ネタバレとてもよかったです。マチ先生の穏やかな人柄が通奏低音のように存在していて、その上で逃れられない人の生死、携わる医療従事者の葛藤が描かれていきます。『世界には、慈悲も慈愛も存在しない。努力も忍耐も役に立たない。無数の歯車がかっちり組み合って、延々と果てしなく回り続けているような冷たい空間が広がっているだけ』という言葉が印象的。それでもできることはあると立ち向かう勇気。最期に『おおきに 先生』と言える旅立ちもあるのだな…いろいろ考えさせられました。

ネタバレ映画を観たので再読。6年前新刊を読んだ時に震えるほど感動して、この小説をきっかけに歌舞伎を観に行くようになったのですが、この6年間でたくさんの演目を観て、再読時の解像度が上がった気がしました。ラストシーンはやはり小説の方が好きです。喜久雄が少しずつ静かに狂気をはらんでいくさまが再読時でも鳥肌が立ちました。

ネタバレ映画を観たので再読。映画の後、幸子の印象がなんか違うなあと思ってたけど、やはり原作の方が幸子の人物像は温かくて好き。映画では原作の印象的な台詞をシーンを変えて上手く使ってありましたが、「結局この世界、血ぃやんか 」は原作では徳次の台詞でしたね。

ネタバレとてもよかったです。マチ先生の穏やかな人柄が通奏低音のように存在していて、その上で逃れられない人の生死、携わる医療従事者の葛藤が描かれていきます。『世界には、慈悲も慈愛も存在しない。努力も忍耐も役に立たない。無数の歯車がかっちり組み合って、延々と果てしなく回り続けているような冷たい空間が広がっているだけ』という言葉が印象的。それでもできることはあると立ち向かう勇気。最期に『おおきに 先生』と言える旅立ちもあるのだな…いろいろ考えさせられました。