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2024年10月の読書メーターまとめ

みちしるべ
読んだ本
26
読んだページ
8412ページ
感想・レビュー
21
ナイス
131ナイス

2024年10月に読んだ本
26

2024年10月のお気に入り登録
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  • イアン

2024年10月のお気に入られ登録
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  • イアン

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

みちしるべ
ネタバレ最後のネタ晴らしで明かされる、館の主人の主観描写に関する秘密は、「んなもん、わかるか―!怒」となった。が、探偵役に事件の聞き取りや施設内をつぶさに観察させ、その情報を読者に伝える等、読者自身が事件を解けるように非常に配慮されていると感じた。 館の主人のなり代わりについても、探偵役は私たちと同じ情報で論理的に導き出しているのだ。これは、文章をしっかりと読み込もうとなる。 新本格派ミステリーは初めてだが、面白かった。
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2024年10月の感想・レビュー一覧
21

みちしるべ
SVODの登場によって、アニメがフロー型流通からストック型流通に移行したという筆者の指摘が面白かった。鬼滅の刃が流行ったのは、視聴者が評判を知ってから購読するようになったから。そのほか、通販などによって場所雄制約がなくなり、情報収集や交流がネットでできるようになり、都市の文化装置としての「オタク趣味の専門店」が秋葉原等から消えていった。日本が今後もアニメ文化(クールジャパン?)で世を渡っていけるのか?日本のオタク社会が非常に薄っぺらいものになったと感じた。
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みちしるべ
他の日本酒の作り方紹介本より、内容が専門的で面白かった。火入れによる風味の変化など、筆者の主観的な感想をかいてくれているのも、この手の書籍では珍しいように思う。   おいしいと思ったお酒がなぜおいしかったのか。米?酵母?仕込み方?この本で扱われている情報が、お店の酒瓶ラベルからほぼ読み取り切れないのが口惜しい
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みちしるべ
公営ギャンブルってものがなぜ許されるのか。競艇・競輪の基になったのが競馬と言われており、「競馬なんかどうして始まったんだ…」と思っていた。陸軍が所管して、明治の自由民権運動家も同意して…。しかし、ビジネスや遊興としての需要が陸軍の統制をはねつけるようになって。明治~昭和のころも、競馬ファンの血統分析とか予想とかに熱中する市民の姿が紹介されているのは印象的だった。「市民に馬へ興味を持ってもらう」「軍馬にふさわしい馬を生産する」という目的は疾うに失われている。スポーツとして競馬が成り立つようになれば良いのに。
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みちしるべ
映画監督として、どれだけ多くのことを考え、学んでいるのか。一日一日の密度の高さに驚いた。俳優や舞台監督、脚本家など経験されたことが多いからか…。少しの演技・映像にどれだけの考えが詰まっているか分かった。映像作品や舞台を見る目が今後変わると思う。
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みちしるべ
応援って何が楽しいの?野球チームのどこが勝とうが他人事でしょ。そう思っていた。球場での一般客にとっては、乗りやすいリズムパタンによる、定型化された儀礼への参加という楽しみ。私設応援団員にとっては、情緒的人間関係を通して「大衆の孤独」を和らげる機会。球団や暴力団にとってはビジネス。球場のスタンド周辺では、みんなが精いっぱい楽しみ、楽しませようとしている。WIN-WINで、なんと素晴らしいことか。問題は、球場へ新たに足を運ばせることができるか。スポーツとメディアがタッグを組んで…「ゲレンデの恋」みたいな広告を
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みちしるべ
評論というものは、難しいと思わされる。何が物足りないのだろうか…。作家の生い立ちや、作品が生まれた時期の事件などを「背景」として語っているだけで、当人が満足してしまうこともあるんだろう。せめて、評論家本人の視点による、当人の他の作品や同時代の他の作家との相違点を語ってもらえなければ、事実の単純な陳列でしかない。対象を語る一番の方法は、他との相違点を詳らかにすること。文学作品に関わらず、批評というものの真理を学ばせてもらった。
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みちしるべ
印象的なのは、「スケートボードが決して純粋なカウンターカルチャーや対抗手段ではないことは、1960年代の起源(中略)からも明らかである」との語り。世界的には、単なるアクティビティではなく、スケーターというキャリアであり、スポンサーやプロチームなどが跋扈する、とのこと。オリンピックで日本人が金メダルを取ったのはどんな皮肉か…。また、スケボーは競争・スポーツではない、他人と違うことをするのが卓越性であるという文化が紹介されている。日本の、街中でのスケボーを許容しない業界の非常識が、競技者の育成に好影響したかも
