ネタバレあらすじを読んだだけで、その謎に引き込まれました。章立てが前後するのでちょっと戸惑いましたが、後半はグイグイと進み読了。タイトルの「挿し木」という言葉から少しは予想できたこともありましたが、「そっち？」という部分もあり…謎の宗教団体の闇が怖いし、牛尾は存在がホラーすぎましたが、このミス文庫本グランプリ受賞は納得でした。面白かったです。

ネタバレ読み応えがあって素晴らしかったです。舞台は大学病院へと移りますが、ここでもやはり登場人物たちが魅力的。考え方の相違はあっても、基本悪い人は出て来ないのもいいです。『私は患者の話をしているのです』ここのくだりは心震えました。そして『これからも"患者の話"をする医者でいなさい』と認められたことに心を熱くしました。

ネタバレ『神様のカルテ』シリーズの前日譚で短編集、とても読みやすくて、登場人物たちの解像度が上がりました。特に『神様のカルテ』が印象的でした。『人ってのは、生きるときは生きる。死ぬときは死ぬ』という当たり前のことも、神様のカルテという言葉の意味も、深く刺さりました。

ネタバレここまで3作の中で一番好きかも。小幡先生の生き様、イチさんが直面する小幡先生との差、壁をどう乗り越えるか、医師としてどう進んでいくか…など、とても読み応えがありました。このシリーズは登場人物たちが本当に生き生きと描かれていて、映像で観ているかのような読書体験です。

ネタバレシリーズ2作目も読み応えがありました。24時間の医療体制をどこか当たり前のように思ってるフシが自分にもあるけど、医師や看護師の皆さんも人間だし大切な家族がいるわけだし…と考えさせられました。副部長先生の、屋上のくだりは涙、涙。屋久杉くんもなかなかいい味出してます。

ネタバレ『スピノザの診察室』を先に読んだので、こちらのシリーズも読んでみようと揃えました。文体や主人公の一止の話し方も明治の文豪を意識されているのか古めかしいけど、それは単なる体裁で、物語の核となる部分はとても深刻な問題を描いてあり、楽しく読むだけではない、何かを胸に突きつけられる気がしました。安曇さんの『病いの人にとって、もっとも辛いことは孤独であることです』『たとえ病気は治らなくても、生きていることが楽しいと思えることがたくさんあるのだと、教えてくださいました』は刺さりました。

ネタバレ久しぶりの貴志祐介さん、面白かったです。『皐月闇』『ぼくとう奇譚』は主人公の自業自得と言われればそうなのだけど、自分の記憶がないことの空恐ろしさやどうしょうもない性癖に最後まで翻弄される恐ろしさはじっとりとした濃密な恐怖を印象づけます。『くさびら』は怖さより切なさが勝って、ラストはほんの少し救われる気持ちも。どれも面白かったですが、『ぼくとう奇譚』の雰囲気が秀逸でした。

ネタバレあらすじを読んだだけで、その謎に引き込まれました。章立てが前後するのでちょっと戸惑いましたが、後半はグイグイと進み読了。タイトルの「挿し木」という言葉から少しは予想できたこともありましたが、「そっち？」という部分もあり…謎の宗教団体の闇が怖いし、牛尾は存在がホラーすぎましたが、このミス文庫本グランプリ受賞は納得でした。面白かったです。