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2024年5月の読書メーターまとめ

jackbdc
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感想・レビュー
59
ナイス
788ナイス

2024年5月に読んだ本
59

2024年5月のお気に入り登録
5

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  • さちめりー
  • ひでぼう

2024年5月のお気に入られ登録
4

  • 四色しおり
  • みー
  • 雅ーみやびー
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

jackbdc
ネタバレ虐待や性同一性障害など生き辛さを扱う重い内容。本屋大賞に選ばれ映画化にまで至った人気の秘訣は何だったのか。軽やかな文体と救いあるエンディングが奏功したのだろうか?不安定な母親に翻弄されて成育される子どもが不憫である。世界中にこうした子どもが実際にいるはずである。私は、これはフィクションだからといって、娯楽として受容する気持ちにはなれなかった。ハッピーエンディングであってもその後起こるだろう色々な生き辛さについて気になってしまうから。映画ロケ地の大分の海は素敵だった。鄙びた漁港近くのロハスな暮らしに憧れる。
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2024年5月の感想・レビュー一覧
59

jackbdc
ネタバレ通訳者から生活困窮者支援の世界に移ってきた著者によるコロナ禍における支援奮闘記。軽快な文体と、暖かく熱く冷静な視点が印象的。怒りの矛先は福祉窓口。一部にまともな職員が存在する事を認めつつ、多くの窓口では非合法な水際作戦が今もなお繰り広げられていると述べる。生活保護を担当する職員にとって、水際作戦のメリットは明らかに無いはずなのだが、仮に著者の言うとおりだとすれば、何を護ろうとしているのか?謎である。印象に残ったのは、著者が運営するカフェ。個性的な立ち振る舞いの女性と傍で見守る著者たちの様子が微笑ましい。
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jackbdc
ネタバレ全部考えて判断は出来ないからヒトには思考簡略化のツボがあるよ!という話。行動経済学が社会に浸透する前に世に出た古典を久々に堪能。所々に更新されていない知見も残るが、全体としては説得力の素晴らしい名著だと改めて思う。失敗談を巧みに盛り込み上から目線を徹底的に排している点が特徴かもしれない。今回気付いたのは、本書が掲げる成功イメージがお国柄を反映して?業績優れるセールスマンである事。製造業、教育福祉や家庭人では無かった。石器時代からヒトのDNAに刻まれた集団の中で生き延びるための知恵が本書のベースなんだろう。
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jackbdc
ネタバレ科博館長によるエッセイ。欧州では科学が文化として受け容れられている。日本は不十分という見解は、平均的市民レベルで言えば日本人の科学リテラシーが欧米人に劣っているとは思えないが、政治家やビジネスエリートに関しては当て嵌まるかもしれない。少なくとも博物館の歴史面で差があるのは事実。100年単位で取組みを継続していく事でしか埋める事ができないのだが、著者はそういう超長期的の必要性を語っており頼もしいと感じた。また先般のクラファンなど新たなチャレンジを許容する組織文化も素晴らしい。私も一ファンとして応援したい。
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jackbdc
ネタバレ虐待や性同一性障害など生き辛さを扱う重い内容。本屋大賞に選ばれ映画化にまで至った人気の秘訣は何だったのか。軽やかな文体と救いあるエンディングが奏功したのだろうか?不安定な母親に翻弄されて成育される子どもが不憫である。世界中にこうした子どもが実際にいるはずである。私は、これはフィクションだからといって、娯楽として受容する気持ちにはなれなかった。ハッピーエンディングであってもその後起こるだろう色々な生き辛さについて気になってしまうから。映画ロケ地の大分の海は素敵だった。鄙びた漁港近くのロハスな暮らしに憧れる。
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jackbdc
ネタバレ論点が多過ぎて大変だ。著者はよくまとめきれたな、凄いと思う。読んでフムフムと分かった気になってもしょうがないかな。哲学者の考え方などをまとめ切る力は身に付けたいと思った。一方で、ある程度、まとめられたとしても、他人を理解した気にはなってはダメだとも思う。哲学者たちも考えがひとつに留まっている訳でもなく、変化もするだろうし、変化し続ける考えを書物にまとめ切れたかもわからない。人間だから矛盾も含まれるだろうし。そんな前提条件を色々と考えるとこんなに広く深い書き切れるわけもなく、またこれが全てではないだろうに。
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jackbdc
ネタバレ佐藤氏は宗教ネタを日本人に分かりやすく理解させるノウハウがずば抜けていると思う。抽象的な話ばかりだと眠くなるのだが、氏の話は具体的で興味深く、それでいて薬っぽくはないのでちゃんと学んだ感じがするから不思議。印象に残った話としては、氏が学んだ神学と宗教は違うという話。確かに神学と宗教学は異なる学問とはググって知ったのだが、そもそも神学とも宗教学など学問と宗教が全く違う論点なんだと気付く。他に、キリストの言語や人種の話、仏教の影響について語る話、創価学会等の世界宗教のロシア侵略への態度など四方山話が興味深い。
