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2024年9月の読書メーターまとめ

ちゑ
読んだ本
12
読んだページ
4154ページ
感想・レビュー
12
ナイス
464ナイス

2024年9月に読んだ本
12

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ちゑ
ネタバレ8050問題を取り上げるにあたり、そのわかりやすい例としてあげられたかのような草鹿秀郎。引きこもりから殺人犯になるまでの彼の内と外に対する思いが溢れた語りは、切なくて息苦しい。団塊世代よりは若く、団塊ジュニアよりは歳をくっている、世代別に分けるなら、私は新人類と言われた世代。描かれた時代背景には既視感があるが、当時は自分の人生が中心で、彼らに思いを馳せることはなかった。8050、9060、問題提起されるたびに、後ろめたさを感じるのは私だけではないはずだ。どこかの時点で何かできたか?何ができた?
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

ちゑ

採掘モノを読み、鉱山への興味が高じて8月は史跡/生野銀山へ。仄暗い坑道内は13℃のダンジョン。当時の過酷な作業を再現する蝋人形はなかなかシュール。彼らには『超スーパー地下アイドル銀山ボーイズ』という名があり、メジャーデビューを果たしていた。🎶聞こえますか〜ノミの音〜♪ 2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4323ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1076924/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
12

ちゑ
ネタバレフランスの山間の街。行方不明になった女が1人。この事件がなければ、今も不毛な愚行を続けている男たち女たちがいるのか。満たされない思いを誰かに埋めてもらおうと、それぞれがそこかしこで行動を起こすけれど、一方通行で自分本位で勘違いが甚だしい。不倫だのネット恋愛だの、近しい間柄での出来事だと知っているのは読者だけ。各々の語りで章が構成されており、各人の勘違いにイライラしながら読むうちに、辻褄があっていく妙。コトの次第がわかっても気は晴れず、人間の飽くなき欲望に頭を抱えてしまう異色作。何より、偶然って怖いね。
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ちゑ
ネタバレ8050問題を取り上げるにあたり、そのわかりやすい例としてあげられたかのような草鹿秀郎。引きこもりから殺人犯になるまでの彼の内と外に対する思いが溢れた語りは、切なくて息苦しい。団塊世代よりは若く、団塊ジュニアよりは歳をくっている、世代別に分けるなら、私は新人類と言われた世代。描かれた時代背景には既視感があるが、当時は自分の人生が中心で、彼らに思いを馳せることはなかった。8050、9060、問題提起されるたびに、後ろめたさを感じるのは私だけではないはずだ。どこかの時点で何かできたか?何ができた?
が「ナイス!」と言っています。
ちゑ
ネタバレ社会主義・資本主義的な監視ではなく、こちらは健康監視国家を描く近未来サイエンス・ディストピア。健康であることを義務化し《メトーデ》といわれる政策が講じられたどこかの国。国民は、ほぼ従順。そんな中、行き過ぎた健康志向に反発する男が強姦の罪を着せられ自死する事件が国民の注目を浴びるところとなり、その姉が渦中に巻き込まれていく。体制側との丁々発止が屁理屈の応酬のようで面白い。個人の幸せは健康であること、と言い切られるとおちおち病気にもなれず、健康を損なう行為は罰せられるなんて狂ってるとしか言いようがない。
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ちゑ
ネタバレ月イチ水滸10。全19巻の折り返しともなれば楔となる出来事が欲しいところで、その期待に間違いなく応えてくれたお見事な巻。同志を増やしたい梁山泊のパターン化した勧誘方法にも捻りが加わりますます面白い。悩める呼延灼が晁蓋との対峙をきっかけに一皮剥けた感があったり、新たに加わった面々の魅力、再確認した李逵や燕青の強さ、林冲と公孫勝のニヤける口げんか…どこをとってもイイ。そして、躍動する(?)大森望さんの解説もよかった。それにしてもコイツだけは許せん。「高俅を、どう思う?」「まさに、人間の屑ですな」←よう言うた!
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ちゑ
ネタバレ積荷は本当に自衛隊の特殊燃料なのか──高圧的に青森から佐賀に向けての緊急輸送を依頼されたJR貨物。走り始めたEH500形/金太郎とそれに連なるタンクコンテナ18個。極端な秘匿を強いられ不信感がつのる運転士を軸に、スクープを狙う新聞記者や列車を妨害しようとする組織の存在などの動きを刻々と描く社会派ミステリ。積荷が何かわからない上、初めて知る貨物列車の特殊性や、使命に燃える運転士たちの心意気に前のめりで読んでいた…中盤までは。臭いものには蓋をして、ちょっとだけ開けられた感じがするこの結末はいただけない。
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ちゑ
ネタバレ忠光が9代将軍徳川家重の口ならば、耳となり目となったのは御庭番/万里。彼らを陰で支える人物として万里のキャラクターに惹かれたものの、前作だけでは物足りなさを感じた身にとってこの続編は嬉しい。静かに始まり胸が熱くなっていくのが自分でもわかる短編が5つ。どれにも万里が登場し気配を残しては去っていく。これは長らく待った図書館本。見れば水滴が乾いて丸く引きつれたような部分が何ページもある。琴線を震わせた先人がいたようだ。
