読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

かえでおかん
読んだ本
25
読んだページ
1217ページ
感想・レビュー
22
ナイス
293ナイス

2024年4月に読んだ本
25

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かえでおかん
6分半 「いっとうのクジラが死んだ」と始まる。亡骸は海底に沈み、その後50年にわたり様々な生物の糧となって消えていく。クジラに集まる生き物たちを年月の経過に沿って紹介していくドキュメンタリー風。巻末の解説は1頁の半分ほどと簡潔だが、続いて本文に登場した生物22種が学名や特徴等が辞書的に記述(イラスト付)。鯨骨生物群集の発見は1987年、以降25例が見つかっているそう。深い青が支配する紙面と平易だが奥に ドラマを感じさせる文章のせいもあって、神秘のベールの裾を摘んでそっと中を覗き込むような静かな興奮を呼ぶ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
22

かえでおかん
3分半 かがくのとも1985年5月号 英伸三さんの写真と長谷川摂子さんの文 撮影地は、大分・愛媛・新潟・長野・群馬・東京・大阪・千葉・福岡の9都府県に及ぶ。鯉幟が気持ち良さそうに空を泳ぐ写真が見開き1画面で続く。(無風で垂れ下がった姿も1カットあり)今はほんとうに少なくなってしまった。出版された時代よりももっと遡って、自分が子どもの頃を思い出す。幼年時代に見たのと同じ風景を差し出されるのだもの。古いアルバムをめくっているような懐かしい気持ちでいっぱいになった。きょうびのお子たちの目には新鮮に映るのかな?
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ9分弱 行事の由来えほんシリーズの1冊。本は横長で縦書 兄弟が窓から眺める向かいのマンションでは、3戸ほどベランダに小さな鯉のぼりを飾る。屋根より低い鯉のぼり🎵と兄が歌う。弟が幼稚園で先生にその話をすると、先生は鯉のぼりの由緒を語り、子どもたちと大きな鯉のぼりを作る。数日後幼稚園バスに乗って山の近くへ。鯉のぼりの川渡しをしているところで、園の鯉のぼりも仲間入り。村の人に筍ご飯や柏餅を振る舞われ、いっぱい遊ぶ子どもたち。2001年刊だが、もう少し前の時代の雰囲気を感じるのは、福田岩緒さんの画風のせいかしら…
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ動物写真家宮崎学さんの写真絵本 近藤薫美子著「のにっき」を読んだ勢いで手に取ってしまった。車道に横たわる動物の死骸を次々と見ていく。1匹のキツネの死骸を土の上に運び、ロボットカメラで1時間おきに撮影して土に還るまでを追う。昆虫、蛙、鳥、鯨、魚…様々な生き物の死骸を様々な生き物が食べる。シジュウカラやヤマガラも屍肉を啄むのか!肉を捌くヒトの写真もその一つ。巻末には本書に登場した54種の名称が並ぶ。“命をいただく”ではなく“死を食べる”の直截的な語感が相応しいインパクトある写真に、辟易しつつも考えさせられた。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ3分半 神沢/吉田著「エゾマツ」に続いて。本書の主役は1本のミズナラ、落葉広葉樹の高木。針葉樹に比べ、緑が明るい。先に読んだ本に描かれた森と好対照でおもしろい。ミズナラの大木の春夏秋冬が木の周辺にやってくる動物たちとともに描かれる。鹿・リス・兎・猿・猪・熊たちがどんぐりを食べる。長い年月を経て、弱ったミズナラは強風に倒れる。月下動物が倒木の周りに集まる様は、釈迦涅槃図よね。苔に覆われ朽ちていくミズナラの傍らで若木が育ち、また実をつけ動物たちを養っていく。見開き1画面、字は下端の余白に1〜2行ずつ。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ4分半 かがくのとも1986年8月号 吉田勝彦さんの精緻な絵に溜め息が出る。見返しの森の木立ちは、エッチングかしら、素敵。ものすごく細かい描き込みと筆の動きが目に浮かぶような絵の具の伸びが混在する水彩画からは、木々の息づかいが聞こえてきそう。北海道の深い森、エゾマツたちの夏・秋・冬から春の芽生え、四季折々の成長が阻害される場面に続いて倒木更新のドラマが描かれる。エゾマツたちの命の継承が永遠に繰り返されることを祈らずにはいられない。幸田文「えぞ松の更新」(初出『學燈』1971年1月号)の影響、あったのかな…