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jackbdc
ネタバレ職場を動かすには理論では無く感情が大切、既存組織は組織文化を新たに作るのでは無く、既にあるものの可視化がキモ、リーダーが語るのでは無く実践により示すという話は身につまされる。職場のスタッフの感情変容をどこまで意識して仕事しているか、ロクに時間を割いておらず反省しかない。我が組織の文化風土も遺されたモノが無いわけではないが、そこかしこに散逸しており、解釈として文化の程を成してないと気付く。管理職の責務は自らの実践を組織に伝えるよう意識的に取組むと共に、それらを組織に共鳴ささる仕組みづくりが必要かな。
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jackbdc
ネタバレ頑張ることが正義、意志の力が問われる自己責任論的世相と対峙する終末期医療現場を、スピノザ的に描く深みを目指した作品。なるようになるのだけれど、努力も大切。つまり努力を絶対視しないが排除もしない。はっきりしないように思えるが、はっきりしなくて大丈夫。全てが神なのでわからなくても仕方ないし、病気が治る治らない、余命も関係ない。今を大切に、精一杯やるべき事をやろうという話。惜しむらくは、主人公が優秀な医師という権威主義的な設定。仕事の出来ない福祉職を、ユーモア交えて読者に響かせる事も出来そうだけど、難しいかな。
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jackbdc
ネタバレ大人になるに連れ、机上の論理が成り立たない領域が広く存在する事を知るようになった。家族、友人は言うに及ばず職場の同僚もステークホルダー達も教科書で学んだ経済人では全く無い事が身に染みてきた今日この頃。周りの身近な人との比較を通じた公平公正の感覚は、特に影響度の大きな要注意ポイントだと気付くようになった。こっちを立てるとあっちが立たず、バランス制御は大変である。そもそも客観的に捉える事が難しい上、感情には弾力性があるから機会操作の様にはいかないのだ。他人の嫉妬は厄介だけど、自分の嫉妬くらいは自覚的でいたい。
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jackbdc
ネタバレ自己啓発本の世界にマイルストーンを置いて整理しくれる感じ。私も意識高い系を気取るつもりはないのだけれど、なんだか気になって、この手や本をついつい手に取ってしまう理由のひとつがわかった気がした。大事なポイントはきっと3つあって、先ずは相手では無く自分が変わること、次に結果ではなく取組の過程そのものが本質であること、最後に評価は誰かの尺度ではなく自分自身であることか。日米で同ジャンルが流行した経緯や理由の分析も新鮮だった。こうした心掛けは人類固有のものであろうし、文化伝承や宗教が関わる領域だったかもしれない。
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jackbdc
ネタバレ宇宙人の姿を想像する行為は人間や生物の進化を振り返る事なんだな。斜め読みながら内容は論理的で納得性は高いと感じるのだけれど、普段使っていない脳の部位に負荷がかかる感じがして新鮮な体験だった。人型かタコ型か妄想するのではなく、生命体に不可欠な機能や進化のプロセスを、地球上の生命進化を参照することにより想像するのが楽しかった。印象に残ったのは、進化は選択圧が存在してはじめて成り立つという話。ヒトが言葉を操り、社会性を発揮して他のサピエンスを打ち負かし、今に至るための選択圧とはどのようなものであったのか?
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jackbdc
ネタバレボーダーの人ほど支援も利用出来ないし、手間もかかる傾向が稀では無いという事実は業界では知られているけれど、昨今社会的な認知は広まりつつあるのだろうか。人間には昔から色々な個性を持つ人がいたと思う。そのような個性の分散はある意味で変化していないのだと思う。一方で社会の側が不寛容になったのでは無いか?昔の社会を理想化するつもりは無い。同調圧力や排除の論理は今と同じ様に存在していただろうけれど、仕事や生活という面では今よりも隙間があったのでは無いか。現代社会の情報化やメリトクラシー化への対応力に偏諱さを感じる。
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jackbdc
ネタバレ全盛期の勢いはなくとも腐っても電通。酸っぱい葡萄的にみなしたい気持ちはあれど、派手な仕事ぶり、高い給料や大きな影響力に羨ましく感じるところが無いとは言えない。虚業とかいう誹りはマスコミだけが負うべきものではなくメディアを通じて目立って感じ取られやすいだけで、人間社会全般に根付いた特性だと捉えておく方が良いと思った。著者の生き辛さアル中やメンタル疾患は生き馬の目を抜くマスコミ業界で激しい競争に晒されたからこそ悪化した可能性もある。美味しい思いをしてズルいと感じる事は全くなく、親近感を覚え気の毒にも感じた。
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jackbdc
