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「いじめ」の範疇をも越した酷い仕打ちも多いが、一方で「エビスくん」に関しては、互いの不器用な愛情表現による絶妙な行き違いのようにも思われて、全てを一概に「いじめ」の一言で片付けられない複雑さを感じる。様々な状況下で、当の子供やその親・教師等が、不器用ながらも何とか最善を尽くそうとする姿が印象的だったのと同時に、それでも互いにぶつかり合ってしまう無情さに、胸を締め付けられた。

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私自身が男子高出身のためか、「非リア男子」なりの妄想や手法に懐かしさを感じた。同時に、客観的に見て当時の自分達は結構危険だったかなぁと反省…(?)。結果何が起こるでもないが、その軽妙な筆致と数多のユーモアは、何よりも秀逸だった。

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大人びた東京での社会問題に「中学2年生」という、モラトリアムようこその少年達が送り込まれる。大人への芽生えと、未だ残る子供ながらの純粋さが混ざった特有の景観によって、作品が彩られている。経験そのものこそ少し早すぎる気もするが、その歳でしか味わえない感触を多く体験し、それを忘れないでいようとすることにこそ、この作品の醍醐味は存在すると思う。

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手紙のやり取りが余りに生々しく惨いのと同時に、活字だけでこれほどまでの人物描写に至った武者小路実篤には、改めて敬服する。他者の行動・言動に野島が翻弄されると同時に、野島自身の妄想によっても自身を翻弄させてしまうといった自壊的構図もまた、興味深かった。

友情武者小路実篤

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ナイス ★2

コメント(0)2020/03/29

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ネタバレ世界中が自粛で家に引きこもる現状を、灰色の方々はどう見るだろうとも考えつつ…(笑) 有意義な時間とは、秒針に固執した合理化ではなく、一輪の花を美しいと感じられる心にこそ宿るものなのかもしれない。本文最後の仕掛けも本当に素敵で、本を読む時間が決して無駄では無いことを体得する。ひとときの列車遅延も許されない日本の社会において、必読の一冊。

モモ (岩波少年文庫(127))ミヒャエル・エンデ

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あらすじ・内容

ナイス ★24

コメント(0)2020/03/27

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ネタバレ図々しくも既に、大人になった時の結婚相手を決めている少年。相手が結婚の許しをくれるかも分からぬままに…それ以前として、会えるかもわからぬままに。未来の結論は分からないが、それでも彼女と結婚するということを、今まさに彼は信じている。「大人になる」ことを目指す彼が、一方で内在的に現在(＝子供)の思考を確信している点は興味深い。仮説ではないという断り付きで、少年が発した現在の「信念」が、様々の「理不尽」に触れながらこの先どう変化していくか、見届けてみたい。