重い話なのだけど、所々爆笑しながら一気に読んだ。長所と短所は隣り合わせで、「双子のように仲の良い夫婦」は「配偶者が浮気していると思い込んで騒ぐ認知症患者」になったりする。長い目で見たら良いも悪いもなく、ただ起こったことをネタにしていくしかない。しかしどこのお家も後期高齢者は話は通じないし記憶の改竄はするし詐欺に引っかかりまくるしトンチンカンな民間療法グッズに溢れていると知ってちょっとホッとする。

重い話なのだけど、所々爆笑しながら一気に読んだ。長所と短所は隣り合わせで、「双子のように仲の良い夫婦」は「配偶者が浮気していると思い込んで騒ぐ認知症患者」になったりする。長い目で見たら良いも悪いもなく、ただ起こったことをネタにしていくしかない。しかしどこのお家も後期高齢者は話は通じないし記憶の改竄はするし詐欺に引っかかりまくるしトンチンカンな民間療法グッズに溢れていると知ってちょっとホッとする。

noteでいつも書いている内容を小説にした感じで、初めて読むのにすごい既読感。高齢だろうが病弱だろうがいつもきっちり掃除してすっきり暮らしている人たちばかりが出てくるので、寓話だとわかっていてもものすごく羨ましくなる。80歳とかで長年暮らした家がゴミの山になってない人、多分ほとんどいない。その時々の細かい変化や気づきに敏感な人だけが到達できる世界の話だった。

雑貨カフェ経営者のエッセイ。お店はとても素敵でオンラインショップも趣味の良いものばかり。しかしエッセイになると内容はごく普通。こういう本がいかにセンスの良いスタイリストや写真家やデザイナーに支えられているのかが逆によくわかる。2023年出版なのに、アングルやレイアウト、筆致がなんとなく一昔前の感じがする。

本当にただただ心穏やかに読めるコージーミステリ。最後はクリスティの有名作品に立ち返るので、元ネタを再読したい気にさせられるのも良い。あっと驚くトリックも犯人も動機もないけど、難しいことを考えずにさらっと楽しめる塩梅がちょうど良い。

実家が飲食だったのでそのしんどさもいい加減さも知ってる。だから店をやりたいと思ったこともないし個人店には少し気後れする。著者の見解と、飲食店についていつも書いている吉本ばななさんの意見（多分著者の店についてサービスが微妙なことをほんのり言及していた）を頭の中で並べてみると、今の日本社会と飲食業界の問題がうっすら見えてきた気がする。カフェやりたがる若者については完全に同意見。

やはり誰のものでも書評コラムは苦手。解説は面白いしその本を手に取ってみたくなる。機能としては完全に逆がいいんだろうけど。その作家が使いがちな言葉っていっぱいあるけど、今回は一生分の「瞠目」を見た気がする。読書本みたいなものって、紹介されている著作よりも書いている人の性格のようなものの印象が強く残る気がする。

どんどん子供に、本来の自分に戻る、取り戻す。その動きが加速しているのは、時代のせいなのか年齢のせいなのかわからないけど、このシリーズもどんどん抽象度が高くなってる感じがする。モザイク画を至近距離で見ているような感じの本だった。何が書かれているのかまだよくわかってない。

インド史全く興味ないので序盤がしんどかったけど、後半（上巻なので全体では中盤？）主人公がラジオ化してからぐんと面白くなってきた。名前で男女が判別できないので、誰が誰かわからなくなるし、全員悪い夢の中にいるような人たちだしで、面白いのかどうかよく分からないけど、ぶっ飛んだ世界に行けることは保証する。