ネタバレ職業インタビューアーでは無くても他人から話を聞き出す技術を身に付けられると便利だと思う。プライベートの雑談のみならず、部下との1on1やステークホルダーへのヒアリング等、目的は様々だが機会は少なくない。本書に掲載された知見技術は納得性高いものが多かった。特に印象に残ったのは、一般論や質問者の失敗談を挟んだり、敢えて反論することにより相手の真意を引き出す技術である。知識と実践は異なるかもしれないが試してみようと思った。また、相手に優しく、良いところを引き出すという心構えが基本になるのだと改めて認識した。
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jackbdc
ネタバレひきこもる人の体験談を目にする機会は少ない。著者は小学4年生から不登校になり40年間無職。こだわりが強く気分の上下動が大きいが精神科にかかっており服薬も続けている。異性と交際したり、高校に通い資格を取得し立派に卒業するなど知的能力に大きな問題はなさそう。また、家族環境にも比較的恵まれている様子であり、愛情深いご両親やお姉さまに助けられている感じ。ひきこもや無職など生きづらさの原因を特定するのは難しいだろう。著者の自己愛の高さ、お父様へ責任を押し付けるような物言いが気になって他人事ながら気分の悪さが残った。
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jackbdc
ネタバレ博物館少な目で美術館ばかり。でもガッカリはしなかった。日本列島北から南の素敵な美術館をコンパクトに楽しく紹介してもらえて、美術館を目的地に設定するのも悪くないと思わせてくれた。アートには苦手意識があるもの、ぐるっとパスなんかがキッカケで新たな出会いに巡り合えた経験もある。本書の掲載作品では、八甲田、富山や大分など派手で分かりやすい展示に魅力を感じた。鑑賞者として薄っぺらいのでは?と不安に思わなくもないが、アートの楽しみ方に貴賎は無いし、キッカケとお気に入りが異なる事もあるだろう。素の心を大切にしよう。
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jackbdc
ネタバレコンビニオーナーを目指さなくてホントに良かったと、失礼ながら思ってしまった。忙しい割に実入りが少ない。金を出す割に自由が利かずリスクだけは人一倍。客との触れ合いを通じて喜びはあるだろうが、無用な人間トラブルを回避するのは運次第だろう。とにかく割に合わな過ぎる。著者のような労働者兼経営者兼投資家に支えられて私たちの便利な生活が成り立っていると知るとただただ頭が下がる思いである。シリーズ出版社の成り立ちを森永氏の著作を通じて知って俄然応援したい気持ちになった。著者も両親からの夢を叶えて良かったとホッコリした。
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jackbdc
ネタバレ色々な要素を論じているので分かりにくい。私は2軸で整理して考えた。ひとつ目は強制と自発、ふたつ目は対価の水準である。前者が発信者起点、後者は受信者である。前者では先づボランティアが自発に位置し、労働はその対極的な位置付けを与えると捉えやすくなる。後者では、ボランティアがゼロ、労働はその対極であり、有償ボランティアはその中間か。こうした整理に基けば、ボランティアと労働、その間にある有償ボランティア、見方によってはシームレスに繋がっている事が理解できると思う。流山事件や平安時代のボランティアは初耳だった。
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jackbdc
ネタバレ一冊まるまるモフモフの可愛さに関する蘊蓄を満喫できるのかと思いきや期待外れ。動物行動学者がSNSで身近なヒトや動物の行動に関する質問を募集して、それに回答するというエッセイ集であった。考えたのは、ヒトも動物の一種である。種によっても、また動物全般に当てはまる行動原理というものが、例えば動物の赤ちゃんカワイイみたいな、心の奥を刺激されるような反応がやはりインプットされているという話。YouTubeでこの前見たのはライオンの雌が獲物の赤ん坊を逆に保護してた。赤ちゃんの匂いか見た目か何かに反応するのだろう。
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jackbdc
ネタバレ善良な傍観者の振る舞いに着目して、見て見ぬふりをなくしましょう!という内容。タイトルと装丁イメージはやや違うかな。職場や学校の不正やいじめへの対抗は時代や場所を問わずあらゆる組織に存在する普遍的なテーマなんだろう。場の空気に屈せず著者が言うことろの道徳的反逆者になるためにはどうすれば良いかが記されている。言うは易く行うは難しという印象。身近なコミュニティ内の円滑な人間関係は大切である。それを同調圧力と安易な表現で切り捨てるのは安全な場所にいる第三者の独善的で無責任な物言いだと思う。まあ程度問題ではあるが。
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jackbdc
ネタバレ様々な事象をユニークな視野で切れ味鋭く抽象化し、目的と手段の乖離をユーモラスに描く力作。世界を経済学・経営学的に語る面白さには、言うは易く行うは難しの現実を直視して人間の不完全さを愛するとか、経済学・経営学の浮世離れさを嘆くとか、何れにしても上手くいかない自分自身の無力さを一般化し、誰にでもあることさ、とショックを軽減させる効果はあるだろう。人にも優しくなれるかもしれない。最も印象に残ったメッセージは希少性の限界と価値創造の可能性の話。丁度私が宇宙船地球号的な言説に触れたばかりだったので余計に響いた。
