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2024年10月の読書メーターまとめ

tukasa
読んだ本
6
読んだページ
1836ページ
感想・レビュー
6
ナイス
104ナイス

2024年10月に読んだ本
6

2024年10月のお気に入り登録
1

  • ぽつねん

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • ぽつねん

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

tukasa
7万年前「同じフィクションを共有する能力」に目覚めたサピエンスが同輩のヒト属や驚くほど多くの地上生物を絶滅に追いやった『認知革命』も、「史上最大の詐欺」「小麦に家畜化された」とまでこき下ろされる『農業革命』も、とてもセンセーショナルで面白かった。ヒトの社会は想像上の秩序で保たれており、現在当たり前に信じられている「自由と平等」「国家と経済」などもフィクションであるという解説には、岸田秀『ものぐさ精神分析』の「唯幻論」を何度も思い出した。とりあえず、人がなぜこれほど「物語」を欲するのかはわかった気がする。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

tukasa

「日本の女性作家が描く女性主人公のハードボイルド小説」があるなら読んでみたい、とふと思ったのだけど、何かあるだろうか。柚月裕子さんの『慈雨』は読んだけどあれは男性主人公だったし。他だと桐野夏生さんや乃南アサさん辺りだろうか。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
6

tukasa
7万年前「同じフィクションを共有する能力」に目覚めたサピエンスが同輩のヒト属や驚くほど多くの地上生物を絶滅に追いやった『認知革命』も、「史上最大の詐欺」「小麦に家畜化された」とまでこき下ろされる『農業革命』も、とてもセンセーショナルで面白かった。ヒトの社会は想像上の秩序で保たれており、現在当たり前に信じられている「自由と平等」「国家と経済」などもフィクションであるという解説には、岸田秀『ものぐさ精神分析』の「唯幻論」を何度も思い出した。とりあえず、人がなぜこれほど「物語」を欲するのかはわかった気がする。
が「ナイス!」と言っています。
tukasa
「自分は怒りに勝てなかったからやったんですよ」終盤ある人物が言う、この言葉が強く印象に残る。私は津村さんの小説から、ユーモアで覆った諦観と、諦観の奥底でふつふつと溶岩のように滾る怒りを感じるのだけど、その怒りをどうすればいいかの話でもあったように思う。踏みにじられた者が、その怒りに囚われ、また別の誰かを踏みにじる。そんな不毛な連鎖も、何でもない挨拶のような会話や、善行と言うほどでもないちょっとした親切で、止まることだってあるのかもしれない。大量の人物が登場する群像劇で序盤はかなり混乱したが、読後感は充実。
が「ナイス!」と言っています。
tukasa
札幌出身、編集者、小説家、チェスに将棋、そして音楽。おそらく作者自身を色濃く投影したと思われる主人公たちの短編が四つ。人生の岐路に若き日を回想する形式が多く、そこには否応なく郷愁と感傷が漂う。だがそれはただ後ろ向きなだけでなく、今ここの立ち位置を確認する為に必要なサイクルであったようだ。どれも切ない味を残すが、後半二篇がより好きかも。
が「ナイス!」と言っています。
tukasa
終戦から79年。もはや戦争に実感を伴える日本人の方がまれだろう。何が起こっているかもわからないまま死者の数字だけが伝えられ、型にはまったお役所仕事で進められる「戦争」は淡々とシュールだ。ただ、終章は思ったよりもセンチメンタルな着地だったなという印象。私たちの日常も、町と繋がり世界と繋がり、遠いどこかの戦場とも繋がっている。ここでの「戦争」とは言葉通りの意味だけでなく、無関心や無感動に流される様々な事柄の比喩でもあるのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
tukasa
奇想天外な話ではあったが、あまり物語に入り込めず、そうなると分量と度々変わる視点が負荷になり苦戦してしまった。読み終わってみると、これは私の読み筋が間違っていたのかなと思う。この話は主要人物に寄り添って見るのではなく、おそらくは、大阪という土地や歴史や気風そのものを主役として見るべき話だったのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
tukasa
バラエティに富んだ短編集。とてもよかった。表題作の最後の1ページで嗚咽が込み上げ、続く「王国」では最後の一文で目頭に来た。孤独な者、蔑ろにされる者、疎外される者。彼らがほんの少しの、何でもないような親切、やさしさに触れる姿に、感極まってしまう。愛すべき人、困った人々をユーモアでくるみ、時折ちらりと、他者を平然と踏みにじる者への激しい怒りを覗かす。私が津村さんを好きになり、ずっと信用しているエッセンスが詰まったような作品集だった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/11/11(1473日経過)
記録初日
2007/09/01(6293日経過)
読んだ本
410冊(1日平均0.07冊)
読んだページ
121191ページ(1日平均19ページ)
感想・レビュー
94件(投稿率22.9%)
本棚
2棚
自己紹介

ここ数年めっきり本を読まなくなってしまったけれど、誰かの感想を聞きたい、あわよくば自分も語りたい、という欲が嵩じて登録しました。

これまで好きになった作家:筒井康隆、星新一、平井和正、フィリップ・K・ディック、橋本治、川西蘭、仁川高丸、北村薫、川上弘美、絲山秋子、津村記久子

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