年齢に応じた生き方みたいのにとらわれがちだが、世之介は全く自由だ。うーんあまり好きになれないなあとずーっと読み続けていたけれど、最終ページではすっかり「頼りがいのあるやつ」になっているのが悔しい（笑）さて下巻はどうなるのだろう

時は疫病の流行時（コロナとは書かれていない）の高齢女性宅に水の販売にきた２０代後半女性とのやりとりの話　[乙事百合子の出身地」ほか10編。年齢問わず様々な人間描写。人間って本当にヘン（残忍、自分勝手、馬鹿なことばかりしている、可笑しい、可愛い。。）な生き物なんだよ、と教えてくれる短編集。一番変なのは「ピピピーズ」かな。いや「あたらしい日よけ」も負けてない。21年ともに暮らした夫への心情をつづった「刺繍の本棚」もぐさりとして二度読み。

ってめんどくさい」に笑い、海が上京する前日の夕食が海作「筑前煮、ミートろーふ、ソラマメのスープ」に妙な取り合わせだけど美味しそうと思い、美佐子の心情に涙し、緑亮には「最低！！」と怒り。。ラストは朝陽を浴びる二人の姿で終了。みんな元気で生きていけますようにと祈る。

「マスク生活いつまで続くんだろうな、と思うけれど、ぼく、この生活がそんなに嫌じゃない」と始まる。「ぼく＝海」は5歳のとき母がいなくなり、いずれ父もいなくなり、高校１年の現在、父の再婚相手の美佐子さんと暮らしている 「ぼく」は美佐子さんを自由にしてあげねばと思っている。美佐子さんが長年働いてきた印刷会社が倒産して仕事を求めて引っ越しした。ぼくは「空気みたいな羽田くん」と呼ばれているいじめ、同性愛、異性愛、友情、親子愛、自立すること。。について、海、忍、りこ、美佐子、緑亮、の5人の章で展開。りこの「リアルな恋

下巻は３月～８月＆15年後・・世之介は落ち着きがない、元気で明るい、自由でお調子者だ・・あまり好きじゃないけど、好きになってしまうという厄介な人だった。二千花もあけみもすごく幸福であり寂しさも感じるであろう、お調子者と付き合ってしまったのだから仕方ない。エバ一家のお話にはハラハラどきどきの展開、ずっと平穏ではいられないのだ。「禍福は糾える縄の如し」とはこういことをいうのかなと思う。ｐ215「この世で一番かっこいいのはリラックスしている人ですよ」

祖父の話も面白くて笑う。成人式に行かなかったという話もとてもよかった・・そして必ずどこか笑えるポイントがある。けれど笑うだけじゃなくて、どれもこれも物悲しさもありシュールさもあり・・とにかくとにかく味わい深いのだ。２，３ページのエピソードが５５本、飽きずに読み進めてしまるのが凄いなあと思う。亡くなってしまったのがとても残念。体があまり丈夫でなかったのかもしれない。残っている他の著作を読もう。・「かまい」京都の小さな本屋さんと母と弟の思い出話の最後が芥川賞受賞のエピソード・・素敵すぎる話で泣けた。

じゃむパンという単語に惹かれた、ジャムパン！！はるか昔食べていたかも、好きではなかったけど。。今もあるのかしら　と考えつつページをめくると2017年9月に亡くなっていることを知り驚く。さらに、小説だと思って読み進めていたら、エッセイ集と知り、更に驚く。実体験のエピソードならばますます面白すぎる。晶子さんは子供の頃、金太郎の腹掛け　をしていた。祖母が体にいいと言い、母はそれを信じ、晶子さんはからかわれるなどしてとても嫌だったという、そりゃそうだと思うし、祖母から母へのエピソードだけで大笑いできる、祖父の話

演技論人生観死生観など興味深い話ばかりだった。「万引き家族」ほか作品をすべて見直したくなった。

2018.9.15に樹木希林さんが亡くなって１年後に出版。2007年から2018.3月までの6回分の対談がまとめられている。樹木希林さんの歴史の一部を見せていただいているストーリーでとても面白くて2回読み通した。さらにもう一回読みたいと思うほど。＜前夫の話を内田さんはいやがるのよと言って見せる乙女の顔＞を見てみたいと思ったり、若い頃の向田邦子さん他俳優演出家等とのやりとりから近年の若手女優とのエピソード、あちらからこちらからとあらゆる方面からものを視るととが意地悪につながっているかもしれないなど思考や演技

年齢に応じた生き方みたいのにとらわれがちだが、世之介は全く自由だ。うーんあまり好きになれないなあとずーっと読み続けていたけれど、最終ページではすっかり「頼りがいのあるやつ」になっているのが悔しい（笑）さて下巻はどうなるのだろう