発達障害を持つ5歳の男の子が樹海のような森でしかも初冬の季節に迷子になり7日間も生き抜いたのは、 心根の優しい４人の人間と一匹の熊に助けられたという夢物語だけど、真人くんがとっても可愛くて素直だから人間たちはそれぞれ相当厄介な事を抱えているのにほっとけなかったんやろなぁ！ 森のくまさんも母性をくすぐられるほど真人くんが愛おしかったんやろなぁ！ 真人くんに会ってみたいなぁ。 真人くんがお母さんに『ううん、たのしかったよ』と伝えた場面が嬉しくて好きやなぁ。

大切な人を亡くすのはとてもつらく時を重ねても癒されることはなくとても寂しいことです。中学生の夏子は亡き妹の想いを叶えるために友人『マチ』の力を借りて宮崎への旅に出ます。大阪では漫才コンビ『ボナサンズ』と彼女さんに、博多では屋台のラーメン店を営む美鈴さんと娘のタカラちゃんに、そしておばあちゃんにも助けられて、多くの大人たちの寛大な優しさに包まれて成長します。人はなにかを見つけるために生きていくけど、一生かけても見つからないかもしれず、それでもさまよい歩くことも夢なのだから良いのだと語る夏子の夏は有意義です。

よしだるみさんの絵は可愛くて見ているだけで優しくなれます。 職場の後輩にお子さんが産まれるたびにお祝いとして購入しています。

大した期待も抱かずに故郷から離れたいだけで東京の大学に入学した暖平は入学式で出会った落語研究会部長の落語に惹かれて落語を話すようになる。 出会いは大切なんだと思わせるひとりの若者の成長物語りでした。 落語に出会う事で写真館を営む父親の人柄と技術の高さを知り、人を喜ばせる大切さと嬉しさを知り、失恋はしたけど良い人生を歩んでいるなぁと羨ましくなりました。

発達障害を持つ5歳の男の子が樹海のような森でしかも初冬の季節に迷子になり7日間も生き抜いたのは、 心根の優しい４人の人間と一匹の熊に助けられたという夢物語だけど、真人くんがとっても可愛くて素直だから人間たちはそれぞれ相当厄介な事を抱えているのにほっとけなかったんやろなぁ！ 森のくまさんも母性をくすぐられるほど真人くんが愛おしかったんやろなぁ！ 真人くんに会ってみたいなぁ。 真人くんがお母さんに『ううん、たのしかったよ』と伝えた場面が嬉しくて好きやなぁ。

貧困問題・複雑な家庭事情と子ども食堂に関わる多感な時期の中学生が起こす細やかな逃避行、亡き母と父の想いを引き継いだ男子と優しい気持ちを保ちつつ見事に成長した女子からの思いもかけない出世払い。いろんな伏線が見事に絡み合い着地し気持ち良く読了させて貰いました。タイトルは『おいしくて泣くとき』ですが私には『嬉しくて泣くとき』で物語の終盤は涙腺が緩みっぱなしで文字が霞んで読み切れませんでした。

家族とは何だろう？ いつも一人旅をして家族とは離れたところにいるダメな父親は、実は家の隠し部屋で静かに過ごし家族を見守っている。 一つの生き方なんだろうけど、なんか寂しい、それでも家族が好きなんだろうなぁ。 父親が隠し部屋で夢想した旅行記とか楽しそうです、お父さんと話してみたくなりました。

たくさんの人が暮らす日本では、人との関わりは避けられず、どこかで気を使ってしまいます。自分を押さえるのは疲れます。それが嫌なら思った通りに生きればいいのに嫌われたくなくて躊躇してしまう。その場の空気や雰囲気や誰かが作った常識、目には見えない何かに気兼ねして自分を曲げてその場を取り繕うのは情けない、三葉のようにまっすぐに生きたい、生きなきゃいけない。自分のことは自分で決めてその結果も責任も受け入れなくてはいけませんね。