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jackbdc
ネタバレ夫婦間の悩みの実例が切実。当事者の考え方は健常者とかなり異なっているので、生き辛さの感覚も独特であると思うのだが、包み隠さずに心情を吐露する機会は希少かもしれない。なにせ一般的にクズ人間と称されるような言説を、悪びれも無く、自らの生き辛さに絡めて語るのを聞くと違和感を禁じ得ないが、そういう価値観の人と埋めがたい溝が存在しても仕方ないようねって気付く事が、ある意味スタートになるのかもしれない。対人関係を上手くやるための一般解なんてあるわけないって開き直るきっかけになる。苦心惨憺前向きにやってみるしかない。
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jackbdc
ネタバレ巨大マスコミと何十年も付き合いのある著者にとってのタブーと一般人の私とは感覚が異なる。日航機墜落事故は所謂陰謀説的に自衛隊や米国との関わりの噂を聞いたことがあったが、著者のような社会的信用のある方が真面目に陰謀論として捉えられていたようなメインストリームではない説を唱えているのは衝撃的である。初めは話半分かと思っていたが、真偽は不明だが聞くに値する説のように思えた。ジャニーズ性加害や財務省緊縮政策については意外性はない。マスコミの忖度は残念ではあるが政官財癒着構造の一端を表出した出来事なのかもしれない。
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jackbdc
ネタバレ暴力と民主主義を繋げるイメージは私には無かった。日本と米国の違いを痛感する。州兵・民兵のイメージもなかなか難しい。銃規制論に際して、西部開拓時代の身を守るための手段を有する権利は理解できるけれど、この場合の仮想敵は民間人の悪党であり国家権力は関係ない。一方で欧州の圧政から逃れる形で造り上げたコミュニティにおける仮想敵は内外問わず国家的な巨大権力である。それに対抗する手段としての暴力装置が必要であり、コミュニティのガバナンスを保つ技術的手段としてのポピュリズムの重要性が文化思想に埋め込まれているようだ。
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jackbdc
ネタバレ人類史を振り返って働く事とはなんたるものか考えてみると幾つもの気付きが得られた。ブルシットジョブ的な課題が語られるのは逆説的に解釈すれば、みんなが食えるようになった、豊かになった、一定の自由が謳歌できる環境になった事の現れなのかも知れないと思い至る。食糧や財の余剰がかくほされ、奴隷労働が形上は消え去り、福祉国家により最低生活が保障されるようになった。それと引き換えにプライベートの時間や裁量が仕事という名の公的領域に侵食される傾向がある。一方で個人レベルで抗弁する方法もあると言えばあると進歩史観的に考えた。
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ネタバレカウンセラーで著述家でもある著者が現代思想に寄稿したエッセイ。テーマはDV、アルコール依存症、ギャンブル依存症、ヤングケアラー、精神科医療など様々な分野から、臨床経験をもとに縦横無尽に語る。印象的だったのは精神科医療や福祉など、公的資金が投入されるメインストリームから若干の距離を保ち、自費診療の厳しい競争環境で実績を上げ続けている著者の独特な立ち位置。ベテラン女性カウンセラーとして高名な彼女だからこそ成り立つ生業なんだろう。巷に溢れる医師や福祉関係者とは何か異なる臭いを醸し出しているように感じるのだった。
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jackbdc
ネタバレ日本全国の代表的な商店街を概括出来る。テキストの量はそれ程でも無いのだが、固有の状況を捉えようとすれば必要な情報量が多過ぎる。あれこれ考えながら把握していこうとすれば時間はかかるし、非常に疲れるから、割り切って斜め読みに徹する。紹介された街に行ってみたいという期待が7割、頑張って訪問してもあまり変わり映えしないかもしれないという不安が3割。思ったのは、商店街に行きたいのではなくまちに行きたい。そこにいる人々の様子を見聞きしてみたい。商店街はまちの一側面を表出する一つの媒体と考えるのが良いのかもしれない。
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jackbdc
ネタバレ恋愛と結婚を同一視する考え方に私も疑問を持っていた。幸せな恋愛と結婚を応援する意図を持ち、著者は政策提言まで声高に訴える。読みながら、どんなに優れた政策パッケージによっても、全ての人を幸せにすることは不可能であるという結論に辿り着いた。人それぞれ幸せの感じ方は異なるし、そもそも幸福感は身近な他人との相対的比較による影響が大きいと言われている。恋愛も結婚も構造的にライバルとの競争を孕む。どうしても強者と弱者、勝者と敗者が生まれる構造があるだろう。誰しもが、何か一つ負けないドメインを持てれば良いのかな。
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jackbdc
ネタバレ真っ当だがキレイごとにも感じる。事例はもっと謙虚に抑制利かせて解釈した方が良いと思う。欧州にせよ、国内にせよ事例には上手くいった例があるのと同様に失敗も含まれる。正当な対価を払えば切り無いほどお金はかかるし、効率的にやるならやりがい搾取の様相に注意が必要。視点次第であり程度問題なんだろう。そして調査に答えられない裏話がてんこ盛りの筈。リンクワーカーとは、日本風に言えばCSWか。仕事にして有給でやれるなら悪くない。導入の価値はあると思う。しかし、成果は結果ではなく過程に宿るタイプとの割り切りがあって欲しい。
