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2024年10月の読書メーターまとめ

ちゑ
読んだ本
11
読んだページ
3903ページ
感想・レビュー
11
ナイス
498ナイス

2024年10月に読んだ本
11

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ちゑ
ネタバレそうだったそうだった!「〜しますでしょ」…ヒトを小馬鹿にした口調で周囲を苛立たせてはヒャヒャヒャと笑うスズキタゴサク。このイヤ〜な感じを瞬時に思い出した。今度の舞台は東京地裁。タゴサクの裁判を占拠するなんて身の程知らずな奴もいるもんだ。犯人も一回我らのタゴサクの真の姿を思い知るがいい。前作の訳知り顔の禅問答みたいな会話はなりを潜め、減らず口に聞こえて笑える言葉の応酬が心地よい。人を殺傷する爆破事件を扱い〈爆弾2〉とはいえ、娯楽作品として一段上がった感があり、ニヤリと笑える作品に変化したように思う。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

ちゑ

涼を求めてうろついた9月。長野県にある個人所蔵の藤田嗣治作品だけを展示した安東美術館に行ってきた。安東夫妻のお宅に招かれたような感覚になるその空間の居心地のよさったら!こんな所のソファーに座って一日中心穏やかに読書がしてみたい。9月の本は万遍なくあれこれと。 2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4154ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1076924/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
11