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みちしるべ
子育て論の本。父親が練習付添や叱咤などのエピソードを書いているが、母親の子育ての関わり方には触れられていない。夫の熱中度合いに不安ではなかったろうか…そんなことを考えてしまう。また、チチローの子育て本を思いだした。親と子の関係に正解はないだろうが…。突き抜けた活躍には、親の期待と行動がついているようだ。子供の可能性を生かすも殺すも親次第、と責任の重さを実感した。
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みちしるべ
合唱は、チームで行うことだから、メンバーにはやはり作法というか、知っておくべき前提があると思う。この本は、その前提を学べる。10年ほど前に、職場の合唱サークルに入っていた。当時全くの初心者で、なんとなくで練習してなんとなくで演奏会に出ていた。もっと早くこの手の本を読んでおけばと後悔している。
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みちしるべ
「『あ、気付かなかった』で相手のしりぬぐいをやめてしまう」という戦略は、相手の自立を促す点で非常に有効。シンプルだし即実践したい。あとは、捨てますカゴと、洗濯物を各自洗濯ネットに投入させるテクニックは、有用と思えた。
みちしるべ
映画「サマータイムマシン・ブルース」の原作となる舞台を行った劇団の話だった。本書は、演劇論よりも、創設秘話や主要メンバーへのインタビュー、活動拠点や最近の活動内容の紹介を中心としているようだ。読んでて一番興奮したのは、「水曜どうでしょう」ディレクターの嬉野さんの寄稿文。「普通な」まま、自分のままに振る舞い、はしゃぐことが、結果的に人の心を解き放っている…。これが水曜どうでしょうとヨーロッパ企画の共通点とのこと。90年代末からの20代・30代が感じていた社会の閉塞感。カルト的な流行の理由は時代だったのか。
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みちしるべ
ネタバレ推理ものとして、非常に面白かった。なぜ登場人物を中高生にする必要があったのか。死を望む動機が純粋、個性差をつけやすい、会話劇が学級会のようで読者がイメージしやすいといったメリットがあるように思える。また、登場人物が作中語ったように、児童の集団自殺という主題は、非常にセンセーションである。そのほか、気になったのは、探偵役を男子3人に偏らせていること。女子に共感や協働の描写が少ないのは…犯人がいるからとはいえ、どうも納得できない。最後にオチとして明かされた舞台の裏側は、映画のSAWのような裏切りで面白かった。
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みちしるべ
ネタバレトリックの大筋があらかじめ明示するのは、珍しい。読者はワクワクして、人の言動の不自然さに注目するし、筆者も事件現場や建物の描写などを省力化できてWINWINだろう。また、オチが、単純な双子の入れ違いや、同時並行の事件のトリックそのままで終わらず、ほっとしたところである。正直、推理物としては情報量があっさりと思ったので、オチがいまいちだったら、とてつもなくガッカリするところだった。 あと、作中で事件の類似性が指摘されている「そして誰もいなくなった」を一度読んでみたい。
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みちしるべ
世界設定を上手くしたなぁ。中高生が好きな銃火器や軍隊が出てきて、紛争が施設防衛戦のみであり、善悪がどちらかわかりやすくして。そのほか、恋愛感情でなく、憧憬で人間関係を処理して、とっつきやすく。大風呂敷を広げなくてすむように。 登場人物がみな20代以上なのに、ライトノベル扱いなのに納得。もうちょっと楽しめない自分がいる
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みちしるべ
ネタバレ読んでて、ハラハラワクワクが少ないなぁと思った。殺人事件が2件しか起きていないからか。また、トリックの大半は序盤に開示され、展開は誰が・なぜを追及するように。しかもそこにミスリードが用意されていて…。有栖と火村のペアが用意されたのは、このミスリードを誘うためと、事件のトリックを最初から最後まで(読者のために)しっかり聞いてくれる理知的な聞き手がいれば、警察や検察、裁判所などでの事実認定機関の登場なしで、読者が納得する形でストーリーを締めることができるからか。名探偵と助手という構図は、改めて便利なものだ。
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みちしるべ
「翌檜=あすは檜になろう」という言葉が、最初は少年・少女の自らを奮い立たせるものとして、やがては戦後の廃墟で幸せを追い求めようとする人々を指すものとして使われている。少年・少女たちの「何者かになる」という壮大な野心は、不幸の形で達成されることもあり、悲愴さも感じる。対して、熊のような大人たちやオシゲのように大人となった人々の翌檜精神とは、ささやかで、時には諦めも伴うものであった。 年齢や時代によって、目指す檜=理想や幸福は異なるであろうが、生きる原動力として、翌檜精神は失ってはいけない!いい小説だった。
みちしるべ
2024/10/14 23:13