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jackbdc
ネタバレイスラム圏で少年漫画NARUTOが人気でスーフィズム的な文化を体現しているという話が興味深かった。忍者の修行は禅僧や武道と共通点を感じるが、外国の文化で似ているものといえば中国の少林寺拳法などが思いつく。アジア的な仏教とか多神教的価値観と親和性が高いのかなと何となく考えていた。しかしイスラムはガチガチの一神教である。どうして?と疑問に思ったが、次に浮かんだのはスターウォーズのジェダイ修行であった。キリスト教においても支持されるならば、寧ろこれらの修行譚が普遍的な価値を帯びたものと捉えるべきと気付いた。
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jackbdc
ネタバレフォーククルセダーズのメンバーが精神科医として活躍されていた事を初めて知った。著者は表現者として大衆に熱烈に支持された特異な経験があり、医師や大学教員としても崇められ頼られる経験をされた事だろう。人並外れた自己高揚感に晒されて、よりハレの日と日常のギャップの差異に鋭敏になったのかもしれない。自分の人生の意義は?存在意義は?という問いに直面しない人は稀と思うが、考えても仕方ないと諦めたり、大した人生では無いという思い込みを信条とするなど中年期迄に対処方法を身に付ける事で折り合いを付けるしかないと思うけれど。
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jackbdc
ネタバレ収入800万円で幸福度が頭打ちなんて訳ないと思っていた。行動経済学の学説解釈はホント目まぐるしく変わるから面倒くさいな。ある程度、条件を細分化して分析しないと、まぁまともな事は言えないよねって思う。しかし、全般的な感想として、二重の意味で幸せとお金の定量的分析は無理目だよねって感じ。ひとつ目は計測性の問題。幸せに関係する指標って捉えどころないものが多いから。心拍数をウェアラブル端末で測るとか、工夫は面白いけれど。もうひとつはもっと根深い問題。自分の幸せを自分自身ですら正しく評価出来ていないよねって話。
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jackbdc
ネタバレ地球も生きている!と新たな着想を得た。地球の物質が循環しているならば、物質の一部である私たち生命体も地球を循環しているのと同義であり、私たちだけが生命ではなく、無機物も含めた地球の物質全体が生命体であると解釈する事も出来る。まさに宇宙船地球号、地球自体がひとつの生命体であるという捉え方が突飛な妄想ではないと言えそうだ。印象的な学びのひとつは太陽からの距離と惑星のサイズ感。惑星内の物質がまさしく大循環するために条件がある。地球が奇跡的にそれを満たしている事を知ると不思議な運命を感じてワクワクが込み上げる。
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jackbdc
ネタバレ生き辛さを抱えた高学歴者や家族の事例を紹介し類型化を試みるが抽象化に成功したとは感じない。不幸の形は多様だと改めて思う。高学歴なのに生き辛いというより、生き辛い特性を持つ人がたまたま高学歴だった、又は社交性を発揮し辛い特性を持つ故に社会で活躍するのではなく学術界に引き籠り、その結果として高学歴に至ったような例が目立った。私にとって人ごと感は薄い。難民たちがなんとか生きられるような包摂的な世の中にはならないものか。社会構造を変えるのは現実的とは思えず、個人レベルで対処や支援をしていく他ないように思った。
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jackbdc
ネタバレ中高年になって儀式に意味があるとようやく気付くようになった。我慢強くなったというより、物事を多面的に見れるようになったからだと思う。本書は大胆にも、儀式が人類を幸せに導くために存在すると説く。言い過ぎだよ、と思って読み始めたが、最終的にはその通りと納得させられた。スポーツ選手のゲン担ぎのように、不確定要素に直面する際にルーチンは精神安定剤のように不安除去に作用するという。他にも輪になってみんなで踊れば一体感を得るし、厳しい通過儀礼ほど結束力を高まる。ヒトの社会や個人に儀式が奏功するシーンが頭に浮かんだ。
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ネタバレ歴代総理の下世話だが親しみのもてるエピソードを紹介。意外と人数が少ない。複数回就任した人がいるからかもしれないが。かつて似顔絵が描かれた湯飲みが家にあった事を思い出した。本書の特長はタイトルのネーミングセンスだろう。歴代総理大臣一覧、だったら手に取らなかったと思う。私はこんな良くない事をしてしまったので謝りたい、みたいなコンセプトを期待していたのに、実際は謝罪要素がほぼ含まれておらず。きっとタイトルは後付けだったんだろう。いっそ、こじつけでも良いから”謝罪”視点で再編集してくれたら面白く仕上がったのに。
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jackbdc
