々の登場人物は、その世界観や思想を彼らの言動を通じて体現しており、彼らがくっついたり、離れたりと、複雑に絡み合いながら、自身の分人の構成とその比率を変化させ続けてゆくのが小説である。」
が「ナイス!」と言っています。
カリスマ
再読。人間のエゴイズムと、善人が故に抱いてしまう良心の呵責や罪悪感を抱えながら生きていくことの孤独を描いた作品。「自由と独立と己れに充ちた時代」のはじまりである明治〜大正に描かれた作品だが、その延長線上にある現代を生きる我々にも先生の内面的葛藤は深く通じるところがある。叔父に裏切られたことにより他人を信用しなくなった先生が、自らのエゴにより親友を裏切ってしまい、自他含めた人間すべてが信用できなくなってしまう。先生はあまりにも優しすぎたのだろう。遺書による先生の独白は読んでいて心が辛かった。
カリスマ
2025/01/22 01:11

「そうして漲る心臓の血潮の奥に、活動々々と打ちつづける鼓動を聞いた。」 「その倫理上の考は、今の若い人たちと大分違ったところがあるかも知れません。然しどう間違っても私自身のものです。間に合せに借りた損料着ではありません。」 「私は冷やかな頭で新しいことを口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています。血の力で体が動くからです。」 「私の眼は彼の室の中を一目見るや否や、あたかも硝子で作った義眼のように、動く能力を失いました。」

が「ナイス!」と言っています。
カリスマ
又吉さんにとっての「読書とは何か」が凝縮された本。紹介されていた中で何冊か同じものを読んでいたが、又吉さんは小説1つでこんなに楽しめるのかと驚いた。同時に、自分の感想が浅いことも自覚したが、自分は日常生活でも鈍感な方である自負はあるので、やはり読み方も鈍感だったのかなと痛感。「どうせ読むのなら、楽しむという指標において、本+自分の読み方の総合点では誰にも負けたくないです。誰よりもおもしろく読みたい。」本書の中で1番印象に残った文章。「読み方の総合点」の考え方を大事にしてこれからもたくさん本を読みたい。
カリスマ
2025/01/16 00:36

又吉さんの創作に対する姿勢や向き合い方、太宰や芥川などの文豪、そして現在も活躍している現代作家さんたちへの気持ちも書かれていてとても面白かった。太宰や芥川に個人的な願望を述べているあたりとか、本当に好きなんだなと。

カリスマ
2025/01/16 00:41

「「共感できない」という言葉で、その作品を規定しない方がいいと思うんです。むしろわからないことの方が、自分の幅を広げる可能性があります。」 「作者は意図を持ってその描写、表現をしています。僕達読者はそれを面倒くさいと思ったらもったいない。」

が「ナイス!」と言っています。
カリスマ
圧巻だった。同性愛者の男性の生殖機能目線から描かれた物語だが、内容は性問題に留まらず、人間の幸福・共同体感覚・資本主義社会をはじめとした人間社会の限界など多方面にわたり、同性愛の視点からここまで広げることができる著者の視野の広さに感服した。それと同時に、これまでの自分の視野の狭さにも気付かされる。「正欲」と同様に、著者の文章が我々読者に深く突き刺してくる。帯の金原ひとみさんのコメント通り、この先人間について考えるときは、この小説で描かれた根源的な視点は必ず過ってしまうだろう。とにかくすごい一冊だった。
カリスマ
2025/01/12 21:24

「そもそも同性愛個体同士が婚姻関係を結ぶために、どうして異性愛個体の許可が必要なのでしょう。異性愛個体同士の結婚に同性愛個体は賛成も反対もしていないのに。そんな余地もないのに。」 「だから、どんな達成にも完了にも首を横に振って、"今よりももっと"を常に続けるほうを選んで、意味や価値がある社会的動物でいなきゃ、新たな生産性のために自分を新商品化しなきゃで、いつもいつまでも成長成長成長の呪いのもとで"次"を見つけるために背筋を伸ばし続けているんじゃないかなって」

カリスマ
2025/01/12 21:40

「幸福度の基準が異なる。それは、生きる世界が変わるということです。」共同体感覚が個人の幸福度に影響するという話があったが、どんな共同体にもその拡大、発展、成長にはいずれは限界があり、皆うすうすそれに気がついているがもう止まれない。今現在会社などの共同体に所属していて、貢献のために仕事を頑張っている人や自身の成長のためにいとまがない人は、この本を読むと冷めてしまうかもしれない。変に考え込んだりしないので、そのまま突っ走れるなら突っ走った方がいいと感じた。

が「ナイス!」と言っています。
カリスマ
村上龍の代表的作品。コインロッカーで生まれたハシとキクが自分達の「生」を爆音で響かせる物語。読みやすい方ではないし、内容も難解な部分があるが、生きることへのエネルギーを貰える作品。乳児院から物語は始まるが、ガゼル・ダチュラと出会い、学生時代を過ごした長崎や、ハシとの再会、ミスターD・アネモネとの出会いで二人のその後を決定づけた東京など、物語的展開が豊富で、非常に重厚な作品だった。歌を歌うハシと跳ぶキク、それぞれ方法は違えど自分という生を響かせる。自分はどんな生を響かせたいのだろうと考えさせられる一冊。
カリスマ
2025/01/11 14:37

「キクは鮫の緑色の血の中で2つのことを知った。死に抗うのを止めると体から苦しさが消えること、心臓の鼓動が聞こえる間は諦めずに苦しさと戦い続けなければいけないこと、の二つだ」 「何一つ変わってはいない。誰もが胸を切り開き新しい風を受けて自分の心臓の音を響かせたいと願っている。渋滞する高速道路をフルスロットルで走り抜け疾走するバイクライダーのように生きたいのだ。」 「生きろ、そう叫びながら、心臓はビートを刻んでいる。筋肉や血管や声帯がそのビートを忘れることはないのだ。」

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/07/07(2053日経過)
記録初日
2019/06/22(2068日経過)
読んだ本
278冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
89014ページ(1日平均43ページ)
感想・レビュー
276件(投稿率99.3%)
本棚
0棚
自己紹介

社会人一年目です

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