父親が殺されるというショッキングな内容でありながら、変な暗さを感じさせず淡々と進んでいくストーリー。一気に読ませるところはさすが東野さん。物語の中で印象に残ったのは、全国民のDNA型データベースの構築について。仮にそんなことが実行されれば、国民は大反対するだろうが、犯罪被害者の立場に立てば必要なことと思ってしまう。現実的ではないが、出生時から取り組んでおけば悲惨な事件の抑止になり、重大事件の早期解決も図れる。でも実際のところ、支配する側を全面的に信じることは難しく、やはり現実的ではないのだろうと思った。

年を重ねてからでも頭が良くなる、むしろ若い頃より勉強に向いていると言われれば俄然勇気が湧いてくる。記憶については、覚えようとするより理解しようと心がける。喜怒哀楽でエピソード記憶を狙う。学んだことはその日のうちに復習する。脳全体を活性化させるために運動する。手間はかかるかもしれないができないことではない。折角なのでできることを実行してみよう。

第二次世界大戦の前後にかけてよくこれだけ壮大な旅ができたものだととても感慨深い内容だ。盗賊に襲われそうになるなど数々のピンチを迎えながら、その全てを乗り越えて生還したのは正に奇跡と言えるのではないか。当時の時代のなせる技であり、こういった経験を今後味わえる人はまず現れないだろう。また、日本人が大戦中、アジア地域で発展に貢献したとの向きもあるが、ビンタなどの体罰や相手を下に見る発言があったことを窺わせる記載があるのも歴史資料として大変貴重であると思う。

健康のためには、糖と脂肪が良くないとざっくりは聞くけど、実際は適切な炭水化物は必要だし、良質な脂肪も必要ということ。健康維持には筋肉が必要だし、バランス的には良質な脂肪摂取を心がけていこうと思う。

物語の最初から恐怖心を煽られ、最後まで間延びすることなく楽しく読めた。そもそも題名からして怖い。短いエピソードが連続して進んでいく構成なので、どんどん次が気になり一気読み。ただ、個人的には最後のオチがイマイチ分からず、とても残念。他の人のレビューを見る限り、それまでのエピソードが袋とじの中身とかで最後に解明されているのだろう。

別班の話を本当に書くならガードを付ける、情報提供者からこれ程の恐ろしい発言があっても記事を書いた著者。石井暁氏の執念を感じる一冊である。国際的な問題に発展する可能性を考えれば、シビリアンコントロールが効かない別班の存在は由々しき問題だ。災害救助など国民を守るために献身的な活動を行う自衛隊。それが陽だとすれば、別班の存在は正に陰だと言える。交戦的な他国と対峙するには、スパイ活動など全ては開示できない活動も必要かもしれないし、数年で変わる大臣を都度巻き込むことも現実的ではない。とても難しい問題だと思う。

この本を読んでいると確かに陰謀論だと思わせられる。しかし、ボイスレコーダーの音声であったり、現場を撮影した映像であったり、そうした証拠が何故開示されないのか、本当の理由が知りたい。今後の情報開示を期待する。