ネタバレ産み育てる負荷が男性より女性に多いからといって、少子化は女性からの拒否権行使の結果であると私は考えない。少子化の要因分析の結果は著者が述べているとおり、未婚化と晩婚化であり、性選択において女性が自分に釣り合う男性を見つけられないことが問題である。女性側に選別能力が無いわけではなく、男性側に魅力が足りないと言うのでもなく、著者は女性が男性を選ぶ際の基準に歪みをもたらしている社会構造に問題があると言いたいのだろう。男女対立を世代間対立に変換したいのか?この議論にどれだけの意味があるのか私にはわからなかった。
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jackbdc
ネタバレ神社に関心を持ち始めたのはごく最近。神道界隈の知識は殆ど無いけれど決して焦ってはいない。気の向くまま身近な街を訪れて、気になる神社があれば足を運んで、建物や歴史に興味を持ったその時に調べて学んでいければ良いと思っている。本書は都内で比較的歴史と人気のある十社を選び、その蘊蓄を述べたもの。既知の内容は殆ど無く、およそ半分は名前を聞いた事がある程度。先ずは場所をググって、丁度この前近くを通過した!と認識を新たにする機会となった。一方で根本的なモヤモヤは解消せず残ったまま。誰がなんのために作り維持しているのか。
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jackbdc
ネタバレ性加害の加害者が実名でインタビューに登場した。自己顕示欲を誇示することもなく謙虚に自己分析していた。加害者からの赤裸々な告白は希少であり学べる事も少なくない。名乗り上げ率直に自己開示する勇気には敬服する。一方でモヤモヤを感じる部分もあった。ストレス耐性が低いから就労せず生活保護を受けていると語ったり、パートナーがおり性生活もあると告白するなど、余りに率直に語りすぎるとあらぬ反感を買うリスクがあるという事なんだろう。著者は男尊女卑文化が子どもへの性加害を増幅させていると述べていたが全くピンとこなかった。
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jackbdc
ネタバレ平成生まれの経営学者が支持される時代になったかと軽い衝撃を受けたのだが、同世代のコンサル従業員など、業界人の中にあっても日本企業に脈々と受け継がれている改善等の企業風土が欧米企業の手本となっている事がほとんど知られていないという事実にさらに驚く。ステークホルダー間で異なる価値観の出入りが少なく、秩序ある競争に支えられてきた極東の商い環境は大陸のそれとは違って当然。家族や集落などのガバナンスの特徴が立ち現れているとも考えられる。日本的な暗黙知重視な文化と欧米的なプレゼンテーション重視の文化の差異にも気付く。
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jackbdc
ネタバレとてもコンパクトな事例集。いつも感心するのは著者は類書をたくさん出しているがネタの被りが極めて少ないこと。誠実さを感じる。アウトドアに危険がたくさん、覚悟して楽しもうというメッセージか。山歩きには惹かれるけれど、リスク管理をしっかりしたい。技術や知識が不十分でグループ行動より単独行動を好む私にとって、満足度とリスクのバランスを勘案すると都市部の低山ハイクやまち歩きレベルがあっているのかもしれない。本書で語られないリスクのうち特に避けたいのは虫刺され。コバエもうざったい。お金と時間の浪費も避けたいかな。
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jackbdc
ネタバレ朝の早起きが苦手。中高年になって寝過ごす事はなくなったが、朝の時間にゆとりが全くない。できるだけギリギリまで眠っていたいと惰眠を貪る行動様式。寝る前の10分と起床後の10分の価値が全く釣り合っていないのはどうなんだろう。時間の使い方という意味では良いわけはないと改めて思った。朝家を出る前にゆっくり掃除をするくらいの時間を確保できれるかな。いや流石に無理だな。オフィスなら出来そうだ。毎日5分自席周りを掃除しよう。しかし掃除が人生を豊かにするか否かは、つとめて本人の受け止め方次第というのは言うまでもない。
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ネタバレビジネスでは伝わりやすく書く技術が重宝される。日本では大学教員レベルにおいても浸透していないが、欧米では一般的に教えられている。そんなに難しいモノでは無いので技術を身に付けるべし、という内容であった。著者が理想とする文例は結論が先でショートセンテンス。既知の作家の文書で喩えれば野口悠紀雄氏風かなと思った。印象に残ったのは、冗長を忌避すべきではないという話。最初に結論を述べるならば、確かに最後の方でもう一度同じ話が繰り返す必要が出てくる。説明が伝わらないよりもくどいと思われる方がましという比較は納得。
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ネタバレ概念が新鮮。ランドスケープの類義語らしく多義的。自然の風や水の音、虫や動物の鳴き声といった自然の音と、人の営みに付随して発生する人工的な音も加えた上で、その土地ならではの反響を伴って体験するものなんだろう。そこに聴く側の感性に関する要素を、文化風土も含めて加えた総合的な音の場まで拡張して捉えられるというから意外と盛り盛り。本書では、そこに楽器演奏や合唱など音楽の要素まで足し合わせていた。社会実験としては面白いかもしれないが、普段社会的な音に対して意識低めの私にとって、消化するのがやっとこさであった。
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ネタバレ気持ち悪い本。登場人物がポコポコ死ぬし、バッドエンドである事もあるが、なにより納得感が低かった。主要キャラクターの心情描写に一貫性が感じられず無理矢理感を受けた。不幸な成育歴による生き辛さは部分的に共感できるのだが、主要キャラクターの人格全般をみると自分を重ねられるような人は見つからなかった。一方でサスペンスとして良く出来ているので次が気になる展開で一気に読んだ。確かに最後のイベントは意外性があったが、そこに必然性を感じることができなかった。むしろ他の読者がどの部分に魅力を感じたのか知りたいと思った。
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jackbdc
ネタバレ多数の保育職場を体験した流しの派遣保育士さんのレポート。乳幼児との関わりという仕事への愛が伝わってきた。一つの園でじっくりと子どもたちの成長を見届けるキャリアを選択しないというのは著者の拘りということだが、食わず嫌いなだけではないか?老婆心ながら勿体なく感じる。地域に根差して活動してれば卒園した子どもや保護者との再会を味わうことも出来るし満足感も得られるだろうに。待機児童や保育士不足など園特有の問題への言及もなく、せっかく特長豊かで話題豊富な保育職場の醍醐味がイマイチ伝わらない感じがして残念に思った。
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ネタバレ著者の得意分野はニッチで私の関心分野と若干ズレてはいるのだが、丁寧な取材と冷静な分析に惹かれてフォローしている。農村地域の乱開発や三流別荘地の荒廃振りを見て、安かろう悪かろうな不動産に関わる方が悪いと言いたい気持ちになる。しかし当時は開発・販売事業者、行政や買い手それぞれの思惑が一時的にせよ噛み合った瞬間があった筈である。時代を経て残酷な結果が判明した後に、したり顔で御託を並べるだけではない楽しみ方があるのだと、著者のブログやYouTubeを見て考えた。社会の歪は弱い部分にこそ現れるのかもしれない。
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jackbdc
ネタバレ絵画批評の業界人が真剣に再考しようという発想がユニーク。絵画業界におけるラッセンの立ち位置を抽象化すれば色々な業界に応用可能だろう。似たような構図を探してみるのも面白そう。著者が指摘するとおりラッセンの絵にパワーが宿っていると私も感じるし、カラフルな色調とか可愛いイルカを独特の水族館風の構図は唯一無二だと思う。しかし私もラッセンとヤンキー文化や水商売との相性の良さは認めざるを得ない。何故なのか?作風や売り方の問題だけではない気がする。著しく大衆化が進み、四方八方で見かけるようになったからかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
jackbdc
ネタバレ秘密をテーマにした短編集。人の内面の複雑さ、綺麗な部分とドス黒さが併存する所をしっかり捉える確かな人間力がありそう。同時に暖かな目線で救いのある形で届けてくれる優しさと筆力を備えている。動物視点を借りてリアリティを失わず展開させる筆力も素晴らしい。最後の二つのインパクトはやはり大きいが、他にも秀作揃い。著者が人気作家だとも知らず、今回初めて知ったのだが早速フォロワーになった。著者自身の作家性がカギになるシーンがあるが、変に読書に遠慮せずに自身の影響力を隠そうとせずに堂々と描ききる自信が気持ち良く感じた。
が「ナイス!」と言っています。
jackbdc
ネタバレ大学教員に漠然とした憧れがあったが、厳しい現実を知ると余程の目的意識を持った人でないと割に合わない厳しい世界だと思い知る。若干収入とステイタスは劣るかもしれないが、小中高教員の方が間口も圧倒的に広いし、選択の余地もありそう。労働時間そのものは短そうだが何かと拘束時間が多くてコスパの良くない。短大・公立大・私大職場の比較ができたが最も印象に残ったのは短大だった。給料や内部統治が酷いのは典型的なトップダウン中小企業のそれである。私学助成金が要るのかな?勿論色々と事情もあるのだろうが早く撤退して欲しいと思った。
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ネタバレ仕事は苦役であり生き甲斐でもある。その多面性に迫るため本書では労働者と雇い主の縦関係のみならず、家族や同僚といった横関係にも着目した。私たちの幸福感の捉え方を鑑みれば、このアプローチには期待が出来ると思える。理性的で客観的な富や正義に現実感を得にくいのだが、身近な人間関係を通じたある意味身体感覚的な接触により感情が動かされる事が多い事を知っているから。半径3mの世界で尊厳を大切にされる環境こそ私たちの判断を左右してきたように思う。だとすれば最も大きな変化は産業ではなく家族や居住形態であるように思えるな。
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ネタバレ上下巻で最も多いパートが駅伝当日のランナーの心理と状況を描写する部分である。それが10人分繰り返されるのだが、最初は大丈夫かなと不安に思った。私は生の箱根駅伝を見ていたって往路はまだしも、復路は退屈になるタイプなので。ところがまったく飽きさせない。それどころか徐々に盛り上げていってクライマックスの涙を誘う技術は流石というほかない。とにかく伏線回収の構成や表現力が凄い。テーマは所詮学生スポーツ、TV業界という虚業であり難易度が高いかなと思うが、普遍的なテーマである信念・友情・信頼を見事に描き切っている。
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ネタバレ下巻の最後は感動した。上巻の序盤は冗長に感じ脱落しそうになった。学生ランナーだけでも10何人も登場人物がいるので、キャラを覚えるのが苦手な自分は不安だったが、そんな私でもちゃんと楽しめる構成になっていて助かった。続編が読みたいなと思った人は多いのではないか?登場人物の絶対数が多いので、当然に魅力的な人物も少なくない。その一人一人に物語があるので、正直この分量では描き切れない内容がたくさんある。人数もイベントも物語のモトが多過ぎて描き切れておらず物足りなさが残る。よく言えば食べ足りなさが残ったという感じ。
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ネタバレ温暖化に適応できる種とできない種がある。できる種は高緯度や高地へ移動したり、活動する季節を変えたりして自らに適した舞台を選択する事は比較的短時間で出来そう。暑い気温でも活動できるように進化するにはもう少し長い時間がかかりそう。できない種は絶滅するというが、絶滅の理由は他にも色々とあり得るので特定は難しいだろう。印象に残ったのは、ソローが棲んだウォールデンも温暖化しているという話。氷の厚さが激減したり、見られなくなった草花があったり開花時期が前倒しになっているとか、地球上どこもかしこも暑くなっているらしい。
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ネタバレ江戸時代が大昔の得体の知れない世界ではなく、今の時代と極めて連続的であると改めて知る。私たちが見慣れた社会構造はこの時代におおよそ存在していたのだと思えば、ご先祖様たちに親近感が湧くし、日本史の勉強も意外と楽しくなりそう。印象に残ったのは、統治とお金。幕府が強大な暴力を武器に強制支配した側面もあるだろうが、一旦慣れてしまえばそれが日常になると幕府の暴力に怯えて判断するのではなく、身近な周囲の人たちとの関係性の問題で自然な判断によって生活が営まれる構造となるようだ。そこでお金のやりとりが活発化したのだろう。
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ネタバレ特攻隊にヒロポン入りのチョコレートバーを贈っていたという話は初耳だった。あり得ない話ではない気はするが、これまで殆ど語られてこなかったのは何故なのか?終戦後の時点ではヒロポンの違法性や道徳との距離感が証拠隠滅工作をする程だったとは思えない。知覧や鹿屋の祈念施設で目にしたエピソードでも飲む買うの話は明け透けに展示されていたと記憶する。頻度や量が少なく偶々残らなかったと考える事もできる。勿論断言はできないが。本書の後半はヒロポンより反戦が主題。著者の非戦への道程は非現実的で夢想的に感じて全く共感できなかった。
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ネタバレきこえない親の子どもに生まれて生き辛い経験をしてきた方々が「コーダ」という括りで語られる事により自分だけではなく他にも同じような思いをしている人がいると気付く事で幾らか気持ちが軽くなったと聞いた。コーダの辛さは多様であるし、本人と親や周囲の親族、学校や仕事などの関係性とその捉え方に依存するものである。その構造はヤングケアラーと似ている。専門職が支援したり特定のサービスを入れたからといって解決するとは限らない。ピア的な関係の活用等により主体的に整理し対峙する事をエンパワーする支援のあり方が重要となるだろう。
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ネタバレ自己家畜化は便利な言葉である。著者は精神科医、現代社会で生きづらさを抱えた人に多数直面している。そうした人の中には、狩猟採集社会であればヒーローとして生きられたかもしれないのにと思うそうだ。ヒトは種として多様な特技や癖を持つ人を排出していると思う。高度知識社会化が進むに連れて、そうした多様性が仇となる展開が予見されている。現代社会にフィットし上手く生き抜ける人だけが生き残る社会は、どこか間違っているように私は思うのだが。現代社会の勝ち組に家畜という蔑称を与える事でモヤモヤを多少なりとも解消できるかな。
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ネタバレ村瀬氏の熱意は伝わるが違和感あり。性知識不足を感じたことはない。最低限の知識は学校でも学ぶし、独学でもネットや書籍等で主体的に学ぶ環境が得られると思う。印象に残ったのは、性行為に生殖や癒しのみならず「支配」の意識が宿っているという話。言われてみればそのとおり。しかしそれはそれで肯定しましょう。道徳や法令の範囲内であれば支配被支配の危うさも男女関係の味わい深さではないか?男女で性戦略が異なるのだから、期待値がズレて当たり前ではないか?個人差も大きいと思うし。田島氏の言説が柔軟で合理的なのは好印象であった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/06/19(1461日経過)
記録初日
2020/07/01(1449日経過)
読んだ本
2098冊(1日平均1.45冊)
読んだページ
602028ページ(1日平均415ページ)
感想・レビュー
1985件(投稿率94.6%)
本棚
1棚
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現住所
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