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ちゑ
ネタバレ18世紀、英国の小艦隊が、お宝を乗せたスペイン船の拿捕目的で出航して遭難。その中の一隻ウェイジャー号の地獄を描くノンフィクション。海難事故の創作物に必須の出来事はもれなく体験した彼らの航海日誌や生還者の手記をもとに構成された本書のライブ感がすごい。なのにあの飢餓の中でも、生還後に記録内容が自分にもたらす影響を考えて綴る人間の業のほうに興味がわく。ただ生きて帰りたいではすまないことに、軍国主義・帝国主義的な世相も考えさせられた一冊。数行の書き込みながら、置き去りにされた自由黒人ダックの印象が強く残っている。
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ちゑ
ネタバレ公開前の映画のノベライズ。描かれるのは、戊辰戦争真っ只中。新政府軍と旧幕府軍の間で密かに仕組まれている裏切りの構図に巻き込まれた10人の入牢人+1の苦闘の物語。〈勝てば無罪放免〉と鼻先に人参をぶら下げられて彼らが駆り出された先は砦の防衛。ぶっ飛んだ個性をもつ罪人10人が共闘を余儀なくされ、ときに暴発する喜怒哀楽はここぞと光る配役の演技で想像できるし、心を掻き乱す三味線の音を背にして映像映えするであろうアクションシーンも盛りだくさん。300ページにも満たないけれどノベライズのお手本のような一冊。面白かった。
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ちゑ
ネタバレイタリアで炒飯のデリバリー店を営む小艾は台湾の潜伏工作員でスナイパー。ローマで標的を射殺したら今度は自分が狙われた。あれ、なんで──?かたや、台湾で定年退職を控えた刑事の老伍が追うのは軍士官の連続不審死。遺体に共通する文字の刺青。これ、なんだ──?この交わることのなさそうな出来事が、距離をつめていく過程が面白い。ある実在の事件ありきで、ゆるゆると帰着点をそこに寄せた感があるけれど、老伍の息子や上司蚤頭、鉄頭教官の存在感がエンタメ性を高めていて読み応えがあった。そして何より炒飯。〆の炒飯がうまいね。
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ちゑ
流れるような乙粋言葉で、当時の江戸の庶民の町を、香りも豊かに浮き上がらせる。いい意味でちょっと大仰な蝉谷さんの時代モノ。今作もいるわいるわの芝居バカ。大店お嬢に役者の女房、衣装の仕立て屋木戸芸者、饅頭売りも鬘師も、みんな揃って狂ってる。狂言回しは森田座気鋭の役者/今村扇五郎。彼の芸に対するエキセントリックがすぎる執着に、その真偽や善悪を棚上げにして翻弄される芝居衆たちの狂想曲。6つの連作で問われるのは沼の縁の在処。芸のためなら見境なしの最期の演目に、扇五郎の真の姿を見た。よっ末広屋!狂気の沙汰ほど面白い。
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ちゑ
ネタバレドイツ兵と塹壕戦を繰り広げるフランス軍のセネガル人兵士。瀕死の友の哀願を叶えてやれなかったことを境に変わっていった20歳のアルファが回想する。〈神の真理にかけて〉〈知っている〉〈わかっている〉と繰り返す独特のリズムは、我らにかける呪文のようで「なぁ、俺の言ってることは間違ってないだろ?」と承認を求められているようだ。人間界にあるあらゆる両極を考えさせられる手強い読書。序盤に置いてけぼりだった凄惨な戦場が突然戻ってくる衝撃に、思わず声が出た。散り散りになった魂が離れがたく溶け合うような友情の物語とも言える。
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ちゑ
ネタバレたとえ水銀を飲んでも体には影響がないという。水銀中毒とは無縁の〈水飲み〉と言われた一族。その血を絶やさぬように北海道の水銀鉱山でひっそりと暮らしていた彼らが、戦争による水銀の大量需要に伴って採掘に沸く世情に巻き込まれていく。そして迎える終焉は───。主人公アシヤを筆頭に水飲みの存在はファンタジーなのに、どこを向いても現実問題でいっぱいだ。特異体質だけを糧にして流されるままに生きてきた男の脆さが浮き彫りになるにつれ、アシヤにかける言葉を失う。ひとつ聞く。この運命はつらすぎる。やり直すとしたらどこからだい?
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/19(1808日経過)
記録初日
2019/12/20(1807日経過)
読んだ本
870冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
322119ページ(1日平均178ページ)
感想・レビュー
745件(投稿率85.6%)
本棚
16棚
自己紹介

2019年12月から、お世話になっています。
子供の頃、デュマの『モンテ・クリスト伯』を読んで以来、本の虜。沢木耕太郎は若かりし頃の私のバイブル。『高熱隧道』を筆頭に吉村昭はその名を目にするだけで心が震え、山本周五郎は『さぶ』に始まる人生の道標。
自己啓発本とホラーは苦手ですが、なんでもニュートラルに読みたい派。

読メを知る前の5年程の本は、思い出しながらボツボツと登録していますが、それ以前のものは、遠い記憶の中だけに…。

本と映画と音楽好き。老眼鏡のお年頃。よろしくお願いいたします。

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