前作「同志少女よ、敵を撃て」に匹敵する名作。戦争犯罪とはなんなのか、何も知らなかった一般大衆は無実であると言えるのか、同じ敗戦国であるドイツと日本を比べて、思いを巡らせた。ヴェルナーのセリフ「君が作ったのは、文化なんだ。敵と味方の区別を無効化して、歌の下に人を集めることができる、文化なんだよ。その力で僕を助けてくれ。文化が、野蛮に勝つところを見せつけてくれ」が胸に迫る。ナチズム下のドイツに実在したエーデルヴァイス海賊団を徹底的に取材したうえで創作された極上の歴史青春小説。著者の次回作が待ち遠しい。

過去の名作と呼ばれる文学作品へのオマージュやパロディが散りばめられた、本を巡る冒険譚。この本を読み終えて、改めて、古今東西さまざまな名作を読みたくなる。印象に残ったセリフを３つ引用。「苦痛に満ちた世界を生きていくうえでの最良の武器は、理屈でも腕力でもない。ユーモアだ」「お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう」「本を読めばわかるんです。理屈で何かを語るよりずっと大切なこと、人は一人で生きているわけじゃないってことが、簡単にわかるんです」

「ちはやふる」の待望の続編。千早・太一などが卒業した瑞沢かるた部のその後を描く。競技かるたに青春をかける高校生たちがコミカルに描かれていて、期待に違わぬ傑作。競技かるた部員全員に読んでほしい。

前作「同志少女よ、敵を撃て」に匹敵する名作。戦争犯罪とはなんなのか、何も知らなかった一般大衆は無実であると言えるのか、同じ敗戦国であるドイツと日本を比べて、思いを巡らせた。ヴェルナーのセリフ「君が作ったのは、文化なんだ。敵と味方の区別を無効化して、歌の下に人を集めることができる、文化なんだよ。その力で僕を助けてくれ。文化が、野蛮に勝つところを見せつけてくれ」が胸に迫る。ナチズム下のドイツに実在したエーデルヴァイス海賊団を徹底的に取材したうえで創作された極上の歴史青春小説。著者の次回作が待ち遠しい。

ハンセン病患者への差別を描く。３年前に高校生を引率した研修旅行で大島青松園を訪問したことを思い出した。この本の著者のドリアン助川は、ハンセン病療養所を丹念に取材したらしい。大島青松園の納骨堂近くの丘で強い風に吹かれながら感じたことが強く印象に残っている。