ネタバレ良い本に出会った。プロローグから、馴染みのない仏師についての話が始まるが、その仏像を削り出す緊張感に息を飲んだ。第一章から六章では「たけ屋」に住む温かく心優しい親子との出会い、交流、そして切ない別れが描かれる。そこだけでも充分面白いが、この小説の肝はプロローグとエピローグで書かれる仏師の話のように思う。彼が居ることでより、親子の温かさや周囲への影響が立体的に見える。 個人的に夏という季節は「死」をテーマにするのにうってつけのように思う。夏のうるさいまでの生命力が死を対比するからだろうか。

ネタバレ面白くて一気読み。メインプロットである連続放火事件の解決法も面白かったが、二人の常人とはかけ離れた人間関係への向き合い方に、共感半分といった感じ。それもまた異質さを感じて面白い。二人の関係性として前作の"夏期"での別れから、一周回ってまたあるべき場所に落ち着いたので、少し安心した。続きも楽しみだ。

ネタバレ良い本に出会った。プロローグから、馴染みのない仏師についての話が始まるが、その仏像を削り出す緊張感に息を飲んだ。第一章から六章では「たけ屋」に住む温かく心優しい親子との出会い、交流、そして切ない別れが描かれる。そこだけでも充分面白いが、この小説の肝はプロローグとエピローグで書かれる仏師の話のように思う。彼が居ることでより、親子の温かさや周囲への影響が立体的に見える。 個人的に夏という季節は「死」をテーマにするのにうってつけのように思う。夏のうるさいまでの生命力が死を対比するからだろうか。