一般には世界戦争は、国民経済を基盤とするヨーロッパの先進資本主義諸国が海外の植民地をそれぞれの経済体制に組み込み、世界の隅々までを分割し終えたとき、新たに資源と市場を求める後発の勢力が、一旦分割された世界の再配分を要求したことに始まるとされています。いわゆる「帝国主義の時代」と言われる状況です(40頁)
「このように神が根本的に失われた「乏しい時代」の到来といった事柄も、そこから遠く離れた異国に住む私は当事者として経験していないのである。西欧の哲学的言語のコロニアルな展開に身を置かざるをえない状況でありながら、肝心の「神の死」については彼らの郷愁を遠景で見ることしかできないのだ。「神の死」すら何の欠落とも感じていない者が、どうして「神の存在」の内実を語ることができるのだろうか。そのような隔たりを自覚することなく、神の存在や死を学問的に滔々と語るとしたら、まったく滑稽な試みでしかない。」
「西欧の伝統においては、そもそも神の「存在」こそが強迫的に人が固執すべき対象として定義されていたのである。そのことをなしとげたのは、他ならぬ古代末期の神学者アウグスティヌスであった。」
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
「このように神が根本的に失われた「乏しい時代」の到来といった事柄も、そこから遠く離れた異国に住む私は当事者として経験していないのである。西欧の哲学的言語のコロニアルな展開に身を置かざるをえない状況でありながら、肝心の「神の死」については彼らの郷愁を遠景で見ることしかできないのだ。「神の死」すら何の欠落とも感じていない者が、どうして「神の存在」の内実を語ることができるのだろうか。そのような隔たりを自覚することなく、神の存在や死を学問的に滔々と語るとしたら、まったく滑稽な試みでしかない。」
「西欧の伝統においては、そもそも神の「存在」こそが強迫的に人が固執すべき対象として定義されていたのである。そのことをなしとげたのは、他ならぬ古代末期の神学者アウグスティヌスであった。」