認知症を発症した親とその娘達の生活をとてもリアルに描いていた。そのリアルさは実際に体験した身であるが故に、とてつもなく実感として伝わってきた。少しずつ…徐々に遠ざかってゆく感覚。タイトルは言い得て妙だった。

まったりゆるく読めるエッセイ。この手のエッセイの内容は割りとあるあると共感出来るものが多いが、これも結構頷きながら読める感じでした。巻末とチョイチョイ出てくる角田さん家の猫のトトが可愛かった💕

薄く靄がかかったような…夢の中にいるみたいな物語だった。何でもない見慣れたありふれた日常の景色を直視するのではなく、目の端に捉えているような…覚えているようで覚えていない、自分で脚色しておきながら、脚色した事も忘れ、いつしか事実の記憶として頭に定着してしまった思い出のような… そんな物語でした。

タイトルから連想されるようなガイドブックではない。沖縄と言うものをどのように見て、評価し、形容してきたかを問うものだった。複雑に絡み合ったものを単純に白か黒かで判断する事の愚かしさを知ると同時に、いかにこの多様性を頭で消化すれば良いのかの葛藤が率直に語られていた。要はもうありのままを各個人が自分なりに受け止めれば良いと思った。

認知症を発症した親とその娘達の生活をとてもリアルに描いていた。そのリアルさは実際に体験した身であるが故に、とてつもなく実感として伝わってきた。少しずつ…徐々に遠ざかってゆく感覚。タイトルは言い得て妙だった。

今年こそ…って今年も駄目なんだろうな…🌠

岸政彦氏の日常をまさに色を付けずに記した日記。時にダークな感情も書かれていて、日記然としていて面白かった。最終章の猫のおはぎとの最期を記したおはぎ日記が切なく悲しかった。いつかは訪れる愛する家族との別れは、生々しくもよく晴れた暖かい日射しが射し込む窓辺の日溜まりの静けさを放っていた。