生き方って迷っていいもの、そんなにうまく生きられるはずはないと思えるようになる五話。気になってしょうがないキーワード（オーケストラばばあ、リセット症候群、渋皮煮、死神ばあさん）と各話に登場する高齢女性が印象に残る。女性を見下す男がちょこちょこ出てきて不愉快にもなった。潔く生きるのがいいのかな、結局。

強引すぎるストーリー。細かいことは抜きにして読む。ただ、ここまで度を越せば良しとせざるを得ない、かな。蒲田署刑事課の北郷は、過去に恋人を凄惨な手口で殺された経験を持ち、犯人に復讐するために警官になり、時効になった後も執拗に捜査を続ける。そんなのあり？とは思わないようにする。その執念に惚れた隣県川崎署の大村、元刑事の武田が北郷に力を貸す。追いつめた犯人を目の前にして、拳銃を手にした北郷が警官でいられるか、恋人の仇を取るか、息を呑んだ。きっと私なら撃ったのに当たらないというオチかもしれない。

捜査第一課調査官・倉石義男は、終身検視官の異名を持つ。根っからの死体好き。臨場した現場で、遺体だけでなくその環境までを観察し、死者からのメッセージを掴み取り、捜査員の自他殺の見立てを覆す。組織になびかず、己の道を貫く生き様は、幹部からは面倒な奴と思われながらも、結果が付いてくるので気持ちいい。これほど重い殺人事件ばかり続いたら、倉石の体が持たないのではと思うが、自身の検視までしそうな勢いを感じた。

距離のある二つの話がどこでつながるのか、ソワソワしながらも決して悪い結果にはならないように思えて、最後にはこれで良かったのだと納得できた。良かった〜😊浪人中なのに将来の夢が見つけられない一平は、バイト先で「縁」あって初老の同僚男性に近づく。偶然に見える出会い、世の中から取り残されたようなアパート、そこで魅力的な三人の女性、生意気盛りに見える男児と関わることに。一平はこの経験で大人に一歩、近づけたように思う。丁寧なストーリーで推理を存分に楽しめた。

生き方って迷っていいもの、そんなにうまく生きられるはずはないと思えるようになる五話。気になってしょうがないキーワード（オーケストラばばあ、リセット症候群、渋皮煮、死神ばあさん）と各話に登場する高齢女性が印象に残る。女性を見下す男がちょこちょこ出てきて不愉快にもなった。潔く生きるのがいいのかな、結局。