読書メーター KADOKAWA Group

2024年5月の読書メーターまとめ

文狸
読んだ本
3
読んだページ
1128ページ
感想・レビュー
3
ナイス
10ナイス

2024年5月に読んだ本
3

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

文狸
正直歯が立たずに飛ばし読みしたところも多々あった。またリベンジしたい。ひとつだけメモ、レヴィナスにとって「呼吸respiration」が、外部の侵襲による主体内部の拡散住居という内と外を区別する閉じた領域の不可能性と関連して、重要な概念だということは初めて知った。「肺実質とは何か」という常日頃から私が関心を持っている話に絡めて議論してみたい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
3

文狸
正直歯が立たずに飛ばし読みしたところも多々あった。またリベンジしたい。ひとつだけメモ、レヴィナスにとって「呼吸respiration」が、外部の侵襲による主体内部の拡散住居という内と外を区別する閉じた領域の不可能性と関連して、重要な概念だということは初めて知った。「肺実質とは何か」という常日頃から私が関心を持っている話に絡めて議論してみたい。
が「ナイス!」と言っています。
文狸
最初に「イメージ」を提示されたときに、こんな漠然とした概念で言えることなんてあるのか、どこまでそれが新規だと言えるのか、と疑問に思ったのだが、フィールドノートを書くということについて論じている箇所や、『ボディ・サイレント』の「脱身体化」と重ねている箇所を読んでいくと、そういうことを喚起したかったのねとわかってくる。筆者としてはまずその感覚があって、それに言葉を与えたときに「イメージ」になったのだろうが、展開上この順番にならざるを得ないので、仕方がない部分だろう。
文狸
2024/05/14 00:12

ディナミスム、アナロジズム、アニミズム、客体化された自然、全部ある、という締め方は、二項対立ではなく四つあるのが大事という主張はわかるものの、折衷主義ないしは加算主義のようにもみえた。

文狸
2024/05/14 00:13

だから「一回的でありかつ反復的である」というのは、確かに考えにくいことではあるが、(人間を含めたあらゆる生物の)生についての考察の原点にあるべき事実なのである。生は本来的に一回的なものと反復的なものの間にある。(305ページ)

文狸
端的にすごい本である。本書の問題意識として重要なものはいくつかある。まず特筆すべきは「暗示・カタルシス・プラセボ効果などの包括的な『ブラックボックス』メカニズムを喚起することを避ける」と序論で明示されている点である。本書でも触れられているグッドの「信念」概念の議論でもあるように、当事者の経験を「解釈」する際にそれはつねに括弧に入れられて、生物医学的「事実」は別に存在するという暗黙の前提からは逃れられなかった(あるいはむしろ強化してきた)従来の人類学に対して、真っ向から立ち向かっている。
文狸
2024/05/13 00:27

訳者あとがきからも。/チョルダッシュの視点からすれば、ギアツ流の解釈人類学が「解釈」の対象としてきたものの状況や文化という文脈に即してその意味が読みと取られるべき「テクスト」としての行為や出来事は、既に客体化されたものの次元に属する。これに対して、チョルダッシュの提起する文化現象学では、とくに、世界に棲まう身体についての反省をベースとするメルロ=ポンティの現象学に依拠しつつ、身体性/身体化を「方法論的出発点」として、人びとの生きられた経験を把握しようとする。

文狸
2024/05/13 00:28

チョルダッシュの文章はやや周りくどくてわかりにくいところもあるが、古典的な文献の精読と、引用しやすい適切なワーディング、決して派手ではないが綿密な観察に基づいたエスノグラフィックな記述、と学ぶところが大変多く、また一朝一夕で書けるものではないということも説得させられた。インスタントに凄そうなことを言うのではなくて、こういう丁寧な仕事をしなければならない。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/29(1485日経過)
記録初日
2015/03/07(3395日経過)
読んだ本
640冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
163036ページ(1日平均48ページ)
感想・レビュー
272件(投稿率42.5%)
本棚
9棚
自己紹介

「すでに起きてしまったことに気づく。 そのくり返しが人生」

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう