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2024年10月の読書メーターまとめ

ろべると
読んだ本
4
読んだページ
1084ページ
感想・レビュー
4
ナイス
66ナイス

2024年10月に読んだ本
4

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ろべると
桜木紫乃の描く人物は、みな何らかの影を背負っている。お天道様の前に出て何も後ろめたいことのない人間などいない。それゆえに悩み傷つき、もがきながら運命の奔流に呑み込まれていく。本作でも、特に千春などは母に捨てられ裏切られるが、それでも自分としての生きる証しを見い出そうとし、たどり着いた辺境の地で、またまた苛烈な運命に晒されることなる。壮絶としか言いようがない物語は、作中でも「星々たち」という作品にまとめられる。影を背負った人々は、やがては天に昇り、星々たちとなって天上から現世の我々を照らしてくれるのだろう。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
4

ろべると
「水車小屋のネネ」が良かったのでデビュー作を読む。だいぶ違う。内に外にいろいろ引き摺りながら生きる女子大生ホリガイと周囲の人たち。知り合いになった女子大生イノギとの交流は、やがてかけがえのないものになっていき… 世の学生にもありそうで、いやさすがにここまではないだろうという背伸びした世界に親近感を持つ若い読者(特に女性)も多いだろう。こちらはこうした世界とは全く縁のない大学生活を送ってしまった六十男であるゆえ、はたして読んでも構わないのかとも思うのであるが、心に響くものがあった。他作品も読ませて頂きます。
が「ナイス!」と言っています。
ろべると
桜木紫乃の描く人物は、みな何らかの影を背負っている。お天道様の前に出て何も後ろめたいことのない人間などいない。それゆえに悩み傷つき、もがきながら運命の奔流に呑み込まれていく。本作でも、特に千春などは母に捨てられ裏切られるが、それでも自分としての生きる証しを見い出そうとし、たどり着いた辺境の地で、またまた苛烈な運命に晒されることなる。壮絶としか言いようがない物語は、作中でも「星々たち」という作品にまとめられる。影を背負った人々は、やがては天に昇り、星々たちとなって天上から現世の我々を照らしてくれるのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
ろべると
職人の手によるクラフツ椅子を社会学の観点から多角的に分析。同じ手仕事による作品でも、作者の名が残るアート作品と違い、クラフツ生産による椅子は工藝品としての価値がある。それは鑑賞の対象ではなく、実用に供される生活の美だ。椅子が備えるのは、座り心地としての機能性と、装飾的な芸術性。それだけではない、椅子は人の孤独を癒すだけでなく、人と人とを繋いで社会的なネットワークを構築する結節点にもなるというのだ。どこにでもあるありふれた家具と思いきや、人間社会を裏で支配する闇の帝王のような存在だったのだ。生き残るわけだ。
が「ナイス!」と言っています。
ろべると
アイヌの血を引く最後のクマ撃ちからの20年前の聞き書き。仕留めたクマをカムイとして手厚く遇する彼は、クマは山の生活を教えてくれる先生だと言う。元来クマは人間を怖れており、普段は出会わないように行動している。不幸なアクシデントが人間への危害を招いてしまうのだ。伐採による餌の減少や人の生活圏拡大がクマを追い詰める問題もすでに語られる。そしてクマに出会っても逃げたり攻撃しなければ、やがて去っていくそうだ。人家に出ることを覚えた不幸な例外を除けば、クマと人間の共生は可能なのではないか。そんな問題を提起する一冊だ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/03/14(1719日経過)
記録初日
2020/03/15(1718日経過)
読んだ本
658冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
197276ページ(1日平均114ページ)
感想・レビュー
483件(投稿率73.4%)
本棚
17棚
性別
自己紹介

フランスを中心に歴史や文学、芸術などの本を読むことが多いです。最近はネイチャー関連が増えています。温泉、鉄道、ファンタジーなども好きです。

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