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2024年4月の読書メーターまとめ

ヘジン
読んだ本
8
読んだページ
2848ページ
感想・レビュー
7
ナイス
189ナイス

2024年4月に読んだ本
8

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ヘジン
ネタバレうっすら嫌悪し軽蔑しているからこそ、自分のほうが上だと思わせてくれる女だからこそ、二谷は芦川さんとつきあい、あまつさえ結婚まで考える。えぐいなあ。でも芦川さん視点で見れば、実は人を搾取せんとしてくる会社という組織に最もうまく適応し、二谷を利用する側の強者で、内心では舌を出しているのかも。あと、自分の仕事の負担が増えるのは休む人が悪いのではなく人員を補充しない会社が悪い。日付が変わるまで残業させられ、土日出勤までしなければならないのに労働者同士で憎み合っていたら、本来怒りの矛先が向かうべき資本家の思うつぼ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
7

ヘジン
ネタバレうっすら嫌悪し軽蔑しているからこそ、自分のほうが上だと思わせてくれる女だからこそ、二谷は芦川さんとつきあい、あまつさえ結婚まで考える。えぐいなあ。でも芦川さん視点で見れば、実は人を搾取せんとしてくる会社という組織に最もうまく適応し、二谷を利用する側の強者で、内心では舌を出しているのかも。あと、自分の仕事の負担が増えるのは休む人が悪いのではなく人員を補充しない会社が悪い。日付が変わるまで残業させられ、土日出勤までしなければならないのに労働者同士で憎み合っていたら、本来怒りの矛先が向かうべき資本家の思うつぼ。
が「ナイス!」と言っています。
ヘジン
ネタバレ3部作の最終話。同じ冷徹な描写の繰り返しにイミーの絶望の深さを思う。ジェイ、かつてはドラッグ売っていた悪いやつだしムスリムのくせに酒は飲むけど、ソフィアに対する態度が極めてピュアで紳士的なのは戒律で縛られてるからではなく人間性の表れなんだろうなとか、互いに不本意ながらジェイとイミーがチームを組んでからは徐々にブラザーフッドみが出てきて絶体絶命のところを間一髪で助けるとかお約束だなあと思ったりしていたけれど、そんな楽しい気分も吹き飛んでしまうこのラスト……読み終えて打ちのめされている……。
が「ナイス!」と言っています。
ヘジン
ネタバレ再読。原書は2002年出版。エーレンデュルをたちまち10歳の頃に引き戻した天使の歌声。ラストで流れるのが悲しい。教育虐待されていたクローゼットのグドロイグル。アイスランドは2010年に同性婚が法制化され、同年に首相が世界初の同性婚をした国。ただの人となった元神童を父親が受け入れていれば、あとの時代になって皆の意識が変わればこんな人生の終焉を迎えることはなかった。父親から顧みられないヤングケアラーの子供時代を送り、さらに介護も引き受けなければならなかったステファニアはせめて今からでも人生を取り戻してほしい。
が「ナイス!」と言っています。
ヘジン
16巻以降を読むにあたり、ずいぶん間が空いたので1巻から一気に読み直した。18、19巻は特に泣いた。ずっと悲しく壮絶な話が続くけれど、最後は女であっても貧しい生まれでも人生を切り開いていけるのだという力強いメッセージで締めくくられ、晴れやかな気持ちで読み終えることができてすばらしかった。こんな複雑な話を破綻なく組み立てられるなんて作者は天才じゃないか? 漫画史に残る名作だと思う。そしてやっぱりこういう作品を出すのは白泉社。ジェンダーへの理解に貢献したSF・ファンタジー作品に送られるアザーワイズ賞受賞作品。
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ヘジン
ネタバレ再読。ハルドーラがエーレンデュルを憎むのは当然だろう。しかしその陰でエーレンデュルには自分を許せない理由があった。罪悪感を手放せないからそういう態度しか取れず、家族は皆不幸になった。エヴァ=リンドが目を開けた今、困難でも一から娘と関係を築き直し、自らと和解できる日が来るよう祈っている。「彼女」「母親」「母」「妻」としか書かれていなかった女性は遂にマルグレットという名前を取り戻した。これは正当防衛。だがDV男が死んで娘は新たな人生を得たが、息子2人のその後はハッピーエンドにはほど遠い。鬱々としつつ読了。
が「ナイス!」と言っています。
ヘジン
再読。原書は2000年出版。エーレンデュル50歳。救いようのない悲惨な事件の内容に加えて、湿地帯に建てられた住宅の湿気、すさまじい下水の悪臭、秋の激しい長雨と、ひたすら気分が鬱々となる。捜査は1960年代に起きた出来事にまでさかのぼり、静かな怒りが淡々と描かれる。邦訳最新作の『悪い男』で再び同じ題材を取り上げたのは、現在の状況も多少はましになったにしろ未だ変わらないからで、作者がより直接的に強くメッセージを打ち出しているように思えた。
Haru
2024/04/14 23:40

邦訳最新が出たのですね!

ヘジン
2024/04/14 23:51

Haruさん、『悪い男』よかったですよ。その続きの未訳がまだ6作品あるみたいで、早く先が読みたいです。シリーズの最初のほうはだいぶ内容を忘れているので、今また読み返し中です。

が「ナイス!」と言っています。
ヘジン
ネタバレ"セオリー"が世に出なかったことで、これ以上加害者ばかりがもてはやされるかのようにスポットライトを浴びて、被害者が置き去りにされる事態にならなかったのは救いだ。イジー、アンジェラ、リラ、ジェニーがどんなふうに生きたかということこそが心に刻まれるにふさわしい。カリン・スローターやリサ・ガードナーといった、"女性作家による女性たちの戦いの物語"が"海外ミステリにおける最重要のサブジャンルになった"という、訳者あとがきに引用されている霜月蒼氏の言葉に深くうなずいた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/08/11(1360日経過)
記録初日
2020/08/04(1367日経過)
読んだ本
599冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
183062ページ(1日平均133ページ)
感想・レビュー
564件(投稿率94.2%)
本棚
0棚
職業
自営業
自己紹介

欧米・アジアの翻訳作品が好きですが、それ以外もジャンルを問わず読みます。

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