540頁強の本作品は頁数の多さもさる事ながら足利尊氏、直義兄弟と高師直の3人の関係を中心に多くの人物が登場する。出来たら本の巻頭に人物の相関図とかあってルビも振ってあると読み進めやすいのに。 この時代の価値観の変化は、まるで明治維新とも重なるな。 この本の読後感は一言「大河ドラマを観終わった時のような感じ」 魅力的な人物とライフヒストリーを辿るような時間感、適度な合戦と愛情や人間模様が大河的 章が変わる事で視点が尊氏の弟の直義側と家宰の高師直側で入れ替わり、それぞれの感情の交錯が面白い。 ★★★★☆

女性の専門キャリアを開拓した人の話として読むか、ファション界の話として読むかで読者としての受け止め方がしがってくる面白い本だ。 ゴルチエの言葉が興味深かった「人間は習性として殻に閉じこもっている人を見ると、ますますいじめる。…けれど逆に、誇りを持って自分自身をオープンにすると、相手はいつしか攻撃しなくなる」「人間の力関係はそういう構造」 この言葉はゲイであることを公言しているゴルチエならではの体験に基づく含蓄のある言葉だ。 ★★★☆☆

540頁強の本作品は頁数の多さもさる事ながら足利尊氏、直義兄弟と高師直の3人の関係を中心に多くの人物が登場する。出来たら本の巻頭に人物の相関図とかあってルビも振ってあると読み進めやすいのに。 この時代の価値観の変化は、まるで明治維新とも重なるな。 この本の読後感は一言「大河ドラマを観終わった時のような感じ」 魅力的な人物とライフヒストリーを辿るような時間感、適度な合戦と愛情や人間模様が大河的 章が変わる事で視点が尊氏の弟の直義側と家宰の高師直側で入れ替わり、それぞれの感情の交錯が面白い。 ★★★★☆

大学生の頃にモーニング連載のハートカクテルを読んで、ハートカクテルの様な大人の恋愛に憧れたものだが、現実はさにあらず。 本書は昔の作品の選書編集ものかと思って今が2008年以降のオリジナルだったのでビックリ。 作風もカラーリングも絵のポップ感も昔のままでとても70代の人が描いた作品とは思えない。 1980年代は先ごろ亡くなった鳥山明もそうだが、ポップカルチャーの様なアート作品と言える漫画が多く、今のどの作品も作風が似ている作者の区別がつかないものとは違い、漫画家の個性が強かった時代だと再認識。 ★★★☆☆

楡周平は骨太の経済・政治物を書く作家と思っていたが、この話は会社という企業小説の形をとりながら、家族の形とか介護とか誰にでも起こりうる生活上の課題をテーマにした話でありちょっと異質な感じがした。 例えば垣谷などが書く家族物とは違い、視点がバリバリのしかもトップを狙う企業人とした点が似た様な体験をした者には共感でき刺さる内容となっている。 出てくる人物が皆いい人なのは気になるが、ラストの再就職の経緯を聞かされる場面では企業務めをした者ならば理想的な関係と映るだろう。 ★★★★☆

金融教育の参考図書として読んだ。 2022年から高校での金融教育が始まったが、本書の内容は「公共」の社会の中における金融の役割、お金の循環に関する内容に合致する。 少し筆者の個人的な思想は反映されているものの、社会の中で「お金」を単純な善悪として捉えるのではなく、お金の持つ様々な機能を通じて、金融システムを学ぶことで社会というものを理解することにも繋がり、お金の学習を通して社会に出るための心構えが形成される。 ★★★☆☆