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
9分 小寺卓矢さんの写真絵本。北海道の阿寒や東大雪の森で撮影されたものだそう。北海道の森のスケール感は、私が住む地方からは想像しにくいほど大きいと思う。深い森の中を歩き、鹿やリスと出会う。クルミをかじるリスの姿が見開きいっぱいに広がる。キツツキの音、渓流のせせらぎ、森の音も聞こえる。命を終えた倒木にキノコやエゾマツの芽を見つけ、「あたらしいいのちのゆりかご」と表現する小寺さんのセンスに感服。命に溢れた森そのものが愛おしくなる。高学年に静かに静かに読んでみたいわぁ…。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ2019年ペルシア語で刊行。巻末で著者のシャフルザード・シャフルジェルディーは「創作にあたっては、戦争を描きながらも、その悲しみや辛さが子どもたちの心の負担にならない形にしたいと考えました」と。壊れかけの室内にいる兄妹が、出発の準備をする。冒険家になろうと幼い妹を励ます兄もまだ子ども。空爆や戦闘から逃れ、野宿しながら進む避難民の群れ。辛い道程を経て難民キャンプに辿り着く。ずっと妹を守り続け、疲れ果てた兄を力づける妹。最後は日本の学校の教室内で、妹は自分の冒険行の本を持つ。描写なくとも想像力に訴えてくる。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ「すてきなひとりぼっち」に続いて一平くんが再び登場。今度は、“ういてる”って、絵ではほんとうに物理的に浮いた状態として表現されている。そのわかりやすさとシュール感とすっきりしたスタイリッシュな絵は、前作同様。周囲の友だちに馴染んでいない“ういてる”とまさにウキウキした心情が反映した“ういてる”が同じような浮遊状態として表現され、おもしろいと思った。手に持った風船の色が気持ちの浮沈を表しているのも、おしゃれに見える。ほのかさんとのやりとりの甘酸っぱいこと。みんなういてるという気づき良し。未来への希望良し。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ2017年韓国刊。巻末著者紹介文の前半は著者自身の言葉かしらね。ユン・ヨリムの言は、子も親も分離不安を克服して自由に生きてという趣旨。トイレに入っては泣かれ、ゴミ捨てに出ては泣かれ、幼稚園に登園しては泣かれ…あー、あったあったと自分の子育て期の同様の経験が引き出される。別れている時間はだんだん長くなっていくが、また会えるとわかっているから大丈夫。帰ってきたら抱きしめてあげるから、って。親の子離れを励ます本として、大人が読むといいと思った。絵は「すいかのプール」のアンニョン・タル
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
2020年ベトナム刊。自然保護活動家チャン・グエンTrang Nguyen(1990- )の自伝的グラフィックノベル。8歳の時、クマが胆汁を抜かれる様子を見て衝撃を受け、野生動物を守る決意を固める。そのために必要な勉強や体力作りを積み重ね貪欲に機会を狙い、年齢・ベトナム人・女性といったハンディを乗り越えて、野生動物保護センターに働き口を得る。担当したマレーグマの赤ちゃんソリアを育てて野生に帰すまでの年月が丁寧に描かれる。熱帯雨林の自然、保護活動の施設や道具、動物たちの多彩な表情etcの細やかな描写に瞠目。
かえでおかん
2024/04/24 15:15

人物の顔の表現は、マンガ風というかアニメ絵っぽくもあるが、湿った大気に覆われた広大な熱帯雨林を遠望する見開きはまるで寺院の障壁に描かれた雄渾な水墨画のよう。溜め息をついて見惚れる場面もしばしば。ソリアの可愛らしさ、チャーンの情熱の迸り、動物に迫る危険等々、見入っちゃうもんだから先になかなか進めない読書と相成った。