豊穣の海との類似性を感じた。同一人物が、年代別に運命的な出会いをエピソードとして語る形。そして、各エピソードに通底する筆者のメッセージ。面白い読書体験だった。

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みちしるべ
主人公兄弟の戦後に係る記述が淡白で驚く。ただ、日露戦争という江戸末期から続く日本の躍進の頂点(没落の始まりともなり得た)を書き尽くした後は蛇足である、との判断であったなら正しいとも思う。 また、日露戦争の各戦闘を指揮官の内心を推察しながら描くのは、大変な労力がかかったろう。そして、司馬小説では、肝が据わった人物=傑物という描写が多いように思われる。そして、薩摩びいきなのか。東郷平八郎、大山巌などの造形は英雄的である。淡々とした戦闘に英雄を登場させて面白くさせるのが小説家としての腕なのだろうと納得した。
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みちしるべ
再読。戦争上の作戦成否について、指揮官の人格に帰着するのは正しいのだろうか…。ただ、そう説明せざるを得ない不可思議・非合理が多々あったのだろう。戦争も政治も、しょせん人が行うこと。諦観の一方、何とかできないのか考えてしまう。 また、忘れてはいけないことは、今から百数十年前に、日本もこのように血なまぐさい戦いを行っていた事実。筆者が淡々と語っている死者数など、信じられない。平和を希求するばかりである。
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みちしるべ
ネタバレ作家アリスシリーズを読むのは初めて。火村が捜査情報に完全にアクセスでき、聞取り等も自由にできる設定に、リアリティはともかく、推理ものとしてシンプルに楽しめそうだと期待。ただ、推理の前進につながっていると思えない展開(事情聴取など)が多いように思われた。最後の推理パートでも、採用されている事実数は少なく…。犯人の「どいつもこいつも、やろうと思えばできたじゃないか。物理的に犯行が不可能な人間はいない」というフレーズのとおり、ホワイダニットに注目した終わり方で驚き。「狩り」と評した詰問パートが恒例なら、期待外れ
みちしるべ
ネタバレ最後のネタ晴らしで明かされる、館の主人の主観描写に関する秘密は、「んなもん、わかるか―!怒」となった。が、探偵役に事件の聞き取りや施設内をつぶさに観察させ、その情報を読者に伝える等、読者自身が事件を解けるように非常に配慮されていると感じた。 館の主人のなり代わりについても、探偵役は私たちと同じ情報で論理的に導き出しているのだ。これは、文章をしっかりと読み込もうとなる。 新本格派ミステリーは初めてだが、面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
みちしるべ
ネタバレ本物と偽物の衝突、というテーマは面白い。義憤というべき偽物たちの動機も理解できて、読み物として心地よい。また、犯人特定後に、リアルタイムの犯罪阻止という展開を持ってくるのも物語の締め方として優れていると思った。ただ、手帳に書き付けた詩の解読などのキーとなる箇所の書きぶりが淡白な印象を受けた。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/03/15(1716日経過)
記録初日
2018/09/08(2270日経過)
読んだ本
639冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
164632ページ(1日平均72ページ)
感想・レビュー
155件(投稿率24.3%)
本棚
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