ちゑ
ネタバレ10代の頃の一人旅、行き先は倉敷。定番の大原美術館を訪れると、棟方志功の作品ばかりを集めた館があった。本館よりそちらの方に魅せられたのを覚えている。マハさんの棟方志功は、力強くて一途でキュート。版画作品から受けた印象とほぼ同じだ。彼を支える妻チヤの目線で描かれるムナカタを親近感をもって楽しみ、毎夜チヤさんの磨る墨があの作品群の中に息づいていることを知ると一枚一枚にいっそうの温もりと気迫を感じるようになった。性別は超越しているけれど表紙の須菩提と文殊菩薩が棟方志功とチヤさんのように見えてくるから不思議だ。
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ちゑ
ネタバレそうだったそうだった!「〜しますでしょ」…ヒトを小馬鹿にした口調で周囲を苛立たせてはヒャヒャヒャと笑うスズキタゴサク。このイヤ〜な感じを瞬時に思い出した。今度の舞台は東京地裁。タゴサクの裁判を占拠するなんて身の程知らずな奴もいるもんだ。犯人も一回我らのタゴサクの真の姿を思い知るがいい。前作の訳知り顔の禅問答みたいな会話はなりを潜め、減らず口に聞こえて笑える言葉の応酬が心地よい。人を殺傷する爆破事件を扱い〈爆弾2〉とはいえ、娯楽作品として一段上がった感があり、ニヤリと笑える作品に変化したように思う。
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ちゑ
ネタバレルワンダにあるカトリックの寄宿制女子校『ナイルの聖母学園』。表面上は女性エリートの養成を謳うが、実のところはルワンダの裕福な家庭の娘たちが、一族の生活の安定やより豊かな暮らしを求めて、女性のたしなみ(!)を学ぶ場だ。閉鎖的で大人から刷り込まれた思想が蔓延する学園内のエピソードに、小国の文化が見え隠れする。意地悪な娘が扇動するツチとフツの民族間のいがみ合い、呪術への傾倒、白人教師や地域住民との微妙な関係…ここで気づく。この物語を隅々まで拡張するとルワンダの虐殺なのだ!ジェノサイドのあらましがわかる良作。
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ちゑ
ネタバレインタビュー形式の小説は、みんなが好き勝手なことを言い放題でイライラするから好きじゃない。これも案の定だと思ったら…。女子高生失踪事件をリアルタイムで報道するテレビ番組が制作された10年前。全米を震撼させたあの出来事はいったいなんだったのか、今、真相をお話しましょう!──てな感じで26人の事件関係者の証言だけを連ねていくだけなのに、スピード感のある見事なスリラーが完成してしまった。女子高生の家族に密着した番組の介入によってねじれていく当事者たちの思惑や、気を衒った証言者のチョイスが新鮮で面白かった。
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ちゑ
ネタバレ『光秀の定理』のトリオ再び。戦に勝つためには資金が必要だと考える上洛後の織田信長が〈武田の湯之奥金山・毛利の石見銀山に潜入し、産出量記載の台帳を確認せよ…〉と明智光秀に命じたことから始まる物語。今作は光秀の友垣/愚息や新九郎に土屋十兵衛長安が加わっての金銀鉱山調査の珍道中。戦や胸熱シーンがなくて少し物足りないけれど、史実に巧く埋め込まれた彼らに戦国の世の資金繰りについてリアルに語らせても、嫌味がなくて終始爽やか。読後感もいい。こんな描かれ方をした親しみやすい長安でも、女好きってとこは周知のままか(笑)
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ちゑ
ネタバレ毎度のことながらテンポの良い会話と突飛な作戦。お笑い担当要員ガーティに冷静沈着頭脳派アイダ・ベル。加えて、カーターと破局して以来傷心のフォーチュン。ワニ町は今日も波瀾万丈。今作はシンフルの女性を狙ったロマンス詐欺がお題。基本優しくていい人が多いシンフルの街で、こんな悪事を働くとは許すまじ!と鼻息も荒いワニ町トリオ、いまや様式美の大暴れ。え?シーリアも〜?笑ったー!!町の人たちとの交流が深まるにつれ、自分と仕事の距離感やカーターとのことを深慮するようになったフォーチュンの〈明日〉が楽しみになる一冊だ。
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ちゑ
ネタバレ情報を隠して小出しにされている気もするが、仕掛けを紐解くクワンの名推理を存分に楽しめた。また、香港という特殊な歴史を持つ地で、自由や民主主義を希求する市井の人々の姿や香港警察の変遷を遡っていくのも味わいがあってよかった。そして迎えた最終章1967の事件。クワンの警察官としての礎の芽生えもかすむ特大の置き土産!ラストの「 」の破壊力!序章にリンクする驚きより、私は快哉を叫びたい。件の彼らが香港ドリームを掴んでいた事実にふつふつと笑いが込み上げてきた。知る由もない彼らの46年間を想像するのも面白い。
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ちゑ
ネタバレあの時こうだった、ああだった。だからそれは違う。なのでこうなのだ…。←これって書きようによれば後付けでどうにでもなるやん!とブツクサ思うことが多いので〈本格派〉ミステリというジャンルはどちらかと言えば苦手。なのに前のめりで読んでいる!面白い!隅から隅までロジックで固めたような中篇の連作。香港の現代史を背景に、クワンとローが歩んだ警察官人生を、2人の忘れ難い事件で遡っていくのだな。文庫で積んでいたのでとりあえず半分まで。大作の予感。「下巻を楽しみにしていますよね?」───「ピッ」
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ちゑ
ネタバレ大企業から突然インターンの内定取り消しを言い渡された女子大生/松岡まどかが奮闘するAIスタートアップお仕事小説。『サーキット・スイッチャー』と同様に、こちらもAIの可能性を示唆する作りで興味深い。AIスキルに長けたまどかの考え方や開発を通して、AIをどのように仕事や生活に組み込んでいくのか具体的にイメージしやすく、私の不知案内の分野を満たしてくれるのが嬉しい。起業妨害を仲間と共に正攻法で解決していく姿も清々しくていい。続編があるなら、M&AからのスイングバイIPOあたりまで、彼女たちの勇姿を読んでみたい。
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ちゑ
ネタバレ月イチ水滸11。ここに至って梁山泊の大立者である宋江と晁蓋が対立。同じ方向を見ているはずなのに、何かとリズムが違う2人なので、これは必定か。呉用になんとかしてもらいたかったが、それも叶わぬまま…無念。志半ばで逝く男の息もつかせぬ感情の発露。ラストでは哀しくはあれど、天晴れ!と声をかけたい。それぞれの寨で死者も増え、その死について逡巡する男たちもまた魅力的な巻だった。楊令の現状に安心し、彼の林冲に対する思いも知ることができて大満足。李富に雇われた暗殺者ながら史文恭の造形が面白く、今後も何かしそうで要注目!
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ちゑ
ネタバレ「底なんかねえんだよ」ビリーの兄の言葉がやけに残る。ビリーは高校の有望なアメフト選手だが、その出自と生育環境により周囲から孤立している。生まれながらにして差別、貧困、暴力に晒されてきた彼は、抑えがたい暴力性を秘め、時折それが噴出する。その日は母の恋人であるDV野郎を殴り倒して───。ヒリヒリとした緊張と胸を抉られるような思いを抱かせながら、破滅へと猛進する物語はキツい。なのに見届けたい。彼を救い出そうと差し伸べる手も汚していくほどのビリーのこの先の人生を。コスビーと同じ匂いのする南部ノワール。よかった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/19(1804日経過)
記録初日
2019/12/20(1803日経過)
読んだ本
869冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
321751ページ(1日平均178ページ)
感想・レビュー
744件(投稿率85.6%)
本棚
16棚
自己紹介

2019年12月から、お世話になっています。
子供の頃、デュマの『モンテ・クリスト伯』を読んで以来、本の虜。沢木耕太郎は若かりし頃の私のバイブル。『高熱隧道』を筆頭に吉村昭はその名を目にするだけで心が震え、山本周五郎は『さぶ』に始まる人生の道標。
自己啓発本とホラーは苦手ですが、なんでもニュートラルに読みたい派。

読メを知る前の5年程の本は、思い出しながらボツボツと登録していますが、それ以前のものは、遠い記憶の中だけに…。

本と映画と音楽好き。老眼鏡のお年頃。よろしくお願いいたします。

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