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2024年10月の読書メーターまとめ

宙太郎
読んだ本
10
読んだページ
3233ページ
感想・レビュー
10
ナイス
54ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • 杜のカラス

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

宙太郎
ネタバレ主人公ローランは偶然拾ったハンドバッグの持ち主にただならぬ興味を抱き、持ち主を特定しようとする。彼のやってることはストーカー一歩手前…というか、もはや犯罪行為に二歩三歩踏み込んでしまっている。どんな悲惨な結末が待っているのかとドキドキしながら読み進めたのだが、そんなカタストロフは一向に起こらない。裏表紙にある”大人のためのおとぎ話”というのが正鵠をついているのだろう。確かにおとぎ話と割り切れば面白く読めるのだ。膠着した状況を打ち破るクロエの終盤での活躍など胸がすっとする。読者を選ぶが、スマートな作品だ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

宙太郎

2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3280ページ ナイス数:51ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1257733/summary/monthly/2024/9 振り返れば地味めのラインナップ。中では「ぼくのメジャースプーン」が飛びぬけて面白かった。これは傑作。山川方夫氏「箱の中のあなた」もなかなか。「午後三時にビールを」は友人誘って飲みに行きたくなるエッセイ集。さて今月はどんな本に出会えるかな? 楽しみ~

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

宙太郎
今月26日に京都で開かれた旦部先生のセミナー「コーヒー:利用の起源と植物化学」に参加するため予習代わりに再読。結局当日までには読了できなかったけれど、セミナーは楽しかった。コーヒーノキの植物学的な特徴から始まって、その利用歴史、コーヒーの味わいの成分、焙煎と抽出の科学、健康への影響まで、再読して改めてその死角のない内容に圧倒される。それでもあとがきには「ページ数を減らすため、草稿を大幅にカット」したと書かれていて、ベースとなっている情報量を思うと、そら恐ろしいものがある。理系の人にとって紛うことなき名著。
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宙太郎
ネタバレ主人公ローランは偶然拾ったハンドバッグの持ち主にただならぬ興味を抱き、持ち主を特定しようとする。彼のやってることはストーカー一歩手前…というか、もはや犯罪行為に二歩三歩踏み込んでしまっている。どんな悲惨な結末が待っているのかとドキドキしながら読み進めたのだが、そんなカタストロフは一向に起こらない。裏表紙にある”大人のためのおとぎ話”というのが正鵠をついているのだろう。確かにおとぎ話と割り切れば面白く読めるのだ。膠着した状況を打ち破るクロエの終盤での活躍など胸がすっとする。読者を選ぶが、スマートな作品だ。
が「ナイス!」と言っています。
宙太郎
ネタバレなかなか衝撃的なタイトルだけれど、相手から提示された課題図書についての感想などを奇数回は妻の田辺さんが、偶数回は夫の円城さんが執筆するというスタイルなので、甲論乙駁の論争とはなるはずもなく、エッセイは淡々と続いていきます。内容に夫婦の危機を感じる人もいたみたいですが、個人的にはそれほど危機的でもなさそうに感じましたし、しまいには「だからやっぱり、素朴なところ、結婚してよかったなあ、と思うわけです。」なんていうノロケまで聞かせていただける。僕としても読みたい本も何冊か見つかったし、めでたしめでたし、だよね?
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宙太郎
ネタバレ東京在住の犯人がわざわざ岡山県まで出向いて一人二役を3カ月も続けてみたり、狙う相手に死仮面を送り付けて陰謀が進捗しているのを悟られたりと、どうにも何がやりたいのか理解しかねるなど、本格ミステリとして読めば突っ込みどころはいろいろ。”話が陰惨すぎる”せいで”(作者自身)この作品を毛嫌いし”ていたと横溝氏も書いているが、どちらかと言えば論理的整合性のある結末を設定できなかったのが”毛嫌い”の原因ではなかったろうか。とは言え、横溝先生ならではのあの語り口は何とも懐かしく、気持ちよく読み進められるのはさすがだ。
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宙太郎
ネタバレ尾崎翠氏の映画脚本を原案として津原泰水氏が小説化したもの。ただ、津原氏がどの程度手を入れたのかはよく分からない。主要登場人物の三姉妹のそれぞれが話の焦点となる章が次々に入れ替わるし、各章の終わりも盛り上げたままで引きとなる構成が多く、加えて登場人物がいずれも一癖ある性格と因縁めいた過去を引きずっていることもあって、ゴタついた印象は否めない。原案についての津原氏の「非生産的な寸劇が重なるばかりで、ダイナミックな流れは一向に生じない」という批評は小説にもそのまま当てはまるように思う。面白く読ませるんだけどね。
宙太郎
ネタバレ多分僕は塚本氏の短歌の良さをその一割も理解し得ていない。それでも、氏の短歌は好きだ。氏の短歌を読むとき、いつも”不羈”という言葉が頭の中に浮かぶ。”繋がれない”、”縛られない”という意味だ。一般には素晴らしいものとみなされている父母から受ける愛情や妻との生活さえも氏の短歌の中では自らの独立性を脅かすものとして冷たい視線が注がれているような気がする。巻末の「碧川瞬青春歌集」はずっと意味が取りやすく、しかも氏の感性は後日の短歌に引き継がれている。氏の短歌の核となる部分を推し量るに実に有益な資料集となっている。
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宙太郎
ネタバレお盆に親戚一同が集まる。そこで主人公のなっちゃんが年長者から聞いた怪異談が3篇。その後、なっちゃん自身が夏祭りの夜に体験する不思議が語られるという構成。このなっちゃんの実体験が存外怖くってドキドキさせられる。富安氏畏るべし。でもまぁ、この体験でなっちゃんは聞き役から語り部の一員へと向かう一歩を踏み出したわけだ。「人は二回死ぬ。一回目は心臓が止まった時、二回目はみんなに忘れられた時」というのも胸に刺さるが、戦争体験の継承が創作の動機となっていることも忘れてはならない。そんな意味でも軽々しく読み流せない一冊。
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宙太郎
ネタバレ柏木悩みに沈むくだりは、次々と昔の人の詠んだ和歌など引き合いに出して、どうにも真剣に悩んでいるように見えない。時代の違いだろうか? 雲居の雁が夕霧にやきもちを焼くセリフは林先生が思い切って現代風に訳してあって(「いつだって私のことを鬼だ鬼だとおっしゃってるんですから、もう同じことなら、死んで鬼になってしまおうと思っているんですからねっ」)、思わず笑ってしまう。そして匂宮がかわいい(「僕は、(中略)おばあさまの方が大好きだから…もし、いらっしゃらなくなったら、きっとね、ぜったい泣いちゃうにきまってる…」)。
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宙太郎
ネタバレ本好きには絶対おすすめの一冊。僕は冒頭の名作物語文庫の「クオレ」に”焼きりんご”を勝手に登場させた”犯人”の正体ですでにやられてしまった。この人ならやりかねん。第2話「水源地はどこか」の松本清張氏の倒錯疑惑にもドキドキ。厳しい批評をしたのは誰か、なぜそんな厳しい批評をしたのかに加え、発表から3カ月もたってその批評が雑誌に掲載されたわけにも言及されていて素晴らしい出来栄え。もう息を呑むようなサスペンスだ。蛇足。P77の「怪人対巨人」は乱歩先生の「怪人二十面相」の中のある章のタイトル「怪人と巨人」からだろう。
が「ナイス!」と言っています。
宙太郎
ネタバレ前5作中2作を読んで、「こりゃ第1作(鋼人七瀬事件)を読まなきゃ分からないや」と思って一旦読書を中断。第1作読了後に残り3作を読了。第1作を書くための著しく特殊な設定を短編で十分に活かすのは無理があったんじゃないかというのが正直な感想。第2話、第4話は”虚構”の推理ですらなかったし、第1話のように通常のミステリとして処理できる謎だと、かえって探偵役の岩永が思い付きをだらだらと喋っているようにしか見えない。第5話が何とか”虚構推理”の面白さを少し出せていただろうか。アクション主体の第3話も楽しく読めた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/06/18(1262日経過)
記録初日
2021/06/17(1263日経過)
読んだ本
503冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
141840ページ(1日平均112ページ)
感想・レビュー
501件(投稿率99.6%)
本棚
2棚
自己紹介

本を読むことも本を買うことも好きなので,いつも「積読本増加速度>積読本消化速度」という慢性疾患を抱えています。
読んでるジャンルはミステリが多いかな? 大長編もいいけれど,奇妙な味の短編にお気に入りの作品が多いみたい。
読んだ本の感想はなるべく書き込むように努力しています。よろしくお願いします。

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