その時間は唐突にやってくる。仕事を切り上げ、取引先の会社の会長の家に向かう。ご自宅に入れていただき、最上階に登り、会長とストレッチを行う。次に、ダンベルと握力の筋トレをこなすと、鉛のクラブを渡される。そう、週二のゴルフ練習の始まりだ。鉛のクラブを二、三百回も振り、間髪入れずに、実球を打ちまくる。手を抜くと、会長からお叱りの声を頂く。会長は御歳八十、息子さん二人はプロゴルファー。科学理論の息子様を見返したくて、自分にスポ根混じりのゴルフ理論を叩き込む。同じ会社の社員さん達の目が哀れみの目に変貌していく。
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