が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
5分弱 初出かがくのとも1985年4月号 1960年代後半から70年代初め頃のイメージかな。赤電話は1971年〜のタイプみたいだし、ぼくの好きなのはドラえもんだし。うん、私の実感もそんなかんじかもう少し古いかんじ。とても珍しいお店とありふれたお店があって、後者については細部は異なれど、こんなお店あったよなぁ…とか、これ、これ!と絵を指差したりと、昔を懐かしんでしまった。でも、今どきのお子たちには異世界だよね!だからこそのワクワク感があるといいな!じじやばばと一緒に盛り上がるといいな!絵のレトロ感に微笑。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ2000年アメリカ刊。リビーはママに嘘をついたことを猛省し、これからは本当のことを言うと決意。が、“言い方!”ってやつで、友だちを傷つけてばかり。近所のおばさんにまで失礼な発言。総スカンを喰らい、ママに相談して助言してもらう。以後“言い方”に配慮した誠意と思いやりある言葉を交わすことで、みんなとの信頼関係を回復する。ジゼル・ポターの癖のある絵のせいで、お話がウェットにならないのが好き。有色率高めで多様性を感じさせる一方で、女子は1人を除きスカート、日曜日町の子どもたちは教会へ行くコンサバ感もあり。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
死んだイタチが土に還るまで、11月から翌5月までの半年。見開き1画面。日付入りでドキュメンタリー風。まるで九相図を見ているようで、気分は修行僧…。徐々に朽ちていきながら、無数の生き物を養う。命の尊さを感じつつ、イタチの毛に潜り込んだ虫や小動物たちのユーモアある会話に微笑を誘われる。台詞が吹き出しになっていて、骸の腐敗と対峙するシビアさを緩和してくれる。細かく描き込まれているため、多人数相手の読み聞かせは無理。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ表紙の地オランダ国旗。1940年5月ナチスがオランダに侵攻。物語は1941年12月の出来事。ピートはスケート職人の家に生まれ、将来スケートレースに出場することを夢見る10歳。父親は連合軍兵士として出征中。同級生ヨハンナの父親がレジスタンス活動が露見しドイツ兵に連行され、周りの人々はヨハンナと弟をベルギーのおばのもとへ逃がす計画を立てる。運河をスケートで進むガイド役に見込まれたピートは、勇敢なオランダ人、スケート職人の家の生まれ、スケート好きといった誇りを持って、困難な役目を果たす。送り出す祖父や母に瞠目。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
6分半 「いっとうのクジラが死んだ」と始まる。亡骸は海底に沈み、その後50年にわたり様々な生物の糧となって消えていく。クジラに集まる生き物たちを年月の経過に沿って紹介していくドキュメンタリー風。巻末の解説は1頁の半分ほどと簡潔だが、続いて本文に登場した生物22種が学名や特徴等が辞書的に記述(イラスト付)。鯨骨生物群集の発見は1987年、以降25例が見つかっているそう。深い青が支配する紙面と平易だが奥に ドラマを感じさせる文章のせいもあって、神秘のベールの裾を摘んでそっと中を覗き込むような静かな興奮を呼ぶ。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレオランダ1991年刊。ヘイマンス姉妹の共作。ある家族の物語。ママは亡くなっていて、パパは在宅だが仕事が忙しく自分の世界に引きこもり、姉のハンナが弟の世話を含む家事一切を引き受けていたが、ある日ついにママの庭にプチ家出。無関心なパパ、姉に頼まれた物を家から運んでやる一方で本の世界との境界を曖昧にしていく弟、生活の場を整えるべく奮闘するハンナ。姉弟はママの声と会話するし、生活の現実味は粗密があり、私にはとても不思議な世界に映る。だが三者三様でけっこう勝手にやっている感じが好き。ラストはママの庭で3人が再出発。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
6分半 かわいい動物たちとおいしいアイスクリーム&かき氷がぎゅうぎゅうに詰まった1冊。ふくざわさんのこのシリーズは、茶系の色が多用されているので、秋のイメージに近しい。アイス&かき氷は夏のものと思っている私は、秋色に脳がバグる。しろくまのアイスとペンギンのかき氷、どっちがおいしいか張り合っちゃうのも、作り手の意地なんかそっちのけでわちゃわちゃ食べる楽しみを追求するひよこちゃんズもかわいいわ。ただ飯テロか⁈ってなくらいおいしそうなスイーツが溢れていて、つられて食べたくなっちゃうので要注意ね!
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
6分半 スペイン2021年刊。かすかに見える少女と全盲で白杖を使うパパが、娘の学校まで手をつないで歩いていく。親子で会話しながらの楽しい道程だ。2人は車の音で車種がわかる。動物の名を持つ車は、屋根にその動物を乗せて走っているというのが、2人が共有するイメージで、絵もそのように描かれる。車に限らず、街中の様々な音は動物に関連付けられ、道をゆく2人の周囲にはユーモラスに描かれた動物が幾種もいる。少女は、物知りで心眼の冴えているパパを隊長さんと呼び信頼する。細やかな愛情に満ちた父娘をずっと見ていたいと思った。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
イギリス、1987年刊。ジョーン・エイキン(1924-2004)による中世風おとぎ話。7歳の少年セッピーは、国一番のバイオリン弾きになれるよう月に願掛けして、古靴7足の片方を空に投げる。靴の汚れでシミができた月は怒って、願いはきまりなのでかなえるが、セッピーと家族に災難を齎す呪いをかける。最大の不幸は生まれてきた妹は口が聞けないこと。でも妹はセッピーの演奏が大好きでいつも一緒。ある時海辺で王様の幽霊に会い、新しいバイオリンを手に入れる。妹が7歳になると海から怪物が現れて…。不思議の連続と美しい挿絵に酔う。
かえでおかん
2024/04/03 20:40

中世風と思ったけれど、イギリス史の時代区分ではテューダー朝以降が近代か〜。(-。-;

が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ5分半 「月のふしぎ」に続くはじめてのかがくのえほんシリーズ2冊目。絵は「月の…」と同じ石垣渉さん。1作目同様の情感漂う味わいが魅力的だ。ほぼ見開き1画面で、砂漠にミーアキャット、南極にペンギン或いは高層湿原に揚羽蝶と生き物の生活を感じさせる場面が多い。ゆったりと始まり雲の中でできた小さな氷の粒が落ちながら雪になるという科学的な説明から雪遊びや雪下ろしなどの生活シーン、雪の中の生き物などへと視点が変わっていく。それから雪と生物の進化、水の循環と終わりが近づくと文章量が増え説明も高度に。対象年齢、迷うわ!
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
ネタバレ11分 寒い冬を楽しむ様子は、北欧発の絵本でよく窺う気がするが、本作はカナダ2017年刊で、雪や氷に遊びを見出す人の知恵はどこも同じなのだと改めて思った。さすがホモ・ルーデンス。12月の満月を迎えた月曜日、午後4時子ども達は出発する。雪の山道を歩いて氷に覆われた池に着くと、スケートリンクを作り、暗闇の中でアイスホッケーに興じる。ひとしきり遊んでまた山道を越えて帰宅、就寝。荒井良二さんっぽい大胆な筆使いの絵。迫力のある構図や場面転換、ゲームが白熱すると4頁文字なしとかやってくるし、惹きつけられた。
が「ナイス!」と言っています。
かえでおかん
季節の移り変わりとともに変化する桜の1年間を、イラストで追う。見開き1画面に1本の桜の木を描くページと、精緻な観察画を何カットも並べて細部を図鑑のように解説するページが交互になっている。1本の桜の定点観測は、2/15・3/1・3/28・4/8(根元にズーム)・5/20・11/4・11/24・日付なしの満開のお花見シーン。これらのイラストは観察画というより印象重視の風景画で、筆致に差をつけているのが面白い。根や幹、実、葉など花以外の変化も丁寧に説明され、改めて興味が湧く。ウメノキゴケ、その名を初めて知った!
かえでおかん
2024/04/01 21:29

主人公の桜は、当然のようにソメイヨシノ。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/09/25(1318日経過)
記録初日
2020/09/25(1318日経過)
読んだ本
2267冊(1日平均1.72冊)
読んだページ
95321ページ(1日平均72ページ)
感想・レビュー
1645件(投稿率72.6%)
本棚
32棚
自己紹介

子どもの独立後、自分の楽しみとして、子ども向けの本を読み散らかしています。
ところが読んだ端から忘れてしまうのです。それが惜しくて、どんな本か思い出せるように読メにメモを残すことにしました。自分用の備忘録なので、雑な書き方をしております。お目汚しお許しください。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう