パンデミックがなんらか影響して犯罪に繋がっているサスペンス的短編集。コロナ禍が文学的に何を生み出したか、みたいな俯瞰で見た時の答えの一つになると思った。まだ視点的には現在進行形のこととして描かれているけど、読む側の時の流れがどんどん離れていくにつれ、こんな出来事本当にあったのかと思われていくのだろうか。第171回直木賞。

『獣の奏者』でだいぶ警戒心を強く持った上橋菜穂子作品の代表作。今のところは普通に面白いです。（警戒心を持った人の慎重な感想）

ホテルを舞台にさまざまな客の視点から物語が進む群像劇には小説に限らず良作に触れすぎていて、残念ながら本作に特別な感想を持つことができない。構成上の手法も、これまた残念ながら驚くことは何もない。何より人物やバックグラウンドの描写に「ベタだねえ」以外の感想が出てこない。残念。とても残念だ。

パンデミックがなんらか影響して犯罪に繋がっているサスペンス的短編集。コロナ禍が文学的に何を生み出したか、みたいな俯瞰で見た時の答えの一つになると思った。まだ視点的には現在進行形のこととして描かれているけど、読む側の時の流れがどんどん離れていくにつれ、こんな出来事本当にあったのかと思われていくのだろうか。第171回直木賞。

『赤と青のガウン』も読みたいけど書店でパラ見してこちらからと決めたのは、歩くのがお好きで、学生時代には自宅から大学までしばしば歩き側衛（皇室SP）泣かせだったという一節にありました。 赤坂御用地から学習院大学まで（約6km）とは、かなりの「ガチ」を感じる。いや、徒歩だけに「かち」かもしれない（笑いどころ）。 そんな歩くことが好きな方が書かれた、道についてのエッセイ。しかも場所は街の風景に道がとりわけ大きな要素となっている京都。 絶対おもしろいでしょ。 おもしろかったです。

「製菓会社の広報で愛妻家ですがイケメンダンサーと議員と夢の世界で戦っています」みたいな異世界（含）ファンタジーが伊坂幸太郎の手で生み出されるとは思わなかった。すごくすごく面白かったし、後書きにも書かれているコンセプトというか作品を通じて見せたいものをかなり明確に受け取って読んだと思う。とはいえオーディオブックなので作品の構成要素として大きいであろうものを見ておらず、目読書もしなければと思った。新型コロナの影響があったろうと思ったら初版は2019年とコロナ前だったのにいちばん驚いた！

有名長編の雰囲気をうまく活かした中長編と、ホームズの姉マイキーの奇行を書いた短編一本という構成は前作と同じ。えー面白いから続きも読みたい。まだオーディオ化してないけど。

登場人物全員性別逆転＆現代版のシャーロック・ホームズのパスティーシュシリーズ1冊目。 あの人この人はどんなキャラでくるのかなと楽しかったが、出落ちというわけではなくずっと楽しかった。緋色の憂鬱というサブタイトルを含め、聖典（原作シャーロック・ホームズシリーズ）を知っていれば知っているほど楽しいでしょう。シャーリー・ホームズとジョーのシスターフッドぶりもけっこう好き。

大正時代の社会主義者界隈を中心としたミステリ短編4本。ミステリよりは当時の情勢と社会主義者たちの立ち位置が生み出す軋轢の描写が主。ジョーカー・ゲームの著者だけあって見たこともないのにノスタルジックでワクワクしちゃう。シリーズでもっと読みたいけど、そもそもAudibleオリジナルコンテンツとして公開されてるのでまずは書籍化をお願いしたい。

登殿、ふたたび！昔のこととはいえ前回から連続してトラブル続きで、もう登殿の儀辞めたほうがいい（提案）。「鎌倉殿の十三人」の北条義時並に目から光が消えてしまってるのが文字からだけでも伝わる雪哉、今回は自身の口から持論が聞けてだいぶ良かった。