図書館本、初読作家。ホームレスの老女を殺害した犯人は１８年も引きこもった生活を送り、父親も刺し殺したと自供する。事件を追う女性刑事・奥貫綾乃は我が娘に愛情が持てず離婚した過去がある。孤独な彼女は、殺された老女に自分の未来を重ねてしまう。被害者の身元を捜査していくうちに見えてくる犯人の絶望や、自身の後悔。日本社会の失われた30年を辿りながら、誰もが陥ったかもしれない絶望の人生が描かれる。身につまされた。

図書館本、この著者はじめて？と思いながらも何処かで見覚えが・・・と検索していたら、あった、思い出した｢架空論文投稿計画｣。あの時もぶっ飛んだ発想に驚いたが、今回も科学知識に裏付けられた突拍子もないアイデアとユーモアで楽しませてもらいました。私に科学知識はありませんが･･･(^_^;)

図書館本、初読作家。TIMERをつけることで90歳の前日まで健康に生きることができることが夢のような話。ただ自分の意思と覚悟で装着したのに死期が近づいて来ると恐くてTIMERを外して不老不死を手に入れようとするものも出てくる。そこにつけこむ闇業者も当然出てくるだろう。TIMERにより、国の超高齢社会に対する費用削減効果もあったようだが、やはり禁断の装置のように思う・・・。将来、自分で寿命を選べる社会が来たらどうするだろう？色々な条件や環境･背景で選べるもの選べないものの格差がまた問題とならないだろうか？

先日ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンの作品を読みたくて図書館のホームページで検索。ヒットした一冊を借りてみたミーハーな私。読んでみて、ひきこもりにも色々な形態があり興味深くおもしろく読んだ。恋人がいるのに一人でいたいカフカには驚いた。お目当てのハン・ガンの作品は、妻が植物になる夢を見そうで冷や汗もの。コロナ禍でひきこもらざるを得なかった時期も、仕方ないと諦めたら、普段のしがらみから解放された感もあり、それはそれでよかったと今になって思うことも。ひきこもりに嵌まりそう･･･(^o^;

図書館本、２０２０年３月、精神科病院「神出病院」の看護師らが患者への虐待容疑で逮捕された事件とその背景に迫るルポルタージュ。本来 患者の健康と命を守る病院で想像を絶する悲劇･･･と思って読みはじめたが、これは氷山の一角、精神病院に限らず日本の病理の凝縮。あらゆる組織で会社や学校で集団で、ちょっとしたことをきっかけに、弱者に向けられた暴力は歯止めなくエスカレートしていく可能性がある。直接関わらなくても見て見ぬふりをして、間接的に加担してしまう。自分の弱さに向き合い肝に銘じたい。

図書館本、初読作家。ホームレスの老女を殺害した犯人は１８年も引きこもった生活を送り、父親も刺し殺したと自供する。事件を追う女性刑事・奥貫綾乃は我が娘に愛情が持てず離婚した過去がある。孤独な彼女は、殺された老女に自分の未来を重ねてしまう。被害者の身元を捜査していくうちに見えてくる犯人の絶望や、自身の後悔。日本社会の失われた30年を辿りながら、誰もが陥ったかもしれない絶望の人生が描かれる。身につまされた。