日系アメリカ人作家カレン・テイ・ヤマシタについては気になっていたものの作品を読んだことがなかったので、読んでみようかなと思い、この本を入手。あと本書のタイトルにも興味津々。『Sense and Sensibility』をもじって『Sansei and Sensibility』。オースティン作品のパロディは何点か読んでいるけど、この作品はどんなかな?
ドラマの歴史考証を担った人やドラマのプロデューサーによるコラムも、制作の舞台裏を伝えてくれており、興味をもって読むことができた。それとは別のレベルでは、主人公(ペク・ソンジャ)の描き方に「ステレオタイプな在日オモニファンタジーの要素」は薄く、ドラマ版は「インターセクショナルなフェミニズムを実践した事例」という指摘(ハン・トンヒョン)や「個人の物語を四代のファミリーヒストリーとして描くことによって、ただ単に主人公が逆境を克服する物語にとどまらず、日本と韓国の歴史(中略)をしっかりと丁寧に描くことができ」る⇒
(深沢潮)という指摘には、なるほどと納得した。また、「歴史に対する真摯さ」(テッサ・モーリス=スズキ)という基準は、私が歴史小説や歴史ドラマを評価するときの参考にしたいなと思った。
東アジアや東南アジアの政治や歴史、文化についての本を読むことが多く、それ以外のジャンルの小説やエッセイにも手を伸ばすこともある...と思っていましたが、このごろは乱読に近づいているかもしれません。
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