フエィクドキュメンタリー形式で進行していくホラー小説．その形式上、序盤は単発的な記事やインタビューといった、一見何の関連もなさそうな情報が押し寄せるが、それがかえって不穏さを助長しており、また想像を掻き立てられて非常に良い塩梅．怪異の正体は？原因は？関連は？読み進めるにつれて増えていく疑問が、徐々に1本に収束していくのは気持ちが良かった．一般的な小説調とは異なる臨場感溢れる形式なので、本当にあったことのように感じられる．その分怖さも増します．リアリスティックなホラー好きな方にはとても響く作品だと思います．

表向きは、複数の仮想の心霊スポットに対して登場人物が調査や考察を重ねていく物語．登場人物である巡礼者、簒奪者、共犯者は皆一癖あり、その原因となった過去も丁寧に描かれているため感情移入もしやすい．そして後半に進むにつれ明らかになる、各々の真の目的には驚かされた．フェイクドキュメンタリー形式の前作『近畿地方のある場所について』と異なり今作は小説調であり、霊に襲われるなどの直接的な描写は無いが、ホラーな現象を現実的に考察するという内容は非常に読み応えがあった．ハッピーともバッドともとれる終わり方もよかった．

フエィクドキュメンタリー形式で進行していくホラー小説．その形式上、序盤は単発的な記事やインタビューといった、一見何の関連もなさそうな情報が押し寄せるが、それがかえって不穏さを助長しており、また想像を掻き立てられて非常に良い塩梅．怪異の正体は？原因は？関連は？読み進めるにつれて増えていく疑問が、徐々に1本に収束していくのは気持ちが良かった．一般的な小説調とは異なる臨場感溢れる形式なので、本当にあったことのように感じられる．その分怖さも増します．リアリスティックなホラー好きな方にはとても響く